市報にいがた 令和3年3月7日 2738号 1面から3面
最終更新日:2021年3月7日
災害時に備えて 避難行動を考えよう
日頃から防災の意識を高めておくことで、災害時に適切な行動を取ることができます。今号では、災害時の避難行動と感染症対策について取り上げます。
※関連記事を別冊3面に掲載
問い合わせ 防災課(電話:025-226-1143)
避難行動のポイント
事前の備えと早めの行動
新潟市防災マスコットキャラクター ジージョ
- 自宅付近の災害リスクや避難先などを確認
- 災害時はこまめに正確な情報を収集
- 災害の状況から行動を適切に判断
- 近所の人とも協力しながら早めに避難
避難所では感染症対策も
新潟市防災マスコットキャラクター キョージョ
- 密閉、密集、密接を避ける
- 感染症予防に必要な物品の準備と使用
- 定期的な換気や消毒
※自宅の上階や親戚・知人宅などへの避難も検討
詳しくは新潟市ホームページから
災害の備えと早めの行動を
毎年、全国各地で自然災害が頻発し、大きな被害を及ぼしています。一昨年発生した山形県沖地震では新潟市内でも津波が観測されるなど、災害はいつ襲ってくるかわかりません。
日頃から災害に備え、いざというときに早めの行動を取ることが、ご自身やご家族、地域を守ることにつながります。あらかじめ自宅付近の災害リスクを確認しておき、近所の人とも協力して早めに避難することなどが大切です。
また、新型コロナウイルス感染症がいまだ収束しない中、災害時には避難行動と感染予防の両立が求められます。市民の皆さまには、避難所にマスクなどを持参し、密閉、密集、密接を避けるほか、災害の種類や程度によっては自宅の上階や親戚・知人宅などへの分散避難をお願いいたします。
本市でも、避難所にアルコール消毒液やマスクなどを確保し、大規模災害発生時には公民館や図書館などを避難所として利用できるよう、感染拡大防止に向けた態勢を強化しました。今後も引き続き、防災対策のさらなる充実に取り組んでまいります。
新潟市長
感染症対策をしながら災害への備えを
インタビュー 日頃から災害を意識することが大切
新潟市防災士の会
西区支部 幹事
高橋 伸絵(のぶえ) さん
家族と一緒に考えて
地域で防災士の活動を始めて、今年で7年目になります。中学校の防災学習や地域の講習会で、災害への備えの大切さを話しています。
そこで一番に伝えていることは、家族や友達、近所の人と一緒に災害について考えてほしい、ということです。ハザードマップを見ながら「町内は川が近いから水害が怖いね」「どの段階で、どこに避難して、どうやって連絡を取り合おうか」などと話し合うことで、一人で考えるよりも災害の危険性や避難行動をしっかりと理解できるからです。
また、家族で買い物や散歩に行くついでに避難所までの経路を歩いて、危険な場所が無いか確認することもお勧めしています。
新型コロナウイルス感染症に対応した避難も
避難所での「3密」を避けるため、安全性が確認できる場合には、自宅の2階や親戚・友人の家などへの避難も日頃から検討しておくことが大切です。
しかし、これは感染を恐れ過ぎるあまり、危険が迫っていても避難所などへ行かなくても良いという意味ではありません。災害時は最新の気象情報や災害情報をよく確認し、自身の行動を判断しましょう。
災害はいつ発生するか分かりません。自分や家族を守るために日頃から災害への備えに意識を向けてほしいと思います。
もう一つ、ご近所の「つながり」も忘れずに。
平成10年8月4日8.4水害(新潟市西区)
家庭で備えを
ハザードマップで確認すること
- 自宅や職場、学校周辺の災害リスク
- 災害の種類に応じた指定避難所
- そのほかの避難先(例)自宅の上階や親戚・知人宅など(洪水の場合)
- 安全な避難経路
- 避難情報や気象情報の種類と意味
※ハザードマップは新潟市ホームページに掲載。
区役所地域総務課(東区・中央区・西区は総務課)でも配布
災害時の情報入手手段(主なもの)
テレビ、ラジオのほか、次の手段を確認しておきましょう。
- にいがた防災メール
市が避難や災害などについての情報をメールで発信 - 緊急速報メール
携帯電話事業者が災害発生時に緊急情報などを発信 - 新潟県防災ナビ
県内の防災情報を確認できるスマートフォン用アプリ - 防災行政無線(一部地域のみ)
サイレンや音声で緊急情報や避難情報などを屋外スピーカーから放送 - 緊急告知FMラジオ
緊急信号を受信すると自動で災害時の緊急情報を放送
非常持ち出し品(例)
リュックに入れておくなど、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。
- 消毒液(せっけん)、ウエットティッシュ、体温計
- マスク
- 上履き(スリッパ)
- ごみ袋
- 衣類、おむつ
- 懐中電灯、携帯ラジオ、電池
- 水、食料、薬、生活用品
- 携帯電話、モバイルバッテリー
- 身分証明書、お金、通帳、印鑑
など
重さの目安
家庭用備蓄品(例)
在宅避難などに備えて、家庭用備蓄品の準備も行いましょう。
- 3日分(可能であれば7日分)の水や食料、生活用品
・食べ慣れているものやアレルギー対応食を普段から少し多めに買っておき、使った分だけ新しく補充 - ガス、水道の停止に備え、卓上こんろ・ガスボンベ、携帯トイレなどを用意
- そのほか、家族構成や生活習慣、健康状態などに合わせて必要となるものを準備
インタビュー 内容を工夫した水害想定の訓練
味方地区
コミュニティ協議会
自主防災組織本部長
笹川 初男(はつお) さん
今できる訓練を
味方地区は近くに中ノ口川があり、昔から多くの水害に見舞われてきました。このため、今年度は洪水に特化した避難訓練を行う予定でしたが、感染症の影響で大勢で集まって訓練をすることができませんでした。
しかし、前例にとらわれず内容を検討した結果、味方中学校が洪水時の避難所に指定されていることもあり、自治会長と中学生が感染症対策をしながら避難者を受け入れる訓練と、各家庭で避難方法や避難場所などを考える訓練を同時進行で行うことにしました。
訓練で得たこと
中学生と一緒に避難所運営をする訓練は初めてでした。中学生は知識の吸収が早く体力もあるので、災害時に大きな助けになるということがこの訓練を通して分かりました。また、中学生にとっては、いざというときに自分がどう動けるかを考えるきっかけになったようでした。
一方、各家庭から予定避難先などを書き込んだ用紙を回収したところ、適切な避難先である小・中学校などの高い建物ではなく、浸水時に危険な平屋建ての建物を避難先として考えている人が多くいることが分かりました。
今後は災害の種類に適した避難所の周知に力を注ぎつつ、内容を工夫しながら防災訓練を続けることで、地域の防災力を高めていきたいと思います。
他のグループとの接触を避けて避難室まで移動する様子
避難所も感染症に対応
避難所の備蓄物資の増強
- 消毒・衛生用品など
アルコール消毒液、避難者用マスク、液体ハンドソープ、塩素系漂白剤、非接触式体温計、使い捨て手袋、ほか
- 「3密」を防ぐ資材など
パーテーション、段ボールベッド、ほか
避難施設の拡充
- 図書館や公民館など42の公共施設を、大規模災害発生時などに利用できる補助的な避難所として新たに確保
- 高齢者や障がい者、妊産婦など指定避難所での生活が困難な人の受け入れに関する協定を市内21のホテル・旅館と締結
運営体制の強化
感染症対策を盛り込んだ新しい避難所運営マニュアルを基に、地域住民と施設管理者、避難所担当職員の三者で避難所の視察などを実施し、各施設の実情に合った運営方法を検討しました。
防災訓練の実施を
自主防災組織の育成と防災体制の充実を図るため、同組織が実施する防災訓練に必要な資機材や経費の一部を助成しています。特に、新型コロナウイルス感染症に対応する訓練には、助成額の上乗せや新たな助成項目を設けています。
助成額の上乗せを受けるためには、感染症対策を考慮した計画作りが必要です。
※助成額など詳しくは新潟市ホームページに掲載
新潟市ホームページから
できることから防災活動を
地域内での情報共有などを積極的に行い、災害に備えましょう。
(活動の例)
- 家族や近所で避難行動計画(マイ・タイムライン)を作成する
- 避難行動に支援を要する人を確認し、対応を検討する
- これまでに行った訓練を振り返り、地域の課題や今後検討が必要な事項を明らかにする
- 防災倉庫の備品の状態や有効期限を確認する
新潟市ホームページから
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