※2022年4月より成長産業・
イノベーション推進課に名称変更
デジタル技術を活用して変革を起こすデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業の支援などに関わり、新潟市役所の最先端で活躍している曽我さんに、これまでのキャリアを振り返って自身が感じること、現在取り組んでいる事業などをインタビューしました。(2022年1月取材 所属・業務内容はすべて取材時点のものです)
曽我 健介
2010年度採用※2022年4月より成長産業・
イノベーション推進課に名称変更
最先端で変革を支援する
01.
私は新潟市秋葉区(旧新津市)出身です。昔から何となく「地元に貢献できる仕事がしたい」と考えていました。高校卒業後は県外に進学し、石川県金沢市で大学時代を過ごしました。「加賀百万石の城下町」のイメージどおり、コンパクトに整った歴史的な街並みが金沢の魅力です。有名観光スポットも多く、たくさんの若者や外国人が街中を行き交い、常に活気にあふれていたのが印象に残っています。金沢が全国的にも知名度抜群である一方、大学時代の友人たちが持っていた新潟のイメージといえば「雪」「米」「酒」くらい(笑)。こうした経験から抱いた「金沢市に負けないくらい、地元・新潟市のことも多くの方に知ってもらいたい」という漠然とした気持ちが、新潟市役所を志望しようと思った原点です。
最初の配属先は総務部IT推進課(2010年度当時)です。市の予算・決算の管理や収入・支払いの処理などを行う「財務会計システム」の運用管理を担当していました。文系ということもあり、コンピューターやITにはそれまで全く馴染みがありませんでした。システムの運用支援を委託しているSEさんとの会話にもついて行けず、最初はとても苦労しました。これではまずいと危機感を抱き、当時の上司の勧めもあり、ITの資格試験に挑戦。無事にいくつか取得し、ITに関する用語の基本的な意味や考え方などを身に付けることができました。以降、SEさんとも対等に、そして、楽しくコミュニケーションを取りながら、スムーズに業務を進めることができるようになりました。
2か所目の配属先は江南区役所健康福祉課障がい福祉係です。ケースワーカーとして、障がいのある方のご自宅や障がい者施設を訪問し、困りごとの相談に乗ったり、福祉サービスの利用手続きのお手伝いをしたりしていました。ケースワーカーは、障がい福祉制度だけでなく、医療や介護、生活保護、税など多面的な知識が求められます。当然、自分一人だけでは全てに対応できません。様々なケースに対応するため、役所内の他の部署、福祉事業所、医療機関など多くの関係機関と連携しました。より良い支援に繋げることができたときは、大きな達成感を感じました。
3か所目は経済団体に派遣されました。派遣先は「新潟経済同友会」という団体です。県内企業の経営者約400人が会員として参画する団体であり、私はその事務局のスタッフとして、会員の会合やセミナー、視察旅行などの企画運営を担当しました。同友会は全国の都道府県にあり、1年に1回、全国の同友会会員が集まる「全国経済同友会セミナー」が開催されます。丁度私が派遣された時期は、この全国セミナーが約20年ぶりに新潟市で開かれるタイミングでした。約1,000人が参加する大規模なセミナーで、私が担当したのは夜の立食形式の懇親パーティーの企画運営です。全国各地から新潟市に来てくれる経営者の方々をどうやってもてなし、新潟の魅力をどう感じてもらうか。会場の装飾や動線から料理、アトラクションに至る細部まで、ホテルやイベント会社の担当の方と連日連夜検討しました。準備作業はとても大変でしたが、大きなトラブルもなくセミナーは無事成功。懇親パーティーで多くの参加者が楽しんでいる姿を見ることができ、苦労した以上の達成感がありました。外部団体への派遣は、私にとって貴重な経験になりました。
4か所目は経済部産業政策課企画係です。ここで初めて、「庶務」を担当しました。その業務範囲は幅広く、所属職員の人事・給与・福利厚生・休暇・出張などの手続き、課に届いたメールの振り分け、収入や支払いの処理など多岐にわたります。どれも市の職員として知っておかなければならない基本です。これまでの配属先では携わったことがなく、疎かだった業務知識を身に付けることができました。
02.
デジタル技術を活用してビジネスに変革を起こす、DXに取り組む企業の支援に携わっています。コロナ禍で企業の活動が大きく制限される中、この状況を乗り越え、今後も事業を発展させていくためには、デジタル技術の活用が欠かせません。こうしてデジタル化やDXに取り組む企業を対象に、支援制度のご案内、セミナーや説明会の企画運営、実証実験実施に向けた支援などを行っています。また、課の予算・決算の管理や広報業務なども担当しています。
行政が実施する事業といえば、啓発、機運醸成、説明会、セミナー、補助金など、どちらかというと間接的なものをイメージされる方が多いと思います。一方、新潟市のDX事業はセミナーや補助金といった間接的な支援に留まらず、民間企業が取り組むDXプロジェクトの中に職員自ら参加します。議論したり実証現場に立ち会ったりして、プロジェクトを前進させるために一緒に汗を流すことで、より直接的に支援していくということが大きなポイントです。
そうですね。たとえば「メタバース」という言葉をご存じでしょうか?バーチャル技術などを活用し、自分の分身であるアバターになって他者と交流できるインターネット上の仮想空間のことで、最近、報道などでよく聞かれるようになりました。ゲームや音楽ライブなどのエンタメ分野での活用に限らず、今後はコミュニケーションを取ったり、遊んだり、仕事をしたりと日常生活の様々なことをその空間の中で行える新しい産業基盤として発展していく期待が高まっています。新潟市では、こうした様々な新技術に注目し、それらと絡めた面白い取り組みを実施できないかと日々検討しています。
成長産業支援課では、市役所の業務の中でも特に先進的な技術や分野を扱っていると思います。AI、IoT、5G、VR、ARなど課内で飛び交う言葉の多くが英語やカタカナで、まだ世の中にあまり浸透していないものも多く、新聞やビジネス雑誌、インターネットなどからのこまめな情報収集が欠かせません。成長産業支援課が関わる事業や支援する実証実験についても、「県内初」の屋外5G環境での実証イベント、「国内初」のまちなかでのドローン配送サービス実証、「国内最大規模」の5G実証拠点の開設など、尖った内容が多いです。私は、広報担当として、チラシ制作やプレスリリース資料作成、ホームページ更新など、課の活動のPR業務を担っています。自分の仕事によって、こうした面白い取り組みがニュースとして取り上げられることで広く世の中に伝わり、多くの方や企業から反響をいただき、関心を持っていただけることに、とてもやりがいを感じます。※成長産業・イノベーションに関する最新の取り組みついてはこちらをご覧ください
03.
より人に伝わる、分かりやすい資料を作成できるようになってきたと思います。打ち合わせや上司への説明、市民へのお知らせや案内など、行政はあらゆる場面で資料を作ります。しかも、難解な内容をなるべく分かりやすく伝えなければなりません。入庁したばかりの頃、自分で作成した資料を持って上司に説明に行ったら「こんなの見るに値しない!」と門前払いされたことがあります。書かれている内容が散らかっていて、何を伝えたいのかとても分かりづらかったそうです。ショックでしたがこれにめげず、練習や経験を重ね、徐々にではありますがだいぶポイントを押さえて文章を書けるようになってきたように感じます。ちなみに、現在の職場では、広報担当としてチラシ制作にたくさん取り組んできたこともあり、文章の内容だけでなく図表やイラストの配置など全体レイアウトの隅々にまでミリ単位でこだわるようになりました(笑)。「より人の心に届く資料とは」を追求する日々です。
基本的なことかもしれませんが、「報連相」を大切にしています。市役所の業務に限らず、どんな仕事も多くの人が関与するチームプレーであり、自分一人で完結するものは多くありません。市役所の場合、自分の担当する作業が滞れば業務全体が遅れ、ひいては市民生活に影響が出てしまう可能性もあります。こうしたことを常に意識し、仕事で困ったときは一人で抱え込まず、職場の同僚とよく情報共有し、相談に乗ってもらい、お互いカバーし合うようにしています。
コロナ禍以前はよく県外に旅行に行っていました。大学時代を過ごした金沢の海鮮丼やホワイト餃子、富山のブラックラーメン、福井のソースカツ丼など、その土地ならではのおいしいものを食べ歩き、飲み歩きするのが好きです。コロナ禍以降は、「遊びに行きたい!」「お出かけしたい!」盛りの子どもたちをどうしたら楽しませられるか常に試行錯誤の週末です。最近は感染状況を見ながら近場の温泉巡りをしています。子どもたちと一緒に遊びながら、広いお風呂に入って日々の疲れを癒しています。
市役所の業務は本当に幅広いです。私自身、総務、福祉、経済と異動のたびに全く異なる分野の仕事を担当してきました。慣れるまでは少し苦労しますが、それを乗り越えた分だけ自分の視野や世界がどんどん広がっていきます。新潟市の発展のため、是非、私たちと一緒に働いてみませんか?
新潟市職員の魅力を感じられるお話をたくさん伺うことができました!本日はありがとうございました。