(28-1-3) 誤った国民健康保険証の交付について是正してほしい
最終更新日:2016年10月11日
(28-1-3) 誤った国民健康保険証の交付について是正してほしい
平成28年9月7日 苦情申立受理
申立ての趣旨
職員の誤った住民異動届の処理により国民健康保険料の納付義務者となったためその取消しを求めるとともに、母親が単独世帯で届け出た際に交付された国民健康保険証(以下「保険証」という。)と同じ番号の保険証の再交付を求める。
申立ての理由
本年6月20日に、申立人の母親が単独世帯として現住所への転居届をA区役所へ提出した。
その後、6月27日に申立人が母親と同居するため転居届をA区役所へ提出しに行ったところ、職員から母親と生計が同一か否かについて尋ねられた。そのときは急いでいたため、職員の言われるがままに生計同一であると答えたが、母親の意見を聞いて慎重に届出をしたかったため、昼休みか終業前にまた来るので届出を保留にしてほしいと職員に言って帰った。
しかしながら、一切の説明もなく、その届書は一方的に受理されてしまった。何故その時に、届書の保留はできないので届書を一旦持ち帰ってほしいという説明をしてくれなかったのか。
職員の誤った対応により、一時的ではあるが申立人が国民健康保険料の納付義務者となってしまったことを取り消してほしい。また、母親が6月20日の届出の際に受け取った保険証が使えなくなり、医療機関の受診ができずに困っているので、一刻も早く6月20日に交付された保険証と同じ番号が付いた保険証を母親に交付してもらいたい。
所管部署
A区区民生活課
調査の結果
平成28年10月7日 決定
申立人が行った住民異動届については、所管課が窓口で申立人に確認を取りながら通常の事務処理手続に沿って処理されたものと推認され、手続上の明白な瑕疵を見出すことはできない。
したがって、6月27日に申立人が行った住民異動手続を取り消すことはできず、6月20日に申立人の母親が行った住民異動手続の際に発行されたものと同じ番号の母親の保険証を交付することはできないとする所管課の対応が不適切であるとは認められない。
調査結果の理由
6月27日、申立人が転居に伴う住民異動届を提出した際に、所管課職員が申立人に確認したところ、その場で、母親と同居し生計が同一である旨の回答を受け(届書の備考欄の記載から世帯同一の確認がなされたことが推認される)、申立人と母親が同一世帯となる(世帯主は申立人)届書を受理したことが認められる。
その翌日の6月28日、申立人が窓口へ母親の保険証を受け取りに行った際、この時点では世帯主欄が申立人になっていたため、母親とは生計が別であることを申し出たが、その届出は後日行うとのことであった。
月が変わり、7月4日に申立人は母親との世帯分離届を提出し、申出に基づき所管課は7月5日に新しい番号が付いた母親の保険証を郵送したが、7月12日に母親から変更された番号の保険証は認めないと電話で連絡があり、7月15日に返送されてきたとのことである。
申立人は、6月27日に届書を提出した際、世帯主については保留にしてほしいと職員に言ったと述べているが、所管課によれば、そのような申出はなく、そもそも保留の意向が示された場合には、窓口では届書を受け取らないこととしているとのことであり、本件についても通常の取扱いと同様に適法な手続がなされたと推認される。
所管課においては、手続及びその処理に明白な瑕疵が認められない以上、申立人の住民異動届に関する手続を取り消すことはできず、申立人の母親に対して変更前の番号の保険証を交付することはできないとのことである。
なお、申立人の母親に対しては既に新たな番号の保険証が交付され、医療機関の受診はその保険証を利用することで可能となっており、所管課においては、申立人の母親に対して、これまでも電話や文書による説明を行ったり、保険証を再三郵送するなど保険証を引き渡すべく努力していることが認められる。
また、申立人が6月27日の住民異動届により一時的に国民健康保険料の納付義務者となったことは制度上やむを得ないものであり、所管課の手続上の瑕疵によるものではないことは明らかである。
以上のとおり、申立人の要望に対して所管課が応じられないことには正当な理由があり、所管課の対応が不適切であるとは認められない。
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