328号(令和2年12月6日) 1ページ
最終更新日:2020年12月6日
西区男女共同参画地域推進事業
コロナ禍の家族の過ごし方
問い合わせ 西区 地域課 広報・広聴担当(電話:025-264-7180)
新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛や在宅勤務など、家族と過ごす時間が増える中、今までとは違った生活環境や不安からイライラしたりしていませんか。ストレスをため込まず穏やかに過ごすために、西区男女共同参画地域推進員の田代一郎さん、小熊洋子さん、伊藤星良さんがアンガーマネジメントファシリテーター™の立松有美さんに話を伺いました。
アンガーマネジメントファシリテーター™立松有美さん
子育て支援と男女共同参画を軸として、新潟県内を中心に活動。NPO法人にいがた子育ちステイション理事長。
アンガーマネジメントとは
西区男女共同参画地域推進員
小熊洋子さん
小熊 コロナ禍でストレスのたまる状況が増え、アンガーマネジメントの重要性が高まっていますが、アンガーマネジメントとはどんな考え方ですか。
立松
怒りの感情は瞬間的に強く、冷静に判断ができなくなり、失敗や後悔をすることがあります。アンガーマネジメントとは、自分の怒りを理解し、怒りに振り回されないようにするためのセルフコントロール術です。相手の怒りをコントロールするものではありません。
田代 コロナ禍で家族と過ごす時間が増えて、ストレスに感じるといった声が聞かれますが、怒りの感情はどういうときに起こるものですか。
立松
理想と現実とのギャップであったり、自分の大事なものが侵害されそうになったりするときに怒りの感情が起こります。「こうあるべき」という理想や価値観、信念は、経験や社会からのメッセージ等で形成されます。自分自身の「べき」が他者と合わなかったときにイライラします。
伊藤 家族の過ごし方での事例はありますか。
立松
家族それぞれの理想があって、コロナ禍では普段より多くの時間一緒にいますから、「べき」の違いがいろいろ見えてイライラしますよね。例えば、在宅勤務の自分が「仕事をしているから、家にはいるけれども仕事を優先するべきだ」と考えている一方で、パートナーが「家にいるのだから、仕事を優先しながらも、家事などもするべきだ」と考えていれば、考えが合わず、怒りの原因になります。
6秒ルールで冷静に
小熊 怒りの感情が起こったときにコントロールする方法はどんなものがありますか。
立松
よく言われるのは、カッとした時に6秒待つこと。怒りの感情は防衛反応なので、心臓がドキドキしたり目が見開いたりしますが、それが収まるのが6秒と言われています。6秒をどうにか過ごせば、落ち着いて物事を考えられるようになります。
その6秒間に、衝動的に行動してしまうと、「あんなことを言わなければ良かった」というような後悔が生まれます。
小熊 6秒はどのように過ごせばいいですか。
立松
そこから冷静になれるように、事前に自分の行動を決めておくことが大事です。カッとなったら深呼吸をするとか水を飲むとかハンカチを握るとか、冷静になるために怒りから気をそらすようにします。
ただし、怒りの感情は非常に強く、練習が必要です。行動を決めておいて練習し、うまくいかなければ違う行動で練習する。自分自身が6秒間で落ち着ける行動を見つけてください。
家族と穏やかに過ごすために
西区男女共同参画地域推進員
伊藤星良さん
伊藤 アンガーマネジメントの考え方を子育てに生かす方法はありますか。
立松
私たちは親からも学校からも、怒りの感情をコントロールする方法を教わっていないですよね。アンガーマネジメントはセルフコントロール術ですから、親がそれを実践することで、子どもも怒りのコントロールの方法を学びます。
小学生にアンガーマネジメントを実施したときに、親から「早く宿題をしなさい」と言われたときの怒りの温度の最大を10点とすると、8点とか9点の子もいれば0点の子もいました。その理由を聞いてみると、温度の高い子は「やろうと思ったのに言われると腹が立つ」と言うのですが、0点や1点の子は「親が心配してくれる」と言うんです。
伊藤 なぜ子どもたちの反応に違いがでるのですか。
立松
同じ現象に対して怒りの感情を持つ人と、持たない人がいます。現象に対してどんな意味付けをするかで、怒りになるかが区別されます。意味付けは自分自身がしているので、自分のコントロールでどうにかなります。その意味付けをするときに使われるのが自分の中の「こうあるべき」の「べき」です。
大人の意味付けだけで考えていると、子どもの行動を理解できなくてイライラしますが、子どもの行動の理由を考えたり、聞いたりすることで、子どもの行動の理解につながります。そして、行動の理由が分かれば、イライラではなく、どうしたらいいのかという方法が見つかるのではないでしょうか。叱るとは、「しかるべきこと=どのようにしてほしいかを伝えること」です。怒りの感情をぶつけるだけでは子どもの行動は変わりません。どうしてほしいかを具体的に伝えることが必要です。
西区男女共同参画地域推進員
田代一郎さん
田代 家族と穏やかに過ごすためにほかにできることはありますか。
立松
コミュニケーションは自己開示と他者理解です。コミュニケーションをとればとるほど、「べき」の違いが明確になっていきます。明確になった部分について、すり合わせや折り合いをつけ、「まあまあ許せる」部分を広げていきましょう。
また、怒りは第二次感情と言われていますが、第一次感情のマイナスの感情を減らしプラスの感情を増やすために、ご機嫌な振る舞いをして過ごしたり、良かったことを寝る前に書き出したりしてみて下さい。
相談窓口
家庭などでお悩みがある場合は、下記の相談窓口にご相談ください。
■アルザにいがた こころの相談
家族・夫婦やパートナー、対人関係、生き方などの悩みについて、カウンセラーが一緒に考えます。
◆電話相談
水曜・日曜 午前10時から午後3時30分
金曜 午後2時から7時30分
◆面接相談 ※電話相談で要予約
火から木曜・土曜 午前10時から午後5時(祝日・休日、第4月曜が祝日の場合の翌火曜、12月29日から1月3日を除く)
申し込み こころの相談(電話:025-245-0545)
問い合わせ 男女共同参画推進センター アルザにいがた(中央区東万代町 電話:025-246-7713)
■配偶者暴力相談支援センター
配偶者や恋人などからの暴力被害について相談に応じています。
◆電話相談
月曜・水曜 午前9時から午後5時
火曜・木曜・金曜 午前9時から午後8時
◆面接相談
月曜から金曜 午前9時から午後5時(祝日・休日、12月29日から1月3日を除く)
申し込み 同センター(電話:025-226-1065)
◯今号掲載の情報は11月30日時点のものです。状況により催し等を中止する場合があります。
◯催しの開催状況はそれぞれの問い合わせ先までご確認ください。
◯催しに参加する場合は、マスクの着用などの「新しい生活様式」の実践をお願いします。