新潟市新津美術館所蔵品による 笹岡了一と新潟光風会の作家たち
最終更新日:2024年1月23日
会期 令和6年1月20日(土曜)~3月10日(日曜)
休館日:1月22日(月曜)・29日(月曜)、2月5日(月曜)・13日(火曜)・26日(月曜)
笹岡の遺したもの ー作品、絵を描く仲間、創作への熱ー
当館は、1992(平成4)年に洋画家・笹岡了一(1907-1987)の絵画163点が旧新津市(現新潟市秋葉区)へ寄贈されたことがきっかけとなり、1997(平成9)年に現在の地―笹岡が生まれ育った金津地区―に「新津市美術館」として開かれました。これらの笹岡の作品群は、当館のコレクションの中核をなしています。
笹岡は、自身の創作活動に加えて地域の美術振興にも力を尽くし、多くの後進を育てました。1963(昭和38)年には「新潟光風会」を発足させ、作品発表や研究活動の場をさかんに設けて、新潟県内の美術を志す人々を励ましました。同会は、その後、光風会新潟支部へと変遷しつつも、60年を経た今日まで新潟の主要な洋画団体であり続けています。
本展では、当館所蔵品によって、笹岡の画業を振り返るとともに、新潟光風会を中心とする笹岡とゆかりの深い作家たちの絵画や工芸品を展示します。彼らの間で交わされ、共有され、受け継がれてきた創作への熱を、作品を通じて感じ取ってみてください。
笹岡了一と新潟光風会の作家たち展チラシ(PDF:8,350KB)
展覧会チラシ(A4サイズ、両面印刷で配布)
会期 | 令和6(2024)年1月20日(土曜)~3月10日(日曜) |
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休館日 | 1月22日(月曜)・29日(月曜)、2月5日(月曜)・13日(火曜)・26日(月曜) |
開館時間 | 午前10時から午後5時(観覧券販売は午後4時30分まで) |
観覧料 | 一般 500(400)円 大学・高校生300(240)円 中学生以下無料 |
主催 | 新潟市新津美術館 |
月曜開館 | 通常定休日である月曜でも、以下は開館します。 |
こどもタイム | 親子で会話を楽しみながら鑑賞できます。 |
託児サービス |
鑑賞のための託児サービス |
展覧会の見どころ
- 新潟市新津美術館の所蔵品の中心をなす、笹岡了一の絵画。その中から選んだ約50点によって、笹岡の画業を振り返ります。
- 当館コレクションから、笹岡が率い、その後今日まで新潟県の主要な美術団体である「新潟光風会」の関係作家の作品も、約30点展示します。
秋葉区生まれの画家 ー金津村から東京へー
写真 金津村時代の笹岡了一(左から2番目)
笹岡了一《太夫浜の風景》1931年
笹岡了一は、1907(明治40)年、新潟県中蒲原郡金津村朝日(現・新潟市秋葉区)に生まれました。現在、新潟市新津美術館が建つエリアです。
父の影響で絵を描き始めた笹岡は、次第に画家になりたいという気持ちを強くし、新潟県内や東京の公募展に出品するようになります。同郷の先輩画家・安宅安五郎に学びつつ腕を磨き、24歳で現在の日展に入選を果たすと上京しました。
戦争体験を経て、中央画壇へ
笹岡了一《纏足》1946年
笹岡は、 3度戦地へ応召しています。本展では、戦時下の画業にも注目します。
最初は、日中戦争勃発の年(1937年)の応召で、中国北部で三年間転戦しました。 43年から 44年にかけては、太平洋戦争下のフィリピンで、陸軍省の報道班員として戦争や戦地を絵で記録し、 45年には朝鮮半島北東部へと動員されて終戦と同時にソ連軍の捕虜となりました。
その後逃亡し、無事帰還した 46年秋に《纏足》を発表してからは、日展や光風会といった美術団体を中心に、東京の画壇で次々と絵を発表していきました。戦時中目にした外地の風景も、後の作風に影響を与えました。
秋元松子と
写真 笹岡了一と秋元松子 1935年頃(千葉・犬吠埼にて)
秋元松子《花と更紗》1973年
笹岡が生涯のパートナーとしたのは、秋元松子(1899-1995)です。本展では、秋元の絵も展示します。
秋元は、千葉の流山で醸造業を営む名家に生まれ、父の元に集った文人墨客に歌と絵を学び、歌人として、また画家として活躍しました。笹岡とは、笹岡が上京して間もない頃に出逢って結婚。笹岡が度々出征した戦時中も、戦後笹岡が画業で忙しい時も、秋元は、自分の創作活動と並行しながら、公私にわたって約半世紀の間夫を支えました。
新潟光風会をめぐる作家たち 1963~
大橋廣治《シエスタ(サクロ・モンテ)》1985年
石山惠美子《煌そして黒》
西村満《煙の街》1978年
洋画・工芸の公募展を行う美術団体として、明治末から活動してきた「光風会」。その光風会の、地方での展開の一つとして、1963(昭和38)年に設立されたのが「新潟光風会」です。新潟県内の美術を志す人々を集め、研鑽や発表の場を設け、先頭に立って指導したのが、新潟を郷里とする笹岡了一でした。
本展では、新津美術館が所蔵する作品の中から、「新潟光風会」で経験を積み、その後の道を切り開いていった画家たちの作品も展示します。
本展では写真撮影が可能です
※三脚、フラッシュ、自撮り棒の使用はご遠慮ください。撮影時にはシャッター音等、周りのお客様へのご配慮をお願いいたします。
※撮影時にはシャッター音等、周りのお客様へのご配慮をお願いいたします。
関連事業
アーティストトーク「わたしと笹岡了一」
本展出品者で新潟光風会ゆかりの作家に、笹岡の思い出や自作についてお話しいただきます。
1月28日(日曜) 本間 ケイ 氏
2月23日(金曜・祝日) 山田 一郎 氏
3月3日(日曜) 中野 雅友 氏
3月9日(土曜) 堀 研一 氏
いずれも午後2時~(約40~60分)
会場 新津美術館 展示室
*要当日観覧券 *先着30名 *事前申込み不要
学芸員による作品解説会
2月3日(土曜)
2月25日(日曜)
いずれも午後2時~(40分程度)
会場 新津美術館 展示室
*要当日観覧券 *先着30名 *事前申込み不要
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