市長説明
最終更新日:2021年1月13日
令和2年度 市長とすまいるトーク
市長説明
私が新潟市長に就任した平成30年11月18日から、2年が過ぎた。はじめに、これまでの流れを簡単にお話しさせていただき、その後、資料を簡単に説明した後に、皆さまからさまざまなご意見やご要望をいただければと思っている。
まずは、世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症については、目まぐるしく状況が変化しており、私たちが経験したことのない対応が求められてきた。そうした中で、皆さまからはこれまでの間、感染予防対策に多くのご協力をいただいており、本当にありがたく思っている。私はこれまで、活力ある拠点都市新潟、都市と田園が調和する新潟を目指し、市民の皆さまや市議会の皆さまからご理解とご協力をいただきながら、今日まで全力で取り組んできた。一歩一歩ではあるが、基金に頼らない予算編成への転換や、集中改革による行財政改革、また、こども医療費における通院助成の対象を拡充するなど、市政を着実に進めることができたと思っている。
しかしながら、今年2月に、新潟市においても新型コロナウイルス感染者が初めて確認され、以来、感染拡大防止を最優先に対策を講じてきたところである。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、第三波と言われるほど全国に拡大しており、残念ではあるが、収束の見通しは立っていない。これによって私どもの日常生活や経済活動に影響を与えているところである。しかしながら、この感染症に負けることなく皆さまの健康を守り、経済や社会活動の回復を目指していかなければならない。今後とも、皆さまのご協力をいただきながら、感染防止と経済活動の両立を目指して取り組んでいく。
次に、まちづくりについては、新潟はもともと大河信濃川と阿賀野川の河口部に形成された川湊として発展してきた。古町地区は360年以上前の町割りがそのまま残っており、明治時代には萬代橋が建築され、昭和期には新潟駅が今の位置に移転をした。これからは、現在整備中の新潟駅が57年ぶりにリニューアルし、また、その周辺整備事業を最大限に生かしながら古町と萬代橋を挟んだ万代、新潟駅をつなぐエリアを新潟の象徴として活性化し、その勢いを市内全域に広げていきたいと考えている。
次に、財政状況について、新型コロナウイルス感染症の影響によって新潟市の市税収入といったものの減少は確実であり、来年度の財政運営は厳しくなる予想である。コロナ禍に合わせて、本市においても現在の状況に合わせた既存事業の見直しなどを行い、持続可能な行財政運営を行っていく。市民の皆さまと力を合わせながらこの困難を乗り越えていきたいと思う。明るい未来を切り開いていくため、市政を進めていきたいと考えているので、皆さまからもご理解とご協力をよろしくお願いいたしたい。
本日のお話の内容は3点である。まず、新型コロナウイルス感染症の感染確認から今日までの状況について。これまで新潟市においては、「新型コロナウイルスの発生状況」の資料における、棒グラフに記してある黄色の円のとおり、2月下旬から3月後半までが第1回目のピーク。そして、4月中旬から5月の初めまでにかけて2回目のピーク。そして、7月の後半から8月の初めにかけて3回目のピークがあった。初めての新型コロナウイルス感染症への対応ということで大変な衝撃であったし、学校の全国一斉休校ということもあったが、新潟市は保健所を中心にして各部署と連携しながら対応してきた。必死の思いでやってきて、6月、入院患者がゼロになった。その辺りで一回、これまで我々がやってきた取り組みをまとめておこうということで、中間評価を取りまとめた。
その後も今日までずっと感染は続いてきているわけだが、20の政令指定都市と、10万人当たりの感染者数で比較をすると、新潟市は割と穏やかな状況で推移をしてきた。これには三つの要因があると思っている。まずは、やはり市民の皆さま、事業者の皆さまがこの新型コロナウイルス感染症に対して感染拡大防止対策をしっかりと講じてきていただいていること、ご協力をいただいてきていることが、これまで穏やかな感染推移となった最大の理由であると思う。
次に、これまでの間、新潟市は院内感染がない。そうしたことを考えると、やはり各医療機関において、専門的な立場から病院の中において感染症対策をしっかりやってきていただいていることが、院内感染が発生していない理由であると思っている。
三つ目は、手前みそになるが、保健所が初めて感染者を確認して以来、濃厚接触者を特定して、そして感染が広がらないようにということで、懸命の努力をしてきたところである。そして、濃厚接触者に対してPCR検査を実施するということを今日までしっかりやってきている。しかしながら、11月17日に西区において介護老人保健施設で大規模なクラスターが発生し、1日当たり30人ということで、皆さまも大変驚かれたことだろうと思っている。こうした施設は、介護度が高い高齢者の方々が多く、介護する際に施設の職員と高齢者が接触するということが避けられない仕事であり、私どもも今回改めて、こうした施設で感染が発生すると一気に大きな人数になってしまうということを目の当たりにし、気を緩めることなく、市民の皆さまと高齢者施設、障がい者施設などの皆さんと力を合わせてこうしたことが起こらないように、今後とも取り組んでいきたいと思っている。
次に、ここが一番、皆さんに知ってほしいところになるが、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の症状がほとんど同じでどちらとも区別がつかないこの時期の対応のため、相談、診療、検査体制の充実が図られている。これまでは帰国者・接触者相談センターに相談していただいてきたのだが、11月からは、皆さんの中で症状が少しでも出たら、かかりつけ医に行くのではなく、お電話で一度相談していただきたい。新潟市内に風邪の症状で受診できる内科や小児科、産婦人科などの医療機関が約450軒あるが、その内の約3分の1の医療機関が相談などに対応できるような体制になっている。もし、かかりつけ医で対応ができない場合は、かかりつけ医から対応できる医療機関を紹介してくれるような体制になっているので、ぜひ皆さまも、そのような対応でお願いしたいと思っている。また、心配されていたインフルエンザについてだが、ここまでの間、前年度に比べると300分の1くらいに低く抑えられているとのことである。それは皆さんがマスクをしていただいたり、手洗い、手指消毒をしていただいたりしていることの効果が現れているということである。
それから、新潟県の医療提供体制は大丈夫かということだが、新潟県全体で約450床の病床が確保されてきている。また、病院に入れなくて症状がないような方はホテルなどの療養施設というものがあり、その療養施設についても170床確保されている状況である。
次に、市の重点的な取り組みをご紹介させていただく。特にこれから子どもを生む方々に対して、希望によってであるが、妊婦の皆さんが分娩前にPCR検査を受ける場合、費用を助成する制度を設けさせていただいている。
以上が新型コロナウイルス感染症対策の説明となる。
次に、感染拡大防止対策と、経済の回復ということを両立していかなければならないが、国や県も、Go Toキャンペーンなどさまざまな対策を講じているなか、新潟市としても経済対策として、地域のお店応援商品券事業を実施し、皆さんからもご活用いただいていることと思う。今回、新潟市がプレミアム率30パーセントという、従来にない高率で、しかも今回、新型コロナウイルス感染症で影響を受けたお店は大きなお店よりも地域にあるさまざまなお店であるということで、こうしたお店からたくさん今回参加していただき、地域のお店応援商品券事業を実施しているところである。
次に、市民生活への取り組みについて。8月ごろまでに国の特別定額給付金の支給を皆さん受けていただいていると思う。その対象が今年の4月27日までに生まれた方が対象だったのだが、では、4月28日以降に生まれた子どもはどうなのかといったときに、この子どもたちも新型コロナウイルス感染症の影響を受けているということで、議会からもご意見をいただいたので、4月28日以降に生まれた新生児に対しても、新潟市・佐渡市共通商品券を3万円給付するほか、ひとり親世帯に3万円の応援金、また新潟市産米の10キロのお米を給付しようということで、事業をさせていただいている。
最後に、これは新型コロナウイルス感染症の取りまとめのような話になるが、新型コロナウイルス感染症が発生し、国民全体の価値観や意識が変わったと言われている。東京などは新型コロナウイルス感染症が急拡大して、今も第三波の中にあり、東京にいるより感染リスクの低い地方に皆さんの関心が寄せられているとの報道がされている。そうであるならば、新潟市から仕事のために一旦上京しているのだが、何らかのきっかけで、あるいは今度の新型コロナウイルス感染症のためにもう一度新潟に戻ってこられる方、さらに、ずっと東京にいるが、新潟のようなところに来ようという方々をしっかりと受け入れる土壌を作っていかなければならないと思う。幸い、新潟はそういう意味ではさまざまなインフラに恵まれ、住むのにも良し、また仕事も首都圏から三百数十キロ、新幹線も飛行機もあるということで、今後、選ばれる新潟になるように、取り組んでいきたいと思っている。
次に、集中改革の話になるが、これまで3年間、集中改革を実施するということで宣言をしてきたが、貯金に当たる基金が平成29年は33億円まで落ち込んだが、平成30年には35億円、そして令和元年には60億円まで積み増すことができた。しかし、今年の2月に新型コロナウイルス感染症が発生し、まずは緊急的に新型コロナウイルス感染症対策に充てなければならないということで20億円を取り崩させていただいた。そして、今後まだどうなるか分からないということで、一旦、3年間の集中改革の基金については目標を停止している状況である。
次に、これからの取り組みになるが、新潟市は旧市を含め15市町村が合併するときにそれぞれの市町村の公共施設をすべて引き継いで合併したので、新潟市内にはたくさん公共施設がある。そのため、人口一人当たりの建物保有面積が政令指定都市の中で一番多く、すぐにその効果は出ないかもしれないが、今後、サービス機能を落とさずに公共施設を減らすことを着実に実行することにより、新潟市の負担をだんだん軽くしたい。公共施設は老朽化するし、場合によっては建て替えが必要となる。また、維持管理が必要になるので、そういうものも集約することができるのであれば、新潟市の今後の負担がだんだんと軽くなっていくわけである。これまで、中学校単位で地域別実行計画策定に取り組んできたが、これを5年間実施しても、1年間に1カ所だけしかできなかった。中学校単位で55か所あるが、1年間に1カ所ずつになると55年間かかる。そこで、早くやればやるほど良いというわけではないが、もう少し早く進めて、市民の皆さんのご理解を得るためには、どういうやり方が良いのかということを、有識者と協議しているところなので、そういった内容がまとまり次第、皆さま方にご提示させていただければと思っている。
次に、まちづくりについて。大河信濃川と阿賀野川、これは歴史をたどれば、中心地だけではなくて、すべてが舟運で人を運んだり物を運んだりしていたというようなことで、新潟市内、新潟県内、それから全国がそういう形でつながっていたわけであるが、「拠点化に向けた都市デザインのイメージ」の資料では、もともとの新潟の中心地である信濃川と阿賀野川が交差していた江戸時代にはこういう形になっていたということを示している。
次の資料に(1)、(2)、(3)、(4)と書いてあって、何もないところが信濃川であるが、信濃川に沿って層のような形でまずは町が発展をしてきたということを記す図である。その後、今度はA、C、Bという、少し湾曲に、垂直に印が付いているが、直角に交わるような形でまちづくりが次の段階で進んできたということである。いずれにしても、川の恵みによって新潟は町が成長してきたということを示すものである。
次の資料の図が、一昨年に新潟の開港150周年の節目を迎え、県と将来の新潟のまちづくりのビジョンを東京大学大学院の先生から描いていただいたものになる。新潟駅から古町までをつなぐ、この地域を都心ということで、歩いて楽しいとか賑わいのある場にしようと思い、描いていただいたものである。新潟駅から萬代橋を挟んで古町までだが、そのときに描いていただいたものが「都心軸」という名称であったわけである。しかし、「都心軸」という名称だと、古町そのものも、実は少し縁遠いという方もいらっしゃるかもしれないし、何か行政用語のような響きがある。そこで、もう少し砕けた名前で市民の皆さまからここのところを、とらえていただけないかということで、市役所の内部で名前を募集し、多くの職員から名前が挙がってきた。その中から「にいがた2km」という名称を採用させていただいた。極めて単純だというふうに思われるかもしれないが、少なくとも駅から古町は2キロメートルということはお分かりいただけるのではないかと思っている。ここを市民の皆さんから関心を持っていただく、また県外の皆さんからも、これから地方に関心が向く中で、新潟というのはそういう取り組みをやっているのかと、それならば、ということで、新潟のまちづくりをしていければと思っている。
最後になるが、平成30年秋の市長選挙のときに、選挙の争点としてBRTバスシステムが問題になった。それで、私が当選させていただいて以降、バスの利用者アンケートを実施したり、また、4年間の総括をしたりした。あわせて、市役所内部に専門チームを設けたり、横浜市にある神奈川中央交通というバス会社に客観的な立場で、我々の取り組みが良いかどうか、あるいは助言がほしいということでアドバイザーになっていただいたりしている。また、市議会の皆さんからも大変ご協力をいただいた、説明会を開催させていただき、いろいろなご意見をいただいたところだが、2月に新型コロナウイルス感染症が発生して外出の自粛が行われ、そしてバスの利用が減少した。この新バスシステムによってまちなかを運行していたたくさんのバスを集約して、余力、効果が出たのだが、それがこれによって全部失われてしまった。そのため、新潟市と新潟交通で1年間に957万キロメートル走るという約束をしていたのだが、それも叶わないことになり、その結果、私も新バスシステムBRTの大幅見直し、再検証という公約を掲げていたのだが、その前提が崩れた以上、その公約は見直さざるをえないということで、9月の議会で現状をお話しさせていただいた。しかしながら、この新潟の中心地にある新バスシステムBRTも含めて、バス交通というのはこれからも時代によって利用状況も変わる。場所によってバスの利用状況も変わる。新しい、将来的な、もしバスに代わるようなモビリティが出たとすれば、それによっても代わるだろう。しかし、新潟市としてはさまざまな公共交通があって、それが市民の足となってくれる、そういう選択肢は作っていかなければならないわけで、私の公約は変わったが、新潟市としてバスは引き続き、ずっと関わり続けていくことになるだろうと思っているところである。
以上で説明を終わらせていただく。
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