(4-9)自動車燃料費助成金の不支給決定に納得がいかない
最終更新日:2022年12月12日
(4-9)自動車燃料費助成金の不支給決定に納得がいかない
令和4年9月20日苦情申立書受理
申立ての趣旨
自動車燃料費助成金の不支給決定に納得がいかない。
申立ての理由(要約)
過去3回支給してきた自動車燃料費の助成金を突然不支給にしたのは納得できない。
2022年8月23日付けで、C区役所健康福祉課より「新潟市心身障がい者自動車燃料費助成の不支給決定について」なる通知が送られてきました。私が7月5日に申請した「自動車燃料費助成申請」について、不支給とするというものです。私が2019年から過去3か年において支給を受けてきたものを、今回は支給しないというものです。
初めて助成金の支給を受けた2019年以降、私の状況は何も変わっていないのに、なぜ今年度は不支給なのでしょうか。
この通知は全く承服できないので撤回していただき、燃料費助成金を支給することを求めたいと思います。
所管部署
福祉部障がい福祉課(以下「所管課A」という。)
C区健康福祉課(以下「所管課B」という。)
調査の結果
令和4年12月5日決定
所管課の対応に非があるとは認められない。
調査結果の理由
当審査会では、所管課A・B及び申立人から資料を提出してもらうとともに、聞き取りを行いました。
その結果、以下のような事項が認められました。
1.本件申立ての理由として、申立人は次の趣旨を主張しています。
(1)新潟市心身障がい者自動車燃料費助成事業実施要綱(以下「要綱」という。)では「障がい者か又はその者と生計を一にする者が、当該世帯の保有する自動車を障がい者のために使用するときに助成する」としながら、所管課Bが発出した助成金不支給決定文書では「『障がい者本人又はその者と生計を一にする者』が使用した分」に燃料費を助成すると述べ、障がい当事者とは関係ない使用でも、例えば同居の家族が自分達のために自由に乗り回している場合でも燃料費を助成するというように読める。他方、申立人が所有する車は、申立人の移動のためにのみ使用されているにも拘らず、申立人の所有車両が燃料費助成の対象外となるのか理解できない。
(2)要綱は「障がい者が一人暮らしで運転できない場合」について、友人や支援者らが、自らの車を提供して、申立人のような重度障がい者の移動を支えているという、その様な現実・実態を想定していない、認めていないのではないかと思われる。申立人のような生活を実現している障がい者に迫害を加えるべきではない。
(3)都道府県では「常時介護する者の運転する車」は自動車税の減免対象となっているにも拘らず、要綱では助成の対象外となってしまい、不合理である。
(4)所管課Bから送付されてきた、自動車燃料費助成金(以下「助成金」という。)を今年度は不支給とする通知文書には「障がい者が一人暮らしで運転できない場合や、移動手段を持たない方については、別途、『新潟市福祉タクシー利用助成事業』の制度を設けているところです」としているが、あたかもタクシー会社に助成しているかのようである。
(5)当該助成金の目的は、障がい者の移動について支援することであるにも拘わらず、「障がい者の移動にとって何が最善か」を考えない本末転倒なものである。
(6)申立人は過年度において助成金の支給を受けており、何の落ち度もないにも拘わらずその権利を侵害することは認められない。
(7)所管課Bからの通知文書に、「過年度に支給した分についてはC区の独自判断で受け付けてきた」との趣旨が記載されているが、「C区の独自判断」とは何であるか理解できない。
2.上記1の申立人の主張に対し、所管課は次の趣旨を説明しています。
(ア)上記(1)(2)(5)について
自動車燃料費の助成制度は多くの市町村において実施されているが、国の統一の制度でないため、各市町村においてニーズや地域特性を鑑みながら制度設計を行っている。新潟市では「障がい者又はその家族が所有する車」を障がい者のために「障がい者本人又は家族が運転」した分の燃料費を助成対象としている。
限りある財源を有効活用しながら障がい者が安心して地域生活を送れるようにすることは所管課の役割と考えており、今回の指摘を重く受け止め、今後の障がい者施策に反映していきたい。
(イ)上記(3)について
新潟市心身障がい者自動車燃料費助成事業は、自動車税の制度とは別の制度として行われているもので、必ずしも自動車税の減免対象者と本制度の助成対象者が一致するものではない。
(ウ)上記(4)について
新潟市福祉タクシー利用助成事業は障がい者の社会参加を目的としており、タクシー会社への助成制度ではない。
(エ)上記(6)(7)について
所管課Bは、過年度の申請受付分において、申立人が所有する車両を生計を共にしない介護者が運転する場合であっても助成対象になると判断して助成していた。しかしながら、「障がい者か又はその者と生計を一にする者が、」「当該世帯の保有する自動車を」(中略)「使用(運転)」する場合に助成を行うということが正しい判断であった。
以上のとおりであり、本助成制度は法律に基づくものではなく、新潟市が独自の施策として実施しているものです。そして、実施の主体である新潟市が、「障がい者か又はその者と生計を一にする者が、当該世帯の保有する自動車を(中略)使用(運転)する場合」に助成を行うとの制度設計をしたうえで助成金を支給している以上、これに該当しない場合には助成の対象外とならざるを得ません。また、過去に誤った判断がなされて本来は対象外であるにもかかわらず助成金の交付を受けたことがあるからと言って、そのことによって助成金を受給できる権利が発生するものでもありません。
したがって、所管課の対応に非があるとは認められないと判断します。
もっとも、申立人のようなケースも助成の対象とすべきとの申立人の主張には首肯すべき点が多いと思われます。
所管課Aも「今回の指摘を重く受け止め、今後の障がい者施策に反映していきたい」としているところですが、よりよい施策が実現できるよう、制度の改善等を検討することを希望します。
また、助成金の申請窓口である各区役所において、制度と異なる解釈が生じないようマニュアルの整備や研修の実施などの対応が行われるよう合わせて希望します。
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