市報にいがた 令和3年2月7日 2736号 5面
最終更新日:2021年2月7日
みなとまち新潟 歴史探訪(42)
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新潟の河川交通と蒸気船
明治から昭和の初めにかけて、新潟の河川には蒸気船が行き来していました。写真は萬代橋から見た蒸気船「安進丸(あんしんまる)」の発着場の様子です。信濃川沿いに宿や運営会社が並び、蒸気船が停泊しています。船体は木造で、両側には外輪が付いています。川を行き来する蒸気船は「川蒸気」と呼ばれ、人々に親しまれていました。
安進社が運航した安進丸は、新潟を出発すると酒屋(江南区)、小須戸(秋葉区)に寄港し、長岡へ向かいました。中ノ口川を進み、大野(西区)、白根(南区)、三方(西蒲区)などに寄港し燕に向かう便もありました。安進丸は、旅客だけでなく米や果樹などの産物を各地へ運びました。鉄道や自動車がなかった当時、川蒸気は人々の生活を支える重要な輸送手段でした。
川蒸気の船内には茶屋があり、煎餅やようかんが売られていました。学校の遠足や新潟まつりの見物に利用され、川蒸気に乗ることは当時の人々の楽しみの一つでもありました。人々の生活を支えた川蒸気でしたが、他の交通機関の発達や信濃川の水位の低下により、その役目を終えることになりました。
初代萬代橋から見た新潟町と川蒸気(新潟市所蔵、明治19年ごろ)
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