市報にいがた 令和6年7月21日 2819号 5面

最終更新日:2024年7月21日

連載 未来への扉(9)

 図書館司書がお薦めする、子ども・子育て世代向けの本を紹介します。

問い合わせ 舟江図書館(電話:025-223-3235)

『わたしと あそんで』

作/絵:マリー・ホール・エッツ
訳:よだ じゅんいち
出版社:福音館書店
発行年:1968年
所蔵冊数:42冊

わたしと あそんで

あらすじ

 原っぱへ遊びに来た「わたし」。「あそびましょ」と、バッタやカエル、カメ、リス、カケス、ウサギ、ヘビを次々と捕まえようとしますが、みんな怖がって逃げてしまいます。誰も遊んでくれないので、私は池の近くの石に腰かけてじっと動かずにいました。すると、逃げて行ったみんなが私のそばへ戻ってきました。それでも音を立てずにじっとしていると、シカの赤ちゃんが近寄ってきて、私のほっぺをなめてくれました。みんなが遊んでくれて、私は「とってもうれしいの。とびきりうれしいの」。

おすすめポイント

 「あそびましょ」は子どもの頃を思い出す言葉ですが、誰かに声を掛けるときは、大人になっても少し勇気がいります。だからこそ、友達が誘いに応えてくれた時は、とてもうれしいですよね。「わたし」も初めはみんなに逃げられたからこそ、戻ってきてくれた時のうれしさはとびきりだったのでしょう。原書は1955年にアメリカで出版され、長く愛されている絵本です。詩人の与田準一さんによって、やさしい日本語に訳されています。絵本全体に柔らかく描かれた太陽の淡い黄色の光が「わたし」を見守るように包んでいます。

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