令和2年2月14日 市長定例記者会見
最終更新日:2020年2月20日
市長定例記者会見
期日 | 令和2年2月14日(金曜) |
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時間 | 午前10時00分から午前11時25分 |
場所 | 新潟市役所(本館6階 執行部控室) |
発表内容
質疑応答
配布資料
市長記者会見動画(2月14日開催分)
令和2年2月14日開催記者会見の動画(クリックすると録画映像をご覧いただけます)(外部サイト)
発表内容
1.令和2年度 当初予算案について
本日は、新年度当初予算案がまとまりましたので、ご説明させていただきます。
それでは、はじめに、新年度予算の基本的な考え方です。
「令和2年度当初予算編成について」の1ページをお開きください。
新年度は、昨年迎えた新潟開港150周年を契機に、「活力ある拠点都市・新潟」を目指し、「みなとまち新潟」を生かしたまちづくりをさらに進める年となります。
人口減少が本格化する中、市民ニーズを踏まえ、社会経済情勢の変化に的確に対応しながら、持続可能な行財政運営に取り組む必要があります。
人口減少対策や拠点性の向上などの最重要課題に的確に投資するため、集中改革の取り組みを実行しながら、強固な財政運営の基盤を構築し、「にいがた未来ビジョン」の3つの都市像に掲げた取り組みを推進することで、未来に向かって活力ある新潟市を実現します。
まず、1つ目の都市像「安心協働都市」では、安心して子どもを産み育てられるよう、子育てに対する不安の軽減を図るとともに、子育て世帯が仕事と家庭を両立できる環境整備を進めてまいります。
また、認知症の重度化を予防するための体制づくりを進めるなど、介護予防に向けた取り組みを強化し、「地域包括ケアシステム」を深化させていきます。
2つ目の都市像「環境健康都市」では、「古町ルフル」のオープンや商店街によるアーケードのリニューアル、情報発信施設の開設を契機とし、地域と一緒になって新しい人の流れをつくり、古町活性化に結び付けることで再生に向けた第一歩を踏み出します。
また、古町再生や新潟駅高架化など、生まれ変わるまちを見据え、新潟都心の都市デザインの具現化に向け、民間との連携を深めながら魅力あるまちづくりを推進していきます。
さらに、企業が行う生産性や創造性を高める働き方改革の取り組みを支援するとともに、健康寿命の延伸に向け、働き盛り世代の健康づくりを促進するなど、誰もが生き生きと働ける環境づくりを進めていきます。
3つ目の都市像「創造交流都市」では、中小企業の(振興)、起業や創業を活発化させるとともに、新たな工業用地の創出を支援し、企業誘致を進めるなど多様で魅力ある雇用の場を創出していきます。
また、「儲(もう)かる農業」を実現するため、スマート農業の導入を支援し、生産性向上を図るとともに、高収益な園芸生産の拡大に向けた産地づくりを進めるほか、地域と一体となったセールスを実施するなど、さらなる販路拡大に取り組みます。
さらに、全国とつながる玄関口である新潟駅の高架化を進めるとともに、世界とつながる拠点都市として、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に合わせ、事前合宿の受け入れやイベントを開催するほか、観光客の受け入れ態勢を強化し、交流人口の拡大を図っていきます。
これら3つの都市像に、「新潟市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を重ね合わせて推進することで、東京圏への転出超過が顕著な若者世代の流出抑制と流入促進を図り、住みよいまち・暮らしたいまち新潟を実現してまいります。
このような考え方の下、新年度予算を編成させていただきましたが、その内容について、はじめにその概要を説明させていただきます。
5ページをお開きください。新年度当初予算編成のポイントについてです。
新年度一般会計当初予算は、今年度との比較で12億円、0.3%減の、総額3,910億円となります。
民生の分野では、産後ケアを充実するとともに、広域型特別養護老人ホーム改築への補助制度新設のほか、障がい者のグループホーム運営補助を拡充します。
教育の分野では、コミュニティ・スクールの推進のほか、教員の多忙化解消や、各学校を結ぶ教育ネットワークの整備と歩調を合わせ、児童生徒一人一台の端末整備を推進します。
農水・商工といった産業分野におきましては、園芸農業の生産拡大を通じて産地化に積極的に取り組むほか、新たな事業創出への支援と企業誘致を積極的に推進します。
建設事業費は約417億円で、当初予算としては約37億円の減額となります。
拠点性の向上に向け新潟駅周辺整備事業を着実に推進する一方、公共施設やインフラの長寿命化や最適化を計画的に実施いたします。
基金積立額は3億円とし、引き続き基金取り崩しに頼らない収支均衡した予算案といたしました。
また、臨時財政対策債を除くプライマリーバランスにつきましては、この度の2月補正予算による借り入れを含めても24億円の黒字となります。
6ページをお開きください。新年度当初予算案の概要についてです。
一般会計規模については、普通建設事業費などの減少により、また、特別会計については、国保や介護など各会計で増加となったため、それぞれ記載の伸び率となっています。
なお、昨年の人事委員会勧告に基づく給与改定による増額分は、12月議会で継続審査となっていますので、当初予算では計上していません。
扶助費については、公立保育園の臨時職員が新年度からは会計年度任用職員に移行することに伴い、扶助費から人件費に移り、減額となっていますが、障がい者の自立支援給付費の増や幼児教育無償化への対応などにより、実質的には引き続き増額です。また、普通建設事業につきましては、先ほど申し上げたとおり減額となっています。
企業会計につきましては、下水道事業会計では管路改築の減による減額、水道および病院事業会計では企業債の償還増などがあり、その結果、全会計の総額といたしましては、約60億円の増となりました。
また、市債および基金の状況については記載のとおりとなっております。
次のA3の資料をご覧ください。「集中改革プランについて」です。
「未来に向かって活力のある新潟市の実現」に向け、厳しい財政状況の中でも、真に取り組むべき重要課題へ限られた経営資源を的確に投資し、政令指定都市の第2ステージとして、拠点都市・新潟のさらなる深化を図らなければなりません。
このため、緊急時・災害時などの財政需要に対応できる「強固な財政運営の基盤づくり」として、予算編成が本格化する前に集中改革プランの素案をお示しし、「社会情勢の変化や市民ニーズに即した最適化」と、「中長期的な課題にも目を向け、将来を見据えた改革」に着手してきました。
資料の2枚目をご覧ください。
改革効果としましては、洗い出した取り組みは全体で232事業であり、集中改革期間としては約20億円、10年間では約54億円を見込み、いずれも素案時から積み増すことができております。
うち、定員適正化につきましても34人を追加し、352人の削減を見込んでいます。
右側の集中改革期間の効果額の主な内訳をご覧ください。
1つ目の「選択と集中による経営資源の適正配分」では、事業規模が政令市の中でも最も大きくなっております、「高齢者向け紙おむつ支給事業」について、対象年齢を40歳以上に拡大するとともに、これまでの介護度に加え、寝たきりや重度の認知症により、日常生活で多くの介助を要する方を対象とした制度に見直します。
また、「AIやRPAなどを活用した事務の効率化」や「総務事務センターの設置による庶務事務の一元化」により改革効果を積み増すなど、「総人件費を意識した定員適正化」を着実に実行していきます。
次の「民間活力の導入推進、市が運営する施設のあり方」では、「公設デイサービスセンターの民設移行」を図るほか、「給食調理員・用務員業務の民間委託」を順次、進めていきます。
次の「持続可能な財政運営」では、「障がい者の交通費助成」について、透析患者のための通院助成を拡充するほか、社会参加のための交通費については、支給対象者に精神障がい者を加える一方、交通手段により社会活動範囲に差が生じていたことから、関係団体からのご意見も踏まえ、助成内容の段階的な見直しを行っていきます。
また、「企業立地等緊急対策事業」については、新たな制度に向けて、リーマンショック対策として継続してきた拡充部分を終了するほか、「就学援助制度」については、「真に援助が必要な人に、必要な金額を支援する制度」へ段階的に見直していくため、令和2年度は、負担感が大きい学用品費、通学用品費へ上乗せ支給する本市独自制度や、生徒会費などの支給項目の拡充をすることといたしました。
一方、次年度以降、国が示す本来の認定基準へ近づける見直しを進めるとともに、必要な拡充策について検討を行っていきます。
次に、「歳入確保関係」では、「市税納付の勧奨業務」を、先行実施している国民健康保険の「保険料納付お知らせセンター」に集約し、事務の効率化と収納率の向上に努めるほか、次の「財産経営のさらなる推進」では、「地域別実行計画の推進」として、着手済の曽野木地区ほか2地区を新たに追加し、公共施設の最適化につなげてまいります。
また、下段に記載の、現時点で効果額を反映させていない事業についても、集中改革期間で、事業や施設のあり方、方向性についてさらに検討を進め、改革効果の積み増しを図っていきたいと考えています。
続いて、集中改革の効果を踏まえた財政見通しについて、次のA3の資料をご覧ください。
収支見通しの表の中ですが、2020年度末の基金残高は収支の変化も反映いたしまして65億円、2024年度末では75億円となります。
また、これに加えて、決算状況を踏まえて適宜基金を積み立てて行きたいと考えています。
資料の右上をご覧ください。この度、2つの財政目標を定めていきます。
1点目は、「基金残高について緊急時・災害時等の財政需要に対応できるよう、できる限り早期に80億円を確保します」というもの、2点目は、「将来負担比率について市債残高の縮減を図りつつ毎年度着実に低減します」というものです。
今後も、国や県の動向、社会情勢の変化も注視しながら、収支均衡で基金の取り崩しに頼らない、将来にわたって持続可能な財政運営を行っていきます。
最初の資料に戻っていただきまして、16ページをお開きください。
「全国とつながる」「世界とつながる」拠点都市・新潟を実現するための取り組みについて、私がこれまで申し上げてきた方向性でまとめたものです。これらの取り組みについて、20ページからの各都市像に反映されており、内容の詳細についてはそちらでご説明します。
20ページをお開きください。
それでは、「にいがた未来ビジョン」の3つの都市像の取り組みに沿って、主な新規・拡充事業を中心に順次説明申し上げます。
はじめに、「安心協働都市」についてです。
ずっと安心して暮らせるまちの分野では、「高齢者を地域で支える仕組みづくり」として、多職種による事例検討会を通じて、介護予防に向けたケアマネジメントの質の向上を図るほか、21ページの「災害に強いまちづくり」として、災害の種類や地域の災害特性を踏まえた、地区防災計画を地域と共に策定し、地域主体の避難行動を促進いたします。
次に22ページをお開きください。
「男女共同参画の推進・子どもを安心して産み育てられるまち」の分野についてです。
「妊娠・出産・子育ての一貫した支援」として、産後ケアの充実を図るため、従来の宿泊型の支援に新たにデイケア型と訪問型を加え、多様なニーズに対応した支援を行うことで、子育てに対する不安の軽減を図ります。
次の23ページの学・社・民の融合による教育を推進するまちの分野では、「自分の力に自信をもち心豊かな子どもを育む学校教育の推進」として、保護者、地域、学校が一体となって学校づくりを進めるコミュニティ・スクールを推進し、より良い教育環境を目指すほか、「自立し開かれた学びの支援」として、地域教育コーディネーターを全ての市立高等学校に配置し、自立する力や主体性を育むキャリア教育を推進することで、地域への愛着を育みます。
次に、「環境健康都市」についてです。
25ページをお開きください。
「人と環境にやさしいにぎわうまち」の分野では、「まちなか再生・都心軸の明確化」に向けて、令和3年度の都市計画マスタープランの改定に向けた作業に着手するほか、都心部の再開発事業を促進するため、「都市再生緊急整備地域」の指定に向けた検討を進めます。
26ページをお開きください。
「誰もがそれぞれにふさわしい働き方ができるまち」の分野についてです。
介護や保育人材の確保に向け、介護職のやりがいの発信や職場への定着促進に向けた取り組みを行うとともに、民間保育事業者が行う保育士の確保に向けた取り組みを支援します。
また、市内企業の魅力を引き続き発信するとともに、就職者の奨学金返済の負担軽減に取り組む企業に対して新たに支援を行うなど、市内就労の促進を図っていきます。
27ページをご覧ください。
「創造交流都市」についてです。
新潟にふさわしい役割を果たし成長する拠点の分野のうち、「ニューフードバレーの推進」では、「儲かる農業」を実現するため、「元気な農業応援事業」として、園芸産地の拡大に向け、新たに農業者の栽培技術や知識向上を目的としたモデル圃場(ほじょう)設置への支援を行うとともに、産地育成計画における園芸品目の生産や作付面積の拡大につながる支援を行います。
また、園芸品目のさらなる販路拡大に向け、農業者や農業団体などと連携し、地域が一体となったセールスを行います。
次に、雇用が生まれ活力があふれる拠点の分野についてです。
29ページをお開きください。
「内発型産業の育成・創業支援」として、新しい技術やサービスを強みとするスタートアップ企業と、既存企業との協業による新事業の創出を図るため、意欲的な起業家の発掘や育成を進めるとともに、新たな工業用地の開発に伴う環境整備や、進出する市外企業の用地取得を支援し、企業誘致を進めます。
また、中小企業の課題となっている人手不足に対応するため、生産性向上や人材確保に向けた取り組みを支援します。
次に魅力を活かした交流拠点の分野についてです。30ページをお開きください。
「優れた拠点性を活かした広域的な交流人口の拡大」では、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催に合わせ、佐渡市や会津若松市、さいたま市などと連携したPRを行うことで、広域的な交流人口の拡大を図ります。
また、国・県・経済団体と連携し、空港・港の活性化を図ります
以上が、3つの都市像に沿った主要施策の概要になります。
なお、バス交通関連の予算についてですが、議会の皆さまから頂いたご意見や、これまで市民の皆さまから寄せられた声を踏まえながら、現在、新潟交通と次期運行事業協定に係る協議を進めています。
そのため、これに関わる予算については、計上できる段階に至っていないことから、新年度予算には計上しておりません。
次期運行事業協定の締結を経た上で、しかるべき時期の議会において提案したいと考えています。
2.令和2年度 主な組織改正(案)について
次に、来年度の主な組織改正についてです。最後の組織改正の資料をご覧ください。
初めに、「集中改革の推進に向けた財政運営の体制強化」についてです。
予算管理・編成機能を強化し、集中改革につながる強固な財政運営の基盤づくりを進めるため、財務部財務課を分課し、「財務企画課」と「財務課」の2課体制により業務を推進します。
また、公共施設のあり方について、社会情勢の変化や市民ニーズに即したファシリティ・マネジメントの強化のため、「財産経営推進担当部長」を新設いたします。
次に、「古町活性化の取り組みの強化」についてです。
既存の部の枠組みを超えた課題解決型の組織として、古町活性化に向けた取り組みを強化するため、政策企画部に「古町再生プロジェクト・チーム」を設置いたします。
次に、「儲かる農業の実現に向けた体制の強化」についてです。
規制緩和やスマート農業実証などの取り組みと生産振興を、農林政策課の体制を拡充して推進していくとともに、国家戦略特区の総括に係る業務を政策企画部に移管することで、「ニューフードバレー特区課」を廃止いたします。
また、販路の確保・拡大を図るため、食と花の推進課に「販売促進室」を新設し、ニューフードバレー特区課がこれまで所管していた施策と一体的に推進していきます。
次に、「下水道事業の経営力の強化と課題への対応」についてです。
下水道経営の強化に資する接続推進業務を強化するため、南下水道推進室を廃止・統合し、西部地域下水道事務所に「普及推進室」を新設いたします。
また、整備の必要な雨水対策を一層進めるため、東西事務所の雨水対策係を集約・統合し、東部地域下水道事務所に「雨水対策推進室」を新設します。
最後に、「その他の組織改正」については記載のとおりです。
質疑応答
令和2年度 当初予算案について
(記者)
予算全体の話なのですけれども、中原市長が就任されてから、いちから手がけた予算としては初めての予算になると思うのですけれども、1年を通じての予算編成を振り返っての所感と、予算編成の中で最も留意した点、意を用いた点があったら教えてください。
(市長)
新年度は活力ある拠点都市・新潟を目指し、みなとまち新潟を生かしたまちづくりをさらに進める年と位置付けました。活力ある新潟市を実現するために拠点化の推進に積極的に取り組む一方で、強固な財政基盤づくりのため、集中改革プランの効果額も予算案に反映し、見直し効果額の一部、3億円を基金に積み増したところです。拠点化の推進ということにつきましても、また、強固な財政基盤づくりということにつきましても、すぐに形となって表れません。何年か後に形となり効果が表れてくるものだと思っております。これらは、持続可能な新潟づくり、将来の新潟市の発展につながっていきますので、将来を見据えた土台を作るための予算編成ができたと考えております。また、特に留意した政策につきましては、人口減少社会への対応をはじめ、拠点性の向上、経済・産業の活性化など、最重要課題として検討してきたところです。
(記者)
今ほど、行財政改革の話もありましたけれども、財政基盤の強化、財政再建の一方で三つの重要施策もやらなければいけないという、限られた予算の中でいかに最大限効果を発揮するかということで、だいぶ苦労があったのではないかと思うのですが、その辺はどのような苦労があったかということがあれば教えてください。
(市長)
全てが苦労といえば苦労で、新年度予算編成を何とかこうした形で収支均衡し、基金も積み増すような形で来年度の予算編成ができたということでほっとしているところです。昨年度に引き続き収支均衡した予算を編成でき、財政健全化と活力ある新潟に向けた取り組みを両立することができたということで、一安心しているところです。
(記者)
今年の予算は三つの、人口減少対策、拠点性の向上、経済・産業活性化というのが政策面では三本柱だったと思うのですけれども、特に人口減少対策は、中原市長が就任されて人口減少対策チームを発足させて政策を考えて、それをこの新年度予算に反映させたということになると思うのですけれども、予算書の人口減少対策の項目を見ると、よその自治体がすでに手掛けているものですとか、正直、新味に欠けるというか。というのは、人口減少対策というのはどこの自治体もやっているので、どこの自治体もうちのまちに来てくださいと政策を通じて呼びかけている中で、オリジナリティーというか独自性というか、このまちに住みたいと思わせる何かがなければ、人口減少対策にはならないのではないかと思うのですが。そういう意味からすると、少しインパクトに欠けるというか、わりと普遍的なメニューが並んでいるのかなという感じを私は受けたのですけれども。市長はチームを発足させて、1年間対策を練ってきた中で、こういうメニューが並んだということに対してはどういった所感をお持ちでしょうか。
(市長)
今いただいたご意見については真摯(しんし)に受け止めさせていただきたいと思いますけれども、人口減少対策は本市に限らず全国全ての地方自治体において大きな課題で、課題解決としてはなかなか難しいと。現実問題としては、東京圏だけが人口が増加していて、中京圏であり関西圏であり、全て流出人口の方が多いという現状にあります。そうした中で、私としては人口減少対策チームを設置し、特に、これからの新潟を担う若い職員の皆さんからこのチームに入って検討してほしいということで、課題の整理ですとか、新たな施策のアイデアの発案を行うワーキンググループを関係部署17所属の24名で実施したところです。調査分析結果やワーキンググループの意見を取りまとめるなど、今後、市として取り組むべき三つの方向性を定めました。一つ目が、共働き世代が子育てをしながら就業を継続できる環境整備。二つ目は、小学校から大学まで切れ目なく社会と関わる仕組みづくり。三つ目は、医療・福祉分野の就職支援。この三つの方向性に基づいて七つの事業を新年度予算に盛り込ませていただきました。今後も人口減少対策チームの分析結果や施策をできるところから検討、実施していきたいと思っております。
(記者)
予算総額なのですけれども、補正の前倒し分もあったということで、2年ぶりにマイナス予算とはなったのですけれども、この辺に関してはいかがでしょうか。
(市長)
市税収入の減少ですとか税制改正の影響、子ども・子育て支援臨時交付金の減といったことが影響して、対前年度比で若干少ない予算編成とさせていただいたところです。
(記者)
新しい財政見通しの中で、集中改革を進めて、収支均衡予算を達成して、新年度も基金を積み増して65億円になると。当面の目標としては80億円と財政計画で掲げていますけれども、財政計画の中ではいつごろ80億円を達成するという時期までは盛り込まれていないのですけれども、市長は先ほど、できる限り早くとおっしゃっていましたが、いつごろ達成できるかという感触というのはありますか。
(市長)
時期を明確に申し上げられるような段階ではないのですが。
(記者)
去年はこども医療費助成の拡充とか分かりやすいメニューがあったと思うのですけれども、今年は三つの重点施策を念頭に、これが目玉だというものもないような印象を受けるのですけれども、市長としてはバランス型の予算と考えていらっしゃるのか、新年度予算を例えると、どのようなタイトルの予算だと認識していらっしゃいますか。
(市長)
なかなか厳しいご指摘をいただいているので、華々しいことは申し上げられないですけれども、私としては、未来の新潟づくり予算という形で、将来を見据えたさまざまな事業に施策を取り入れさせていただいたということです。
(記者)
月並みな質問なのですけれども、採点すると、100点満点中何点くらいになりますか。
(市長)
私自身としては、今年は2回目の予算編成をさせていただきましたけれども、先ほどご指摘いただいたように、厳しい財政状況の中で未来に向かってしっかりした予算、新潟の土台作りができる予算を作ることができたと思っておりまして、及第点はいただくことができるのではないかと思っています。
(記者)
財政面で、今、集中改革などで立て直しを図っている最中ですけれども、財政見通しを見ますと、基金は積み上がってきますし、市債残高は下降していくという意味では、市長の認識としては、市の財政というのは徐々に改善しつつあるという認識でしょうか。
(市長)
そういうふうにしていかなければならないと思っています。
(記者)
改善しているという認識でしょうか。そういうふうにしていかなければいけないということもありますけれども。
(市長)
昨年、収支均衡した予算、その前から3年連続で収支均衡した予算編成をすることができていますので、新潟市としては財政の健全化を進め始めていると。
(記者)
まず、基金を80億円と目標を設定した理由を教えてください。
(市長)
2年前に災害級の豪雪に見舞われまして、新潟市として除雪費が106億円かかったといわれていますけれども、その中で、市の持ち出しが67億円あったということで、そういうことも考えると、現状、六十数億の基金ができていますので、できる限り早く80億円を目標に設定することによって、市民の皆さんからも安心感を持ってもらうことができるのではないかと思っていますし、いざというときの財政需要にしっかり対応できるということで、とりあえず80億円という金額を設定させていただきました。
(記者)
今までは市債残高を減らすことを目標としてやっていたのですけれども、今回、基金をあえて設定したというのは、激減した基金で一時期、市の財政が厳しいという話があったので、そこに集中して焦点を当てて増やしていくことで市民へのメッセージになっていくと考えたのでしょうか。
(市長)
もちろん、そこだけを配慮したわけではありませんけれども、確かにおっしゃったように、基金が減ったことによって新潟市の財政が、かつて380億円あったわけですけれども、合併建設計画や拠点化、社会保障に非常にお金がかかってきたということで、380億円から33億円に激減したということで、財政危機が叫ばれました。そういう意味では、市民の皆さんから安心してもらうということで、基金を着実に増やすことによって、市民の皆さんからも安心感を持っていただきたいというのが目的です。
(記者)
集中改革プランの方で確認したかったのは、農業施策等でこれだけの財源を確保したと思うのですけれども、ただやはり市民サービスの低下というのは避けられない部分があると思うのですが、そういった点で、市長として市民への理解をどのように考えていますか。
(市長)
私どもとしては単に削減するという考え方ではなくて、やはり時代だとかニーズの変化にしっかり対応して、これからも持続可能な事業になるように適正化をしているということで、単に削減しているのではないということも、今日ご出席の皆さんからもご理解をしていただきたいと思っています。他の政令市を参考にしたり、本当に必要な方々にしっかり支援をしていきたいというような思想の中で集中改革に取り組ませていただいているつもりです。
(記者)
今後も行財政改革の課題として、政令市の中でも最大といわれている公共施設の再編というものがあると思うのですけれども、今回、担当部長を設けた上で、その代わり、施設というのは統廃合を簡単にはできないけれども、ただ、待ったなしの部分もあるので、その辺は市長として今後どのように進めていくのでしょうか。
(市長)
おっしゃるとおりで、広域合併をしまして、公共施設が非常に多いと。一人当たりの建物保有面積が政令市の中でも非常に多いという現状にありますので、これをこのまま維持管理あるいは更新するということが不可能だと考えておりまして、そういう意味で、公共施設の最適化、集約化、効率化ということですけれども、これは避けて通れない大きな課題だと思っておりますので、今回、担当部長を作り、市全体、区、地域に分けて公共施設を当てはめながら集約化、効率化していこうと考えています。それに当たっても、ただ単にそういうことをするのではなく、今あるものを賢く使っていこうという思想を持っていこうということにしています。
(記者)
あくまで地域住民等の理解というか、協議した上でやると。
(市長)
そうです。
(記者)
先ほど聞くのを忘れたのですけれども、市の財政の見通しの中で、80億の目標がまだ達成できないような計画になっていたのですけれども、80億円を市長が率先してそこに積むというよりは、毎年、重要課題があるということで、基金を積むというよりも投資に重きを置いた方がいいというお考えでしょうか。
(市長)
先ほど申し上げた基金を積む狙いが一つあって、ただ基金を積むために市の税金があるわけではありませんので、市の税金はあくまでも市民の皆さまの市民生活が向上できるような行政サービスに使いたいということと両立しながら、今回の予算編成をさせていただいたと思っています。
(記者)
古町で1点。予算編成に当たって、古町再生に向けた第一歩を踏み出しますということが書かれていて、なおかつ専門チームを作って、再生に向けた姿勢を示されていると思うのですけれども、中原市政としてはどういったスタンスで古町再生に臨んでいかれるのかをお聞かせください。市長も常々、官民連携が大事だというお話をされていると思うのですけれども、そのあたりはどういった思い、スタンスで今後臨まれていかれるのでしょうか。
(市長)
再三申し上げているように、今月末には「古町ルフル」が竣工し、5月には「市役所ふるまち庁舎」がオープンしますけれども、一方で三越が閉店ということになります。これが一つ大きな転換期と考えていまして、引き続き、古町の皆さんとさらに連携を密にして、古町再生に取り組んでいきたいと思っています。まずは今年度末に古町地区の将来ビジョンを策定して、皆さんにお示ししながら、これを基に古町の商店街の皆さん、古町の皆さんからこれを共有して、しっかりにぎわいを作っていくという機運を作る必要があると思っています。確かに古町ルフルができたから、あるいは市役所のふるまち庁舎ができたから、それで一気に古町が活性化するとは思っていませんけれども、新潟市もこれだけのことをやらせていただいているし、古町の商店街を含めて、古町の皆さんもそういう気持ちになって、お互いが共有しながら活性化に取り組まない限り、古町の再生というのは実現不可能であろうと思っています。
(記者)
就任1年の会見で、今後どこに力を入れたいかを問われた際に、人口減少対策とお答えになっていたのですが、この予算についてもそうだと捉えてよろしいでしょうか。人口減少対策と拠点性向上を挙げているのですけれども、どちらの方が優先かとかという位置付けというのはありますか。
(市長)
位置付けはありません。それぞれ人口減少対策も拠点性の向上も経済の活性化も、そういうものは全てが同じように最重要項目で最も大切なことと位置付けています。
(記者)
人口減少対策というといろいろな分野、部門に関わってくると思うのですけれども、3,911億円のうちだいたい何割くらいが人口減少に関わっているかとお考えですか。
(市長)
人口減少というのは日本全体で、我々、地方の各自治体が最も深刻でかつ解決困難な課題でありますけれども、これに取り組まない限り未来の新潟づくりというのはないということで、こうした検討チームを設けてさせていただいています。先ほど、施策といいますか、新鮮味に欠けるというご指摘もありましたけれども、私は最終的には「まちづくり」だと思っています。新潟のまちにいかに人がいて、まちに活気があって、魅力あるまちであるか。ここなら可能性が感じられる、仕事があって、雇用される場があってという、最終的にはそういうまちであることによって人がとどまってくれる、生活してくれると。先ほどの古町の話にもつながるかもしれませんけれども、今回やっている幾つかの施策だけで人口減少が効果を発揮する、とどまるとは思っていませんけれども、引き続き、大きな意味での新潟が魅力あるまちになるように、私としては取り組んでいきたいと思っています。数字ではなかなか申し上げられません。
(記者)
人口減少対策の中というのは、特に子育て関連のものが多く計上されているという印象なのですけれども、最も重要視する項目というのはどのようなことでしょうか。
(市長)
今回、新規で作らせていただいたものもたくさんありますけれども、例えば就職者の奨学金の返済を行う企業があったとして、そうしたところにも新潟市として支給額の一部を補助していきたいと思っています。また、保育ニーズが大変高まっている中で保育士の確保が非常に困難な状況になっています。保育士に対して、民間教育保育施設設置者(市内民間保育事業者)が宿舎を借り上げて保育士に提供する場合には、その費用に補助させてもらうということや、前からやっていますけれども、高校生が地域を学ぶ学習をさらに充実させ、学校や地域、企業などを結ぶネットワークづくりを強化するために、市立高等学校にも地域教育コーディネーターを配置して、地域と学校パートナーシップ事業というものも拡充させていきたいと思っています。
(記者)
社員幸福度向上応援事業というものなのですけれども、中小企業への支援が主ということで、今回、なぜ予算に載せようと思ったのか。その思いをお聞かせください。
(市長)
これは、経済部雇用政策課というところが、社員幸福度向上応援事業というものを作らせていただきました。モデル企業を募集して、専門のコーディネーターを派遣するなど、社員の幸福度を高める取り組みを支援することで、既存のワークライフバランスの推進の取り組みと相乗効果を持たせ、企業の働き方改革を推進していきたいということで、今回、こうした事業に着手させていただきました。
(記者)
組織改正についてお伺いしたいのですけれども、今まで特区の関係は全てニューフードバレー特区課がやっていたと思うのですけれども、来年度から窓口が三つに分かれるメリットと、この特区体制でどのようなことを推進していきたいかを教えてください。
(市長)
事務方からでいいですか、とりあえず。
(総務部長)
窓口が三つに分かれるという質問の趣旨が分かりませんけれども、もともと特区の制度につきましては、我々が実施をして以来数年たっていますので、本来の農業の所管をする課と一緒に先進的な農業も施策として、農家の方々、農業者の方々と協力して農業、あるいはもうかる産地づくりに向けて仕事を進めていっていただきたいということになっています。ただ、特区というのは、広範囲に規制緩和を活用する制度ですので、全庁的な政策企画部で政策を実行していく上で、私どもにとって必要な規制緩和については、政策調整をしながら全体を見て規制緩和でも活用しながら仕事を進めていくという観点もあって、特区全体の窓口については、政策企画部で、農業の特区そのものについては、農林水産部で所管をしながら、中身については連携をしながら実施をしていくという意味で、所管を変えたということでございます。
(記者)
先ほどのお話の中で、人口減少対策チームから出た施策を盛り込んだと伺ったのですけれども、それは当初予算編成についての資料の16ページの人口減少社会への対応のところの施策ということでよろしいのでしょうか。
(市長)
けっこうです。
(記者)
こちらが人口減少対策チームから出た施策ということですか。
(市長)
全てではないです。
(政策企画部長)
こちらの別冊といわれている方をご覧いただきたいと思いますけれども、2ページの最初に人口減少社会への対応ということで並んでいまして、予算額のところに拡充や新規と付いています。ここに5本並んでいますけれども、これと4ページの下から四つ目の男性の家庭活躍推進、拡充、5ページの上から五つ目の介護人材の確保ということで合わせて7本、チームの方で各部と調整して出しています。
(記者)
子育て政策の中で、今後、人の削減をしていくというところで、AIの活用などされているかと思うのですけれども、特に保育園の入園に関して、AIを導入するということに関しては、ほかにすでに先行しているさいたま市であったり、やっているところもあるかと思うのですけれども、導入によっての期待や時間の削減という見込みであったり、どのような効果があると考えられていますか。
(市長)
これまで保育園入園の希望の利用調整ということについては、本市の場合はエクセルと手作業で行って、膨大かつ繁雑な作業で、かつ8区ごとに作業を行っていましたけれども、一括して迅速かつ正確に行うことを目的に、AIを導入することといたしました。これによって、保育園等の入園に関する保護者の希望と施設をマッチングする作業が自動化されます。それによる効果として期待していますのは、最も希望の多い4月入園の申し込みでは約5,000人の保護者の希望と約300の施設のマッチングを自動化することができまして、職員の時間外勤務を約750時間削減できる見込みです。職員の手作業による事務処理上のミスの防止にもつながると考えています。保護者への結果通知をこれまでよりも迅速かつ正確に行うことができると思っていまして、約1カ月程度、短縮できるのではないかと思っています。
(記者)
それについては早く発送というか、通知ができると。
(市長)
早く通知ができると。
(記者)
早く通知することで保護者側にとってのメリットはあるのですか。
(市長)
短縮することによって、市のサービスは向上できていると思っています。
(記者)
受け取る側は、例えば落ちた場合に、本当は4月から保育園に入れる予定だったのだけれども入れられない場合に、育児休業を延長しなくてはいけない方とかには、やはり早めに知らせたほうがいいとか、そういうことですか。
(市長)
はい。
(記者)
そういうニーズにも応えられると。
(市長)
はい。
(記者)
先ほども古町再生のお話があったと思うのですが、組織改正で新たなプロジェクトチームを設置されることで、市長が期待されることを教えてください。
(市長)
古町のいろいろな支援事業というものが、新潟市の中で幾つかの部にまたがっているのですけれども、それのみにかかわらず、今、古町が転換期に差し掛かっていますので、それを網羅するというか、あるいは専門的にそれを俯瞰(ふかん)して対応するような問題がこれから生じる可能性がありますので、こうした部署を設けさせていただいています。
(記者)
チームがあることで、再生のスピード感を持ってとか。
(市長)
そうですね。
(記者)
そのあたりどのようにお考えでしょうか。
(市長)
おっしゃるとおりです。
(記者)
できれば市長のお言葉で頂きたいのですが。
(総務部長)
今、市長が申し上げたとおり、古町の再生と一口に言っても、いろいろな課題、あるいはそれに対応する所属が、私どももそうですし、民間の方々もたくさん当事者、あるいはステークホルダーの方がいらっしゃるということを今までは各部署がそれぞれで考え実行する、あるいはそれを報告をしあう、情報共有するという形でやってまいりましたが、古町地区の将来ビジョンを作る中で、今後については1カ所で情報集約しながら、集中的に、専門的にやっていこうということですので、中身の各部門の連携をするということももちろん必要ですけれども、主体的に責任を持ってやっていただくチームを作ったということで、その存在意義はこれから発揮をしていただきたいと考えています。
(市長)
今年度策定します、古町地区将来ビジョンが出てまいりますけれども、それをいかに具現化していくかということが、これから一つの課題になると思いますし、また三越も撤退して、その後、どのように新潟市として関わりを持って、そしてにぎわいを作っていくのかというような部分は、我々が協議しながら考えることをしっかりスピード感を持って対応していただくチームというように思っていただければと思います。
(記者)
先ほど、市長から未来の新潟づくり予算という言葉がありましたけれども、今回、幾つかある新規事業の中で、そういった未来の新潟を作るという観点で見たときに、特に肝いりの事業を一つ挙げるとしたら何か教えてください。
(市長)
引き続き、拠点性の向上については取り組んでいって、だんだん新潟駅も変貌してくると思いますし、まちなかの再生ということにつきましては、都市計画マスタープランの改定をやっていきたいと思いますし、昨年もやりましたけれども、都市デザインの推進として民間との連携も含めながら、にぎわいの創出をやっていきたいと思っています。
経済産業の分野では、新たな技術やサービスを強みとするスタートアップ企業。こうしたものを既存の企業と協業させて、(起業家などの)人材を発掘、育成しようということで取り組んでいきたいと思っています。また今現在、やっている最中ですけれども、新たな工業用地につきましても、早期に創出していけるようにと思っています。また、農業の分野では、新しい作物を作る場合に、なかなか大変なのですけれども、モデル圃場を作って、種を補助したりということで、スマート農業の導入も支援していきたいと思っています。
(記者)
もう一点、拠点性の向上、やはり交流人口の拡大という観点から見ると、いよいよ東京五輪まであと200日を切っていますけれども、東京五輪への新潟市としての期待感といったものを改めて教えていただけるとありがたいです。
(市長)
新潟市としては、事前合宿ということで、フランスの空手チーム、ロシアの新体操チームになるかどうか分かりませんけれども、選手ないしはチームを事前合宿として新潟で合宿をしていただきますし、同時に地元と交流を図って、そしてまた聖火リレーもやりますので、そうした中で我々としても、東京オリンピック・パラリンピックを新潟からぜひ盛り上げて、私どもも関わりを持っているのだという意識を市民の皆さんからも持っていただけるよう取り組んでいきたいと思っています。
また、これがやはり新潟に訪れていただけるチャンスだと思いますので、特に外国の方に新潟の魅力を発信して、交流人口拡大に取り組んでいきたいと思っています。
(記者)
集中改革プランについてお伺いしたいのですが、3カ年の計画の中で、今年2年目で、現在、発表された集中改革プランの進捗状況はどのくらいとお考えになっていますか。
(集中改革推進課長)
集中改革プランにつきましては、今年度から着手しているところで、改革効果としては、事実上は、次の2020年度予算、それから次の21年度というあたりがメインになってきますので、いよいよこれからしっかり走り出していくかなというところですので、まだ進捗どうのこうのというところまではないかと思っています。
(記者)
できれば市長にお伺いしたいのですけれども、今回、全体で232事業が挙げられていて、実際に効果額が示されていない76事業がこれから算出となっているので、3カ年の2年目にしてはやや進み具合がいかがなものかという気がするのですが、ここはどう考えますか。
(市長)
76事業の内容を実は私も全て掌握しているわけではないのですが、大変大規模なものも、恐らく市民理解を得るのに重要なものもたくさん含まれていると思います。ここは丁寧にやっていかなければなりませんし、そして、それができたからといって、すぐに改革効果として表れるというよりは、これをやることによって、将来、新潟市の財政負担の軽減がしっかり図られるというようなものが含まれていると、私自身は認識しています。
(記者)
昨年9月の段階では素案として発表され、今回のこれは完成版という理解なのか、あくまで毎年毎年随時更新されていくものなのか。その辺はいかがですか。つまりまだ検討中のものが76くらいあるので、その効果が出た場合に、また改めて第2報というような形で。
(市長)
そういうことになると思います。
(記者)
細かい点になるのですが、人口減少社会への対応というところで、保育士宿舎借り上げ支援事業というものがあって、これは保育士の人材確保ということだと思うのですが、一方で、介護人材の確保ということが健康長寿社会の実現というところにあるのですが、介護人材の確保ということが人口減少社会への対応に入ってこなかったというのは、何か意図があるのでしょうか。
(政策企画部長)
一応、入っているという認識でございまして、先ほども別冊版のところで紹介させていただきましたけれども、2ページのところの人口減少社会への対応の中にはございませんが、5ページのところで介護人材の確保を入れさせていまして、これも含めて人口減少社会への対応ということでございます。
(記者)
すみません、資料の5ページというのは。
(政策企画部長)
別冊です。最初の2ページにまず人口減少社会への対応の主なものを並べさせていただいております。先ほど、人口減少対策チームがこの1年間かけて練り上げてきた施策が、まずこの2ページの「拡充」「新規」と付いている五つ並んでおります。そのほかにも実はございまして、4ページの下から四つ目の男性の家庭活躍推進。いわゆる共働きを支援しましょうという形ですけれども、そういったものであったり、5ページの上から五つ目の、今ほどご質問の介護人材の確保。これもチームで出してきた話ということでございますので、この辺、7本が人口減少対策チームが入れた新しい部分ということでございます。
(記者)
質問の意図というか、素朴な疑問で、例えば、保育士宿舎借り上げや東京圏から移住、就職する方への支援というところでは、例えば、若手の活用とか、県外からの人材活用ということが狙いだと思うのですけれども、ここに入らなかったということは、そこら辺を狙っていないというか、そこまで入れていなかったということなのかなと、ちらっと思ったのですが。
(政策企画部長)
あまりそこまでの意図はなくて。すみません、整理が。
(政策調整課長)
全体として、事業として再掲を今回、行っておりませんので、より事業として説明しやすいところに入れているということでございますので、全体としては人口減少社会への対応という中で、そこに入っていない事業についてもしっかりと取り組む事業でございます。
(記者)
人口減少にしても、拠点都市にしても、一つ、新潟市の8区の魅力をそれぞれ高めるということも大事なのかと思うのですけれども、一方で集中改革プランで今後、施設の見直しとなってくると、きっと合併した旧市町村が対象になってくる部分もけっこうあると思うのです。特色ある区づくり予算も、一応、集中改革プランで見直しのところに入っているかと思うのですけれども、特色ある区を今後も作っていくために、区づくり予算も含めて、区の魅力の在り方というか、高め方というものを市長はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
(市長)
それぞれ8区、歴史もあり、そして地域の魅力というものはたくさんあると思います。そうしたものをできるだけ引き上げて、8区、区民の皆さんがそれぞれその魅力に気づき、それを盛り上げていくことによって、それぞれの区が光り輝いてくると思っていまして、引き続き、8区の魅力を磨いていくとともに、8区が一体となった政令市新潟を作っていきたいと思っています。
(記者)
区づくり予算は今後、増えていく方向なのか、減っていく方向なのか。
(集中改革推進課長)
まずは今までの予算の組み方ややり方などプロセスの関係ですけれども、そこの部分は、いわゆる政令市になって10年くらいたってきましたので、いま一度、そのやり方や組み方を見直してみようと。予算そのものをまず見直しということをイメージしてやるというよりは、中身のやり方をもう少し工夫するとか、より効果が出るような手法の工夫をまずもう一回、考えてみようということが、今回のプランの中で盛り込まれているものです。結果として、それが事業費的にも効果が出てきたら一番うれしいわけですけれども、まだそこまで至っていないような状況です。
(記者)
古町の活性化についてなのですけれども、今月末に将来ビジョン懇談会、である程度まとまるということがありつつ、専門のチームができるということもあって、かなり力を入れているのではないかとは思うのですけれども、今回、3月に三越が閉店するという節目もある中で、今回の予算に新しいものが載ってこなかったということは、間に合わなかったと考えてもよろしいのでしょうか。
(市長)
そういうことではないと思います。一つ一つ古町が変化してくると思いますので、今、三越の撤退というものも、あらかじめ予定されていた変化です。それによって、どのような対応が必要になってくるかということをそれぞれ一つ一つ読みながら、手立てをする必要が私としてはあると思います。
(記者)
補正予算で、何か追加で新しく載せるというようなお考えはないですか。
(市長)
とにかくみんな動いていますので、古町も。いろいろなことが動いて、すぐできるものもあるし、少し推移を見なければならないものもあると思っていますので、今、来年度の中で補正予算とか何とかということは考えていません。
新バスシステム・BRTについて
(記者)
BRT関連で3点お聞きします。1点目ですけれども、新バス関連の予算を盛らなかったと、協議中であるということが理由だったと思うのですけれども、協議中であっても予算を付けようと思えば付けられたかと思うのですけれども、あえて予算を付けなかった意図というか狙いというのは何かあるのでしょうか。
(市長)
とりあえずきちんと運行事業協定を締結した上で、議会や市民の皆さんにやるべきことを提示していこうということにしたのですけれども。
(記者)
新潟交通と同じ方向を向きながらやりたい、新潟交通と同じ絵を描きながら、ビジョンを持ちながら協定を結んだ上で改善策を持ちたいという意図だったのかなと思ったのですけれども、そうではないのでしょうか。
(政策企画部長)
ご質問のとおりだと思います。まず運行事業協定を結んで、新潟交通と新潟市のそれぞれの役割をもう1回明確化して、一緒の方向を確認した上で、それぞれの役割分担に基づいて改善策等を行っていくという流れになりますので、まずは事業協定を結ぶところからということになります。
(記者)
結んだ後なのですけれども、具体的な取り組みが、議会に諮るというお話もされていましたけれども、補正でやるのか、2021年度になってしまうのかという、スケジュール感についてはどのようにお考えですか。
(市長)
しかるべきというのは、来年度の中でやらせていただきたいと。まず、運行事業協定をきちんとした形で取りまとめた上で、来年度の中で考えていきたいと思います。
(記者)
2021年度ということですね。この予算ではないということですね。
(市長)
2020年度です。この予算です。
(記者)
月並みなのですけれども、利用者に向けてメッセージなどはありますでしょうか。今回、BRT関連に関してこういった措置をしましたけれども。
(市長)
まずは新潟交通の運行事業協定の更新というものが、私としては最も大事な局面であると思っていますので、それがまとまった上で、議会の皆さん、市民の皆さんに今後の新潟市としてのバス交通の、あるいは新潟市がやるべきこと、あるべきこと、これを提示させていただきたいと思っています。
(記者)
BRTの点でお伺いしたいのですけれども、今回、予算を見送ったというところなのですけれども、予算を見送る理由については、先ほどお伺いしたいのですけれども、一方でアンケート調査されて結果と総括の中で、役割分担の中で、一応、市が担当している乗り換えに関わる結節点の整備についても予算を盛らなかったという点に関しては、新潟交通と話していかなくてはいけない協定の部分はあるかと思うのですけれども、すでにアンケート結果で見ている部分、乗り換えの結節点の整備、ターミナルの整備だったりというところについて載せなかった理由がもしありましたら教えてください。
(市長)
特にありません。とにかく先ほど申し上げましたように、新潟交通の次期協定というものが非常に重要な局面だと考えておりますので、これをしっかりした形でとりまとめるということを最優先にして、協定を結んだあかつきには、新潟市としてバス待ち環境の改善ですとか、そうした事業にしかるべき時期に諮らせていただきたいと思います。
(記者)
予算から外れるのですけれども、先日、自由民主党の会議のところで、BRTに関連して市長のご発言があったとお伺いしたのですけれども、バスはこの4台以上は買わないというお話と、駅の南側は、今、青山でやっているような公設民営は難しいのではないかという考えを示されたと思うのですけれども、南側については、当初の第2期計画については、市民病院くらいまでの区間を同じようにやるという予定だったかと思うのですけれども、同じようには難しいとおっしゃっている意図を教えていただきたいのですが。
(市長)
先般の会合で、私見も含めてという前提で、会合の中で短いあいさつで触れさせていただきましたけれども、連節バスは当面4台でスタートし、性能や導入効果などを確認の上、追加の必要台数を購入していくこととしていました。現行のシステムのおかげで、新潟市の場合は全国で起こっているようなバス路線が廃止されたり、ダイヤが減便されたりといった深刻なことが起こらずにやってこられました。こうしたことから、現状の4台でも導入効果がしっかりと発揮されており、現時点においてこの4台にさらに新たな連節バスを購入する必要性はないと考えています。
それから、萬代橋ラインにつきましては、導入の当初、まちなかで多くバスが走りすぎていて、団子状態になっていて、バスを集約して、その余力を郊外に向けようということで取り組みましたけれども、新潟駅を高架化し、南北が直結した場合のバス交通については、公設民営方式で実施する実現可能性は、私は低いと見ておりまして、したがって公設民営にこだわる必要性はないと考えております。駅直下にできる新しいバスターミナルの機能を最大限発揮できるよう、交通事業者に現実の利用実態や需要に見合うサービスの提供を検討していただく方が良いと考えています。需要のあるところにしっかり新潟交通に運行してもらうのが基本だと考えています。
(記者)
当初、描いていた萬代橋ラインの北側に関しては、今の青山までのところはそのまま公設民営でやって、南側に関しては公設民営はやらないということでしょうか。
(市長)
そういうこともこだわる必要はないのではないかと考えています。
(記者)
それは、萬代橋ラインのもともとバスが大変混み合って多かったという現状が、今。
(市長)
萬代橋ラインの方には、そういう状況があって、いち早く運転手不足という課題を捉えて、こうしたシステムを早期に導入したと思っていますけれども、駅南の方については、万代側にあるような交通状況がまずないので、私としては、交通事業者が現実的な需要をしっかり捉えた上で、運行していただければいいのではないかと思っています。ただし、我々も希望としては、亀田ですとか、鳥屋野潟南部に運行してほしいという思いは当然持っています。
(記者)
運行してほしいということは、今のような形をそのまま維持でという意味なのでしょうか。
(市長)
今のような公設民営にこだわる必要はないと。
(記者)
今、まだ南北が、ここが上がっていない状況で、普通のバスが走っていると思います。現在、走っているようなバスの運行状況を維持してもらいたいということなのでしょうか。それともある程度、フィーダー線が必要とかという話しなのでしょうか。
(市長)
今後、今すぐの話ではありませんので、これから議会の皆さまのご意見も頂きたいと思っていますし、実際、運行する新潟交通との協議をさらに深めて、今後、我々としても検討していきたいと考えています。
(記者)
郊外から中心部の乗り入れをしないように、そういうシステムを作ったとは思うのですけれども、郊外から直接混み合わないようにという点では、駅の北側と南側では事情が違うので、本来だったら環状ではないですけれども、円にして、そこから郊外路線が入っていくという形だったと思うのですけれども、それをもう南側は必要ないと。
(政策企画部長)
平成24年に作った最初の基本方針では第2期の計画みたいな形も、一応、一部、描かれていますけれども、それはあくまでも決定している話ではないので、改めて今後、新潟交通と南側の展開について、しっかり協議していくことがまずスタートになるかと思います。
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