市報にいがた 令和6年9月1日 2822号 1面から3面
最終更新日:2024年9月1日
新潟の農業を応援しよう
新潟市では、新たに農業を始める人への支援を行っています。
今号では、さまざまな形で農業を始めた人たちを紹介します。
問い合わせ 農林政策課(電話:025-226-1768)
- 目標 2:飢餓をゼロに
- 目標 8:働きがいも 経済成長も
- 目標 9:産業と技術革新の基盤をつくろう
- 目標 11:住み続けられるまちづくりを
- 目標 12:つくる責任 つかう責任
- 目標 17:パートナーシップで目標を達成しよう
市長より
新潟市長
新潟市は日本一の水田面積を持つ大農業都市として発展してきました。近年、農業に従事する人の高齢化や減少などにより、農業を取り巻く環境は大変厳しい状況になっています。
本市では、持続可能な農業の実現を目指し、意欲ある担い手を確保するため、新規農業者に対して知識・技術の習得や、初期投資の支援などを行っています。今年度は、職場環境の整備を支援する制度を新設し、取り組みをさらに強化しました。今後も、新たに農業を始める人の栽培技術向上や経営安定化を伴走型で支援してまいります。
近頃は、国内各地で農産物の地域ブランド化が進んでおり、地域間競争が激化しています。市内の農産物や加工品を消費して、本市の農業を、ぜひ一緒に応援していきましょう。
新たに始めた人に聞きました 農業に込める思い
自分で農業を始めた、実家の農園に勤め始めた、また農業法人に就職して新たに農業を始めた3人の、始めたきっかけや農業の楽しさ、魅力、思いなどを紹介します。
自営に挑む
人とのつながりを大切に理想の農園を目指す
志田 泰(たい) さん さんぽ農園(江南区江口)
農業の魅力に触れて独立
農機具販売店などに勤めた後、知り合いに誘われてコメ農家で5年間働きました。毎日の草取りも苦にならずに続けられたので、自分は農業に向いているのではないかと思いました。一生懸命やっていると、周りの農家の皆さんが声を掛けてくれたり、協力してくれたりと、人とのつながりができて「農家っていいな」と思うようになりました。
ユーチューブや本で独学するほか、アグリパークに相談する、ほかの農家の人に話を聞く、異業種の社長から経営を学ぶなど、多くの人とのつながりを作りながら、昨年独立しました。
反響がモチベーションに
栽培している農作物は、ミニトマト、ナス、ピーマン、カブ、ニンジンなどで、土台である土作りに力を入れて育てています。ミニトマトが昨年の「身体(からだ)に美味しい農産物コンテスト」で優秀賞、今年の「野菜ソムリエサミット」で最高金賞を取ったことは自信になりました。
収穫した野菜は、主にスーパーマーケットに出荷しています。バイヤーから「志田さんの作ったナスやミニトマトが大量に欲しい」と言われたり、お客さんからインスタグラムで「美味しかった」とメッセージをもらったりすることがうれしいです。
畑を「さんぽ」してもらいたい
「さんぽ農園」という園名は、フラワーガーデンのような自由に歩ける農園にしたいという思いで付けました。将来は、農業体験ができ、訪れた人が自由に歩ける農園を目指したいです。
2年目となる今年の目標は、しっかりと畑作りをして農作物を安定供給させることです。土作りからこだわった自慢の野菜を多くの人に食べてもらいたいです。
息子の温貴(みつき)さんも収穫の手伝いをしています。
志田さんお薦めの野菜の食べ方
ミニトマトに塩少々を加え、煮詰めて作るトマトソースがお薦めです。
野菜に塩とオリーブオイルをかけてグリルしてもおいしく食べられます。
親から子へつなぐ
愛着のある地元で農園を守り発展させる
髙塚 紗矢香(さやか) さん タカツカ農園(秋葉区善道町2)
好きな地元で働きたい
秋葉区で生まれ育ち、東京農業大学へ進学しました。地元が好きで、大学の民俗学の研究室では、にいつ夏まつりなどの伝統・文化が農業にどのようにつながっているかを研究しました。
卒業後は東京で働きたいという思いと、地元で働きたいという思いの両方がありましたが、「秋葉区に貢献できる人になりたい」と思い、昨年親元で就農しました。
気軽に農業の体験を
主な業務は農業体験農園での接客です。利用者に野菜を栽培する土地を提供して、助言などをしています。野菜が病気になった時にすぐに適切な助言ができず、経験不足を感じることもありました。周りの農家の人に聞いたり、失敗を通じて知識を得たりして経験を積んできました。利用者から「髙塚さんに会いに来ている」「髙塚さんがいる時に来たい」と言ってもらえることがやりがいです。豊作になるように、利用者に的確なアドバイスができるよう日々勉強しています。
これからの日本、新潟の農業は、消費者と生産者でくくられるのではなく、自分で作って食べられる農業体験農園が広まっていくことが理想だと思っています。ぜひ皆さんに気軽に農業を体験してほしいです。
秋葉区と農業の魅力を伝えたい
農園のほかに、まちづくりの会社で秋葉区への移住ツアーの企画なども行っています。農業と自然の良さを伝え、まずは秋葉区と関わってくれる人を増やしていきたいです。
新潟の人は地産地消の意識が高く、ありがたいです。これからも新潟の食べ物に誇りを持ち続けてもらえるように頑張りたいです。
農業体験農園では、野菜を育てた経験のない人の利用も歓迎しています。
髙塚さんお薦めの柿の食べ方
凍らせた柿と牛乳をミキサーにかけるだけで、冷えたスムージーが出来上がります。柿の甘みがあるため、砂糖は不要です。
法人で働く
生き生きと活躍 おいしい農作物を作りたい
神田 樹里(じゅり) さん 株式会社ファーム菱潟(南区菱潟)
祖父の姿を見て農業に興味を
神奈川県で生まれ、子どもの頃から福島県に住む祖父のコメ作りを見て、おいしいコメを作ってみたいという思いがありました。地元の農業高校を卒業後、「コメと言ったら新潟、コメを学ぶなら新潟」と思い、父の実家がある新潟市の新潟県農業大学校へ進学し、コメ作りについて学びました。会社見学をする中で、稲作ができる点や、会長や社長の人柄も決め手となり入社を決めました。
コメ作りが好き
昨年入社し、夏場にはコメと中玉トマト、冬場にはラディッシュ、ホウレン草、シュンギクを担当しています。仕事に慣れるまでは大変でしたが、困ったときは先輩に相談しながら栽培しています。
中玉トマトは赤く色づくまで虫に食べられているかどうか目で見て分からないため、栽培方法を日々スマートフォンで調べたり、ほかの農家の人に話を聞いたりしながら慎重に栽培しています。出荷して無事に店に並べられたときには「よかった」と安心します。
私はコメ作りの作業が一番好きです。力仕事やトラクター、コンバイン、フォークリフトなど大きな機械に乗って作業することが得意です。
できることが増えてうれしい
今後の目標は、中玉トマトの大きさや見た目で規格外になるものを減らすことや、コメの管理面積を増やしていくことです。今年からは新たにイチゴの栽培の主任も担っています。できることが増えることはうれしいです。先の計画を立てながら、任された仕事は完璧にできるようにしたいです。
農産物を購入するときには、ぜひ地元産のものを買って、たくさん食べてもらえるとうれしいです。
稲の管理やトマトの加工品の商品パッケージを作っています。
神田さんお薦めのコメの品種
新之助は、暑さに強く粒が大きいのが特徴です。また、粘り気や香りもあるため冷めてもおいしく、お弁当にお薦めです。
消費して応援しよう
新潟市産の農産物はこんなところで買えます
JA新潟市「キラキラマーケット」(いくとぴあ食花内)
時間 午前10時から午後6時 ※第2火曜、年末年始休業
会場 中央区清五郎336
電話:025-384-8487
新潟の地場産農産物直売所
「にいがた村」(アグリパーク内)
時間 午前9時から午後6時 ※水曜休業
会場 南区東笠巻新田3044
電話:025-362-5889
「野菜直売所」(うららこすど内)
時間 午前9時から午後5時半 ※年末年始休業
会場 秋葉区小須戸893-1
電話:0250-38-5430
にいがた2km(ニキロ)食花マルシェ
8区の特色ある農産物や加工品が購入できます。
日時 10月12日(土曜)・13日(日曜)午前10時から午後4時
会場 万代シテイ十字路(中央区万代1)
問い合わせ 食と花の推進課(電話:025-226-1794)
過去の様子
農業サポーターを募集
「農業への理解を深めてほしい」「消費者と交流したい」という受け入れ農家の元へ行き、農作業を支援するボランティア「農業サポーター」を募集しています。受け入れ農家の情報や申し込み方法など、詳しくは新潟市ホームページに掲載しています。
※市外在住の人も登録可。活動日時は受け入れ農家と調整
問い合わせ 食と花の推進課(電話:025-226-1864)
※同サポーターの受け入れに関心のある農家も同課へ
農作業の様子