国内初の新幹線・高速道・国道の同時通過ドローン配送実証について
最終更新日:2023年11月20日
ドローン配送実証実験について
令和5年3月4日(土曜)に、ドローンによる農産物配送実証を実施しました。
本実証は、「にいがた2km」に立地する万代島をフィールドに、最新デジタル技術を利用した”ちょっとミライのニイガタ”での、食のサプライチェーンの実現に向けた実証に取り組む「にいがた2km×8区連携」ビジネスモデル創出事業の一環で実施したものです。
「にいがた2km×8区連携」ビジネスモデル創出事業についてはこちら
事業概要
本事業は、本市が内閣府より「自治体SDGsモデル事業」に採択された「将来に向けた持続可能な食と農の創出プロジェクト」として、新潟市が進める都心のまちづくり「にいがた2km」におけるデジタル技術を活用し、本市の強みである「食」と「農」の価値を高める新たなビジネスモデルを創出するものです。
そのうち、輸送における温室効果ガスの低減など物流課題の解決策として、ドローンでサプライチェーンをつなぎ、郊外から都心部まで農産物を輸送する実証を行うものです。
また、本市ではこれまでもドローンによる都市部ビジネスの実現に向けて取り組んでおり、国内初の都市部におけるドローンデリバリー実証の実施や、一定期間ではありますが、一般利用者向けのドローンフードデリバリーの営業実証など様々な実証支援を行ってきました。
そうした取組の中で、更なる都市部におけるドローンビジネスの可能性の拡大を目指し、各種交通橋梁の上空通過の実現に向け取り組むものです。
本事業の特徴
郊外から都心部までの輸送ルートとして、地上の第三者への影響を極力少なくするため、信濃川上の河川ルートを選定し、郊外の新潟ふるさと村第2駐車場(新潟市西区)から都心部にある「ピアbandai」(新潟市中央区)までを実証ルートとしました。
ただし、この区間には、上越新幹線、高速道路、国道バイパスなど主要な交通インフラの橋梁が多数存在することから、各管理者と綿密に実施に向けた調整を行いました。
また、安全に飛行させることを第一として、ドローンの遠隔操縦パイロットが常に機体カメラから地上及び周囲を監視し、各橋梁の手前では自動で一時停止をさせて安全を確認する飛行計画を設定し、緊急時の着陸場所も設定しました。
さらに、各施設箇所に地上監視要員を配置したほか、補助パイロットが追従船から常に目視で確認するとともに、着陸地点にも補助パイロットを配置し、緊急時でも迅速に対応できる体制としました。
実証経過
- 令和5年3月4日(土曜)午前11時30分離陸、続いて北陸自動車道・ときめき橋、上越新幹線橋梁、国道8号線(新潟バイパス)・新潟大橋を安全確認し、通過
- 午前11時38分、国道116号線・平成大橋の手前で通信不具合(通信途絶)発生、上空待機のまま回復を待つが電源消費を考慮し、船上パイロットからの操縦に切替え
- 午前11時50分、船上パイロットが接岸上陸。設定されていた緊急着陸地点である信濃川河川遊歩道へ車両・通行人等の不在を確認のうえ着陸し、機体を回収
- 再離陸によるピアbandaiへの運送実証の再開は、バッテリー残量から中止と判断
実証結果
都市部におけるドローンビジネスの拡大の可能性を探るための河川上橋梁の連続通過としては、国内初となる新幹線上空の通過をはじめ、事例の少ない高速道路上空、交通量の多い国道バイパス上空において、安全確保のうえで一連のルートを通過する実証が実現できました。
しかしながら、通信不具合が発生したため、追従していた補助パイロットによって、安全な場所へ着陸させることとし、目的地まで飛行できなかったことから都市部での遠隔操作による長距離輸送については、課題があることを確認しました。
今後の対策
通信不具合の原因究明とその課題解決については、技術面だけでなく電波監理の観点など運用面での検討も必要とされるが、本市上空での要因によるものかなど多方面からの検証が必要と考えます。
また、通信不具合後の飛行再開などドローンの機能面での検討など、関係者を加えての検証も必要と考えます。
これらの改善・解決策が講じられない限りは、都市部での遠隔操作によるドローン実証の再開は実施しないものとし、目視内による都市部のドローン実証については、今回の事象に該当しないことから継続して支援するものとします。
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