(27-1-1) 障がい者施設の事故報告に係る市職員の対応について
最終更新日:2015年5月12日
(27-1-1) 障がい者施設の事故報告に係る市職員の対応について
平成27年2月25日 苦情申立受理
申立ての趣旨
市民からの質問に対して、市職員はきちんと調査・確認をして正確に回答してほしい。
申立ての理由
昨年の9月10日に、申立人が同じ地域にある障がい者施設との懇談会開催の件で障がい福祉課(以下「本庁所管課」という。)へ相談に行った際、6月14日に同施設で起きた事故の報告書が届いているかと本庁所管課の担当職員に尋ねたところ、確認して後日報告するとのことであった。
そして、9月12日に同人から電話があり、「9月11日に施設へ確認したところ、理事長が提出を失念していたようだ。」との報告を受けた。
しかし、その後、施設との懇談会を翌日に控えた9月26日になって本庁所管課の担当職員から電話があり、「実は事故報告書が9月24日に本庁所管課に届いた。9月11日に理事長へ電話をした折、副理事長が事故報告書はA区役所へ提出したはずであると言っていたが、A区健康福祉課(以下「A区所管課」という。)へ確認したら届いていないということであり、事故報告書がその時点で本庁所管課に届いていなかったので、理事長が提出を忘れていたものと私が自分で思い込み、きちんとA区所管課や施設に確認することなく、『理事長が提出を失念していた。』と報告をしてしまった。」と、申立人に対して、当初の説明内容を訂正する旨の話があった。
懇談会前日にわざわざ訂正の電話をしてきたのには何か意図があるのかどうかは分からないが、申立人としては、担当職員の当初の発言はその場しのぎで自己保身のために故意に嘘をついたのではなかったのかと思っている。
事故報告に係る一連の本庁所管課の担当職員の対応等についてのやりとりについては、これまで計4回本庁所管課へ質問書を送り、その都度回答ももらっているが、納得できるものではないため、本申立てに及んだものである。
所管部署
障がい福祉課
調査の結果
平成27年4月24日 決定
申立人に対する本庁所管課の担当職員の対応については、結果的には誤った回答をしてしまったものの、不適切であるとまではいえない。
調査結果の理由
本案件について、申立人及び所管課に確認した上で、市の対応等の経緯を時系列で整理すると、以下のとおりであった。
・6月14日 申立人と同じ地域の障がい者施設で早朝に事故が発生し、救急車・パトカーが出動した。
・6月19日 施設側が事故報告書をA区所管課に提出した。
・6月23日 事故に遭った人の「訓練等給付」の支給決定者がB区役所であることから、A区所管課が事故報告書をB区健康福祉課(以下「B区所管課」という。)に転送したが、そのまま本庁所管課に進達されないままとなる。
・9月10日 本庁所管課の担当職員が、申立人から事故報告が届いているかについて尋ねられ、確認して後日申立人に報告すると話した。
・9月11日 本庁所管課の担当職員がA区所管課に事故報告書の有無を確認したが、その時点でA区所管課は無いと答える。
・9月12日 本庁所管課の担当職員が申立人に、施設が事故報告書の提出を失念していたと報告した。
・9月16日 A区所管課から本庁所管課に、事故報告書はB区所管課に転送した旨の連絡が入る。A区所管課はB区所管課にそのことを確認した。
・9月24日 B区所管課から本庁所管課に事故報告書が到達した。
・9月26日 本庁所管課から申立人へ連絡し、9月12日の報告内容を訂正した。
本庁所管課の担当職員からの聞き取りによると、最初の相談があった9月10日の段階では施設での事故報告書が手元に届いていなかったため、翌11日に施設に電話をして、施設の副理事長にその旨を伝えたが、副理事長はA区所管課に提出したはずだと答えたので、施設が提出を失念しているのであれば提出してもらいたいと伝えた。また、A区所管課にも電話をし、施設からの事故報告書について確認をしたが、無いとのことであったため、本庁所管課の担当職員は、9月12日に申立人に電話をした際に、施設側が提出を失念していたと伝えたとのことである。
この段階では本庁所管課の担当職員は、事故に遭った人の「訓練等給付」の支給決定者がB区役所であることまでは分からず、A区所管課においても事故報告書はB区所管課に回送済みで残っていなかったので確認できなかったと思われる。本庁所管課の担当職員はA区所管課へ問い合せ、事故報告書について確認した上で申立人に回答をしており、結果的には誤った回答をしているが、その対応が不適切であったとまではいえない。
また、申立人は、本庁所管課の担当職員が自己保身のために故意に嘘をついたと思っているようだが、本庁所管課の担当職員は自分のところへ届いていなかったため、施設側が提出を失念したとの思い込みで誤った回答をしてしまったと話していることから、主張は平行線のままであり、申立人の主張のとおり認定することはできない。
本庁所管課の担当職員が誤った回答をしてしまった原因は、市内部の連絡ミスと考えられる。
本審査会では、今回申立人の信頼を損なう原因となった事故報告書の進達の遅延について、本庁所管課を含め各区の所管課において進達簿を備えるなど、手続きシステムの見直しを検討した上で改善を図り、再発防止に努めていただくよう要望する。
以上、調査結果のとおり判断する。
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