(6-4)障がい福祉課の差別対応と不作為

最終更新日:2024年9月11日

(6-4)障がい福祉課の差別対応と不作為

令和6年6月13日苦情申立書受理

申立ての趣旨(要約)

 当社は、障がい者グループホームを設立するために、障がい福祉課指定係の担当者に指定が取れるかどうか問い合わせたところ、要件を満たしていれば指定を出すと言われたため、代表の私が事前相談に計4回訪問しました。
 事前相談の際、応対した職員は最初から敵対しているかのような態度で、まったく指導をしてもらえず、終始高圧的に「本に書いてあることがすべて」などと言い、結局は明確な答えが分からないまま、毎回追い返されました。
 また、当社顧問の特定行政書士・特定社労士が問合せたことについても、当事者ではない者に質問させるなと言われ回答をいただけませんでした。
 私は、指定をいただくための勉強をしていますが、それでも解らないパズルのようなルールを設けているのは行政です。素人が来るなというなら専門の行政書士に依頼するよう最初から指示してください。事前相談の意味もないため無くしてください。
 特定行政書士や社労士、全国対応の福祉事業専門の行政書士に高額なコンサル料を支払って書類を提出しても、明確な理由もなく返されました。
 指定を出せない理由を言わず、何回も東京と新潟を往復させ、高圧的な態度をとることについて明らかに害意があり嫌がらせだと思います。また、県外在住者である私に対する差別だと思います。
 このような不誠実な対応が続いたため、多額の経費をかけたにも拘わらずグループホームを開業することを断念せざるを得ませんでした。
 今回の件で、不当な行政指導を受けた、なされるべき指導がなされなかったという不作為があったと考えています。
 当社は、市の対応により損害を被ったため、100万円(予定額)を賠償請求します。

所管部署

福祉部障がい福祉課(以下「所管課」という。)

調査の結果の要旨

令和6年9月9日決定

 申立人の主張及び所管課の説明と所管課から提出のあった資料に基づき、当審査会では以下のとおり判断し調査結果とします。

1 申立書によれば、申立人は、事前相談の際、応対した職員から、最初から敵対しているかのような態度で、まったく指導をしてもらえず、終始高圧的に「本に書いてあることがすべて」などと言われ、結局は明確な答えが分からないまま、毎回追い返されたと述べています。
 これに対し、所管課は、「基準等については事業者ハンドブックに記載されています」という発言はしたが、「書いてあることがすべて」という発言は行っていない。申立人が提示した計画書は、勤務形態一覧表に人員配置不足があったり、一週間のうち常勤職員が勤務すべき時間数や常勤換算数についても理解が出来ていないようだった(例えば、労働基準法上の法定労働時間は週40時間であるが、申立人の計画書では週80時間といった状態であった。)。そのため上記のように基準に関する説明を行った。通常、事業実施計画の事前相談は、約1回で終了しているところだが、申立人に対しては電話及び面談にて計5回、1回につき約1時間程度をかけて対応しており、その中で初歩的な書類の書き方から計画書の不備に係る是正指導、説明等を繰り返し行ったことから、他の事業所と比較してもより時間をかけて説明してきた。しかし結局、申立人の計画は、常勤換算数の計算方法については一部是正したものの、所管課が当初から指摘していた法定労働時間等の間違いについては是正されず基準に合致しないものであった旨回答をしました。
 所管課の上記説明内容は、「新潟市指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例」(以下、「基準条例」)に沿った具体的な内容で、不自然な点はありません。事業者が、障害福祉サービスの事業等の基準を理解しないままその運営をした場合、行政監査等により行政処分に伴う指定取消や給付費の返還が求められる可能性があり、その結果、もし事業所が廃止になった場合、最も被害を受けるのは利用者です。そのため、事業者は基準を正確に理解する必要があり、そのため所管課としては基準等に関する指導を行うのは当然であって、今回の対応は不当なものとは言えません。
 なお、申立人が所管課を訪れ相談を行った際に、応対した職員は最初から敵対しているかのようで、終始高圧的な態度であったと主張している点、また、申立書に記載された、相談の際に職員が発言したとする文言については、録音などの記録が存在せず事実確認ができないためその適否について判断することはできません。
 ただし、所管課においては、相談者がこのような感触を受けたことを真摯に受けとめ、丁寧な対応を心掛けてほしいものです。

2 申立書によれば、顧問の特定行政書士・特定社労士が所管課に問合せをしたが、所管課から「当事者ではない者に質問させるな」と言われ、回答をもらえなかったとされています。
 これに対し、所管課は、申立人から委任を受けたことを明示した行政書士や社会保険労務士から申立人の事業について問合わせを受けたことはない。また、事業所の情報等を明らかしない行政書士等からの問合せについては、通常、一般的な事項であれば回答しているものの、事業所の計画内容や状況を確認しなければ回答できない事項等については、事業所から連絡をするよう依頼することがある旨の説明がありました。
 この点、行政書士や社会保険労務士等の専門職にある者が依頼者から正式に依頼を受けて行政に照会等をしたのであれば、それを裏付けるべき記録等が存在するはずですが、本件では、申立人が主張するところの「顧問の特定行政書士・特定社労士」は氏名等も不明であり、申立人の主張を裏付ける記録等もありません。

3 なお、申立人は、本件で損害を被ったため市に100万円(予定額)を賠償請求する旨述べていますが、当審査会では損害賠償請求責任の有無等を判断することはできません。

4 以上、調査の結果、本件では、申立人が主張する不当な行政指導や不作為があったとは認められません。よって、本件では、新潟市行政苦情審査会規則第16条に基づく是正等の意見表明ないし制度改善の提言をする必要性はないものと判断致します。

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