市報にいがた 令和4年1月3日 2758号 5面
最終更新日:2022年1月3日
みなとまち新潟 歴史探訪(53)
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巨大な円墳と濠(ほり)が周(まわ)るムラ ~国指定史跡古津八幡山(ふるつはちまんやま)遺跡の発見
昭和62年(1987年)、磐越自動車道の建設に伴い土取り場となる予定の古津駅(秋葉区)近くの丘陵地で、遺跡の確認調査が行われました。この土地は「八幡山城跡」と呼ばれる戦国時代の山城とされてきましたが、城跡と思われた平らな部分は円形で、黄色い土が盛られていました。盛り土の下からは弥生時代後期の土器が出土し、古墳時代前期の土器も見つかりました。
調査の結果、遺跡は山城ではなく直径約60メートルの円墳で、県内最大の古墳であることが分かりました。盛り土の下や周辺からは弥生時代の竪穴住居跡が複数発見され、周囲を濠が囲んでいることも分かりました。高地性環濠(かんごう)集落と呼ばれる「ムラ」の発見です。弥生時代のムラは稲作用の水を得やすい低くて平らな土地に造られるのが一般的ですが、見晴らしの良い高台の周囲を濠で囲んだ高地性環濠集落は防御性の高いムラだといえます。
古津八幡山遺跡の発見は、この地に戦いに備えた弥生時代のムラがあり、古墳時代には強大な権力をもつ支配者が現れたことを物語っています。
高地性環濠集落(左)と円墳(右)(文化財センター提供)
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