(6-5)介護保険料の期別誤り納付に対する対応
最終更新日:2024年10月1日
(6-5)介護保険料の期別誤り納付に対する対応
令和6年6月28日苦情申立書受理
申立ての趣旨(要約)
私宛てに介護保険料第2期分の督促状が届きました。手元の領収書を確認したところ第3期となっており、第2期と取り違えて納入していることが判りました。
そこで、区役所に電話をして、納入した第3期分を第2期分として振替えてくれるよう依頼しましたが、第2期分への充当はできないとの回答であり、それであれば、当方が取り違えて納入したので一旦当方に返金していただき、速やかに第2期分として支払う旨申出ましたが、それもできないとの回答でした。
そこで、以下の4点について指摘します。
1.間違えて納入した第3期分を第2期分に振替えることがどれだけ難しいことなのか。法律、電算システム、事務処理要領等によることと考えられますが、所詮は人が決めたことであり変更することはできると考えます。
2.間違えて支払ったと申し出ても「返せない」という仕組みが理解できません。
3.そもそも、このような想定される事案に対して、取扱い方法が役所優先で構築されており、納入者の立ち位置をどのように考えているのでしょうか。
4.今回の件であらためて気づきましたが、納付書の文字が極めて小さいと思います。高齢者相手にどういう視点で納付書を作成しているのでしょうか。
所管部署
福祉部介護保険課(以下「所管課」という。)
調査の結果の要旨
令和6年9月27日決定
申立人の主張及び所管課の説明と所管課から提出のあった資料に基づき、当審査会では以下のとおり判断し調査結果とします。
1 事実経過
(1) 令和6年6月20日、申立人がA区役所介護保険料担当課(以下、「A区担当課」という。)に架電。令和6年度介護保険料について、第2期分(納期限5月31日)を納付するつもりが、誤って第3期分(納期限7月1日)を先に納付してしまい、2期分の督促状が届いた。もともと2期分を納付するつもりでいたので、2期分に振り替えてほしいとの依頼をした。A区担当課は、介護保険システムにて第3期分が5月24日に納付されていることを確認した。
(2) 令和6年6月21日、申立人がA区担当課に架電。A区担当課は申立人に介護保険課賦課収納係に確認した結果、前日の説明のとおり、2期分を3期分に振替することはできないことを伝えた。その後、申立人は、A区担当課に対し、振替ではなく、取り違えて納付した3 期分を返していただき、改めて2期分として納付したい旨の申し出をしたが、A区担当課はそのような運用はしていない旨を回答した。
2 審査会の判断
(1) 申立人は、間違えて納入した第3期分を第2期分に振替えることがどれだけ難しいことなのか、法律、電算システム、事務処理要領等によることと考えられますが、所詮は人が決めたことであり変更することはできるはずと主張しています。また、間違えて支払ったと申し出ても「返せない」という仕組みが理解できない旨主張しています。
これに対し、本件所管課からの回答は、「期別をとばして納付した場合でも、納付自体は正当な納付とみなされますので、とばした期に充てることやお返しすることはせず、改めてとばした期分を納付していただいています。同じ期別に二重の納付があった場合などの過誤納金に対しては、還付や充当を行っています。」旨の説明がありました。また、「申立人が希望している他の期別への充当や還付については、要綱改正やシステム改修が必要となり、費用や負担が生じます。これまで同様の要望などは寄せられていないことや、政令市をはじめとする各自治体の取扱いを踏まえ、費用対効果を勘案すると、申立人の希望に沿うことは難しいのが現状です。」と説明がありました。
この点、介護保険料の賦課期日は、当該年度の初日である4月1日であり(介護保険法第130条)、賦課期日以降に期別をとばして介護保険料を納付した場合でも、地方税法第17条及び同第17条の2で定める過誤納金には当たらず、したがって市がこれを還付又は充当すべき法律上の義務はありません。また、過誤納金に該当しない介護保険料を市が充当ないし還付をするためには、市の要綱改正やシステム改修の必要があるほか、そのための費用や負担も生じる結果となり、市に対してこのような対応を求めるべき必要性や合理性はないものと考えます。
(2) また、申立人は、そもそもこのような想定される事案に対して、取扱い方法が役所優先で構築されており、納入者の立ち位置をどのように考えているのかと主張しています。
この点、介護保険料の徴収は、各市町村が介護保険法等の関係法令に基づいて行うものであり、役所優先という評価は当たらないものと考えます。
(3) 最後に、申立人は、納付書の文字が極めて小さく、高齢者相手にどういう視点で納付書を作成しているかと主張しています。
これに対する所管課の回答は、「納付書については、記載が必要な情報と規定されている様式やスペースの関係もあり、文字を大きく表示することは難しいと考えますが、例えば、領収日付印の欄に領収印に影響しないように期別を表示するなど、できる範囲で検討してまいります。」旨説明しています。
審査会としても、今回のような件を事前に防止するため、納付書の体裁は出来る限り分かりやすい記載がなされるべきことに異論はなく、所管課に対しては更なる検討と改善を期待するところです。
以上、調査の結果、本件で、当審査会は、新潟市行政苦情審査会規則第16条第1項に基づく意見表明ないし提言をする必要性はないものと判断致します。
規則第16条第1項
審査会は、苦情等の調査の結果、必要があると認める場合は、市長等に対し、当該苦情等に係る市の業務について、是正その他の改善措置(以下「是正等」という。)を講ずるよう意見を表明し、又は制度の改善を求める提言をすることができる。
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