市報にいがた 令和2年12月20日 2733号 1面・2面
最終更新日:2020年12月20日
若い力で新潟を活性化 学生と地域の「つながり」づくり
写真左上 西蒲区岩室地域の活動(和菓子店インタビュー)
写真右上 南区引越地域の活動(アーケード改修)
写真左下 南区白根地域の活動(農作業体験)
写真右下 西区内野地域の活動(露天市見学)
新潟市では、市内近郊の大学生などに地域活動への参加を通じて地域や人の魅力に触れてもらい、定住・移住人口の増加を目指す取り組みを行っています。今号では、学生と地域の活動の様子を紹介します。
問い合わせ 雇用政策課(電話:025-226-2149)
学生×地域の魅力探究プロジェクト「トビラ」
学生と地域団体が一緒に活動し、地域の新たな魅力や関係を互いに発見・構築する「トビラを開く」ための取り組みです。学生の将来的な市内定住を促進するほか、市外へ転出した場合にも新潟市とのつながりを持ち続けてもらい、地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」の創出・拡大を図ります。
今年度は市内5地域で21人の学生が活動しています。
令和2年度受け入れ地域・プロジェクト
最新情報は新潟市移住・定住情報サイト「HAPPYターン」内に掲載
花火に懸ける思いを伝えたい 学生×北区松浜地域の取り組み
【参加学生】新潟県立大学国際地域学部2年
安ケ平(やすがひら)風歌さん(中央左)、渡邊朝映(わたなべ ともえ)さん(同右)
※中村文音さん(新潟大学農学部3年)は取材当日欠席
【受け入れ団体】
阿賀野川ござれや花火実行委員会・松浜Rプロジェクト
小柳憲三(けんぞう)さん(左端)、小林啓一郎さん(右端)
伝統を未来へつなげるために
北区松浜地域で毎年8月25日に開催され、40年以上の歴史を誇る「阿賀野川ござれや花火」。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、初めて中止を余儀なくされました。同花火実行委員会企画部長の小柳さんの頭に浮かんだのは、「積み重ねてきた伝統が途切れてしまうのではないか」という危機感。「花火を上げられない代わりに、形として何かを残したかった。『ござれや花火を未来につなげたい』という思いを、学生の力を借りて動画で発信しようと考えました」(小柳さん)
人の魅力が街の魅力に
参加学生の安ケ平さんと渡邊さんはともに県外の出身。地域活動に関わることで新潟の地域や人について知りたいと思い、今回の取り組みに参加しました。「元々花火が好きで、イベントの裏方の人の話を聞いてみたいと思っていました。大規模な花火大会と違い、地元主体で運営されているござれや花火に興味を持ちました」(安ケ平さん)。「地域を良くするために頑張っている人たちのことを、もっと知りたいと思いました」(渡邊さん)
来年の花火開催に向けた機運を醸成する動画を制作することが決まると、学生たちは松浜の歴史や風土を学び、花火に関わる人たちと交流しました。「初めは静かな街だと思いましたが、地域の皆さんはとても温かく迎えてくれて、魅力的だと思いました」(渡邊さん)。「松浜の人たちがみんな地元を愛していて、誇りに思っていることを知って、素敵な街だと感じました」(安ケ平さん)
学生の参加が良いきっかけに
一方、松浜の皆さんにとっても、学生と一緒に活動することが刺激になっているといいます。「松浜の地域や花火に興味を持ってもらえるのは率直にうれしいです。学生にインタビューをされることで、実行委員のモチベーションも高まりました」(小柳さん)。「ござれや花火は地元で暮らす私たちが自ら作り上げている花火だ、という思いが、これまであまり外部に伝わっていませんでした。そんな熱い思いを知ってもらえる良いきっかけになりました」(小林さん)。学生の参加があったからこそ動画を制作できた、と2人は声をそろえます。
活動終了後も続く関係
間もなく動画の完成を迎え、プロジェクトは終了しますが、学生と松浜地域の関係は今後も続いていきます。「これからも実行委員会の活動に関わりたいと思っています。学生ならではの視点で、来年の花火の企画や情報発信に携わってみたいです」(安ケ平さん)。「自分の周りにいる学生にも、松浜やござれや花火の素晴らしさをもっと知ってほしい。観客としてはもちろん、ボランティアなど『作る側』としても、地域と学生をつなぐ役割を担いたいです」(渡邊さん)
地域も学生が持つパワーに期待しています。「まずは来年の花火を楽しみにしてほしいです。準備や運営もできる範囲で手伝ってくれたらうれしい」(小柳さん)。「外部から来る若い人の視点で、これまで気付かなかった地域の魅力が見つかることがあります。参加学生にはこれからも松浜の人たちと関わり続けてほしいです」(小林さん)
同花火副実行委員長の玉木伸寿さん(写真左)。「花火への思いを外部に向けて話すのは初めて。動画を通してござれや花火の魅力が若い人たちに伝わるとうれしいです」
ござれや花火ムービープロジェクト~花火大会を支える人たちの物語~ 活動の様子を紹介します
8月25日 活動スタート
「ござれやの灯(あかり)を来年へつなげるために」と地元有志が集い、約75発の「シークレット花火」を打ち上げました。私たちも現場に立ち会い、松浜の皆さんの花火への思いを肌で感じました。
9月19日 打ち合わせ
制作する動画の方向性を話し合いました。前向きな機運が高まる動画を目指し、花火に関わる人の生の声を入れることを決めました。
9月27日 まち歩き
松浜のことをよく知るために、まち歩きガイドの上松さんにまちを案内してもらいました。神社や旧跡、松浜市などを巡り、川湊(かわみなと)として栄えた地元の歴史を学ぶことができました。
10月26日から11月30日 取材
実行委員として花火に関わっている地元の人たち17人に、8回にわたってインタビューを行いました。皆さんが持っている花火への特別な思いや来年の開催に向けた決意を聞き、動画に収めました。
12月 動画編集
年内の完成を目指し、動画の編集作業を行っています。完成した動画は成果発表会(下記事)や同花火実行委員会ホームページなどで公開する予定です。
「トビラ」プロジェクト成果発表会を開催します
学生と地域団体が今年度協働で実施した5つの取り組みの成果を発表します。各プロジェクトからの報告のほか、参加学生が活動を振り返るワークショップや観覧者との意見交換も行います。学生たちの地域に向ける熱い思いを聞いてみませんか。
日時 1月23日(土曜)午後2時から午後5時
会場 市役所本館
定員 先着50人
参加費 無料
申し込み 12月23日(水曜)から移住・定住情報サイト「HAPPYターン」で申し込み
昨年度の様子
令和3年度も募集予定!「トビラ」に参加しませんか
地域の魅力に触れ、共に学ぶことで、あなたにとって新潟が「帰りたくなる場所」になります。学校の外で「新しい日常のトビラ」を開いてみませんか。
日時 来年9月から11月ごろ(週1回程度、全7回から10回)
対象 県内の大学生・短期大学生・専門学校生
参加費 無料
※令和3年度の受け入れ団体の募集は来年6月ごろ、募集するプロジェクトの内容などは7月ごろ、いずれも移住・定住情報サイト「HAPPYターン」に掲載予定
関連リンク
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