31 奥土蔵

最終更新日:2020年2月14日

奥土蔵

天井と4面の壁を土と漆喰で塗り固めた土蔵造になっています。文政2年(1819)の火災を免れたといわれています。向きは表門や文庫と揃っています。
この土蔵には、寝具が保管されていました。屋根は大きな桁が支えていて、その材料は松で太さは50センチメートル角、長さは10メートルもあります。さらにこの桁の中央を30センチメートル角の棟持柱(むなもちばしら)が支えています。こうした棟持柱の構法は、長野県水内郡(みのちぐん)や飯山地方、山梨県にもみられます。

奥土蔵 1階

欅の太い柱(30センチメートル角)が中央にあります。これは、2階の上にある棟木を直接支える棟持柱です。長野県水内郡や飯山地方のほか、山梨、福井、京都にも見られます。「立て上せ」と呼ばれ、古い建て方といわれています。

奥土蔵 2階

2階の床は一部が格子になっています。これは北側と南側に2か所あり、空気を循環させる通気口の役割もあります。

奥土蔵 戸前(とまえ)

奥土蔵には寝具が収納されていました。居室部から渡り廊下で行き来できるようになっています。奥土蔵の扉の前に庇を出し周りを囲み、雪が積もったときにも、作業のできるようにしています。こうした戸前は、北陸地方の民家に共通する空間です。ここでも、窓を高い位置に設け、積雪があっても光が入るようにしています。

奥土蔵 三戸前口土蔵(みとまえぐちどぞう)とつながる下屋庇(げやびさし)

奥土蔵の戸前は下屋庇とつながっており、雨に濡れずに三戸前口土蔵へ行くことができるようになっています。

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