(4-13)教育委員会に提出した告発状の調査及び処分の結果を知らせてほしい
最終更新日:2023年3月6日
(4-13)教育委員会に提出した告発状の調査及び処分の結果を知らせてほしい
令和4年12月16日苦情申立書受理
申立ての趣旨
教育委員会に提出した告発状の調査及び処分の結果を知らせてほしい。
申立ての理由(要約)
令和4年2月3日付けにて、新潟市立学校教諭の所業に対し、告発状を新潟市教育委員会教育長宛てに送付しました。
その後何らの回答、連絡もなく、現在に至っておりますことに苦情を申し立てます。
なぜ、回答が無いのかの連絡と、しっかりと調査をした上で調査及び処分の結果について回答を求めます。
所管部署
教育委員会事務局学校人事課(以下「所管課」という。)
調査の結果
令和5年2月27日決定
所管課の対応に非があるとは認められない。
調査結果の理由
当審査会では、所管課から資料を提出してもらうとともに、申立人及び所管課から聞き取りを行いました。
その結果、以下のような事項が認められました。
1 事実経過等について
(1)令和2年8月、氏名不詳者から申立の理由で問題とされている教諭(以下「本件教諭」という。)が勤務する新潟市立学校(以下「本件学校」という。)に宛てた電話があり、申立人が教育委員会に提出した告発状(以下「本件告発状」という。)に記載されている内容の一部と同趣旨の指摘がされるとともに、注意して欲しいとの趣旨の要請がなされた。その際本件教諭の氏名は明かされなかった。
(2)同月、本件学校の学校長は、職員会議において上記(1)記載の電話があったことを周知するとともに、全職員に対して非違行為・信用失墜行為等を行わないよう注意喚起した。
(3)同年9月、上記(1)の電話と同じ人物から、本件学校に宛てた電話があり、本件告発状に記載されている内容の一部で上記(1)とは別の事実について指摘がされるとともに、指導して欲しいとの趣旨の要請がなされた。この時も本件教諭の氏名は明かされなかった。また、架電者から今回指摘した事実を証する資料を提供するとの申し出に対し、学校長は資料を送付してもらいたい旨を回答したが、資料は送付されてこなかった。
(4)同年11月、氏名不詳者から所管課に宛てた電話があり、上記(1)(3)と同趣旨の指摘がされたが、本件教諭の氏名は明かされなかった。
(5)同月、本件学校の学校長は、職員会議において当校職員の非違行為を指摘する電話があったことを周知するとともに、全職員に対して非違行為・信用失墜行為等を行わないよう改めて注意喚起した。
(6)令和3年4月、申立人から所管課に宛てた電話があり、これまでと同趣旨の指摘がされるとともに、本件教諭の氏名が明らかにされたことから、所管課は本件学校の学校長に本件教諭の氏名を伝え、学校長は本件教諭に対しヒアリングを行った。
また、同月、申立人が所管課を訪問し、これまでと同趣旨の指摘をするとともに、指摘した事実に関する資料を提示するなどした。
(7)所管課は、上記(6)の申立人が指摘した事実に関する資料の提示を受け、担当者2名が本件学校に出向き、学校長同席のもと本件教諭に対しヒアリングを行った。
(8)令和4年2月、申立人から所管課に宛てた電話があり、本件教諭を処分して欲しいとの要望が述べられるとともに、所管課に告発状を送付する旨の連絡がされた。
(9)同月、所管課に本件告発状が郵送にて送付された。本件告発状には、これまでの指摘を含めた複数の事実に関する指摘がされており、所管課に対して調査のうえ本件教諭の処分を行うことを求めるとの趣旨が記載されるとともに、調査、処分の結果を知らせて欲しいとの趣旨の要望が記載されている。
(10)本件告発状を受領した所管課は、ヒアリングを行うなどしてすでに調査した内容及び教育委員会が調査する必要の無い内容と判断し、調査を行わないこととした。
また、所管課は申立人に対し、所管課がどのような対応をしたか回答していない。
2 令和4年2月に申立人が所管課に電話した際の経緯等について
(1)申立人は、上記電話の際、所管課の担当者は申立人を馬鹿にした感じの鼻にかけるような話し方であり、非常に傷ついたとの趣旨を主張する。
したがって、申立書には記載されていないものの、申立人は、上記電話での対応も苦情の対象に加えることを希望するとのことである。
(2)所管課は、上記電話の際の応答の内容について、具体的な文言などの記録は残っていないものの、所管課としては不適切な対応をしたとの認識もしくは心当たりはないと主張する。
3 本件告発状に対する所管課の対応などを申立人に回答しない理由等について
所管課は、次の点を理由等として主張する。
(1)懲戒処分は、地方公務員法に違反した場合、職務上の義務に違反し、若しくは職務を怠った場合又は全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合になされるものであるが、ある職員がそれらの行為をした事実及びこれに対して懲戒処分がなされた事実は、当該職員のいわゆる個人情報に当たるものであって、原則としてこれを公にし、又は外部提供をすることができないものである。
申立人が求める本件告発状に基づく教育委員会の調査の結果及びこれに基づく懲戒処分の内容は、上述のとおり本件教諭の個人情報であり、これを公にし、又は外部提供をすべき例外的事情も認められないのであるから、それらを申立人に通知することはできない。
(2)所管課は、本件学校や所管課への氏名不詳者からの電話は申立人が架電したものと判断している。(但し、申立人は、自身が架電したことを否定している。)そのため、本件告発状は、これまでの架電などを含めて考慮すると同一人物(申立人)からの5回目の訴えであると捉えている。
他方、「市長への手紙」の事務取扱要領において、同一人物から同一趣旨の手紙が繰り返し寄せられたものについては回答しないとの趣旨が記載されていることを準用して、これ以上の回答は必要ないと判断し、回答しないこととした。
以上のとおりの事項が認められるところ、懲戒処分に関する公表について、法的には所管課が主張する通りであり、所管課が申立人に回答すれば、正当な理由なく個人情報を開示する結果となり違法となることから、調査の結果や処分の内容は回答できないものと当審査会では判断します。
他方、申立人が所管課へ電話した際の担当職員の対応への不満に関しては双方の主張が食い違っているところ、双方とも主張内容を裏付ける客観的な証拠が存在しないことから、当審査会としては双方の主張のどちらが客観的事実に即しているかの判断は行わないこととします。
当審査会ではこれらを総合的に判断して、所管課の対応に非があるとまでは言えないと考えます。
もっとも、申立人は本件告発状において所管課からの回答を求めているところ、法律の専門家ではない一般の市民は懲戒処分を公表することに関する事情を理解しておらず、行政組織に回答を求めた場合には何らかの回答をもらえると期待することが通常であろうと思われます。
この点に関して所管課は、申立人からの「5回目の訴え」と主張しますが、令和2年8月から11月までに本件学校及び所管課へ宛てた3回の電話について、申立人は自身が電話をしたことを否定しており、従って本件告発状が申立人からの「5回目の訴え」であるとの確証はありません。また、仮に本件告発状が所管課の主張するとおり、申立人による「5回目の訴え」であったとしても、所管課(もしくは本件学校)が、どのような対応をしたかの回答を求められたのは本件告発状が初めてであり、それ以前には所管課(もしくは本件学校)として回答を求められたことはありません。
以上に鑑みると、所管課としては、申立人が求める内容を回答することはできないとしても、書面または口頭にて、告発状を受取ったことの連絡と回答することができない旨を説明することが望ましいと考えます。
所管課においては、上記の点も勘案のうえ、市民目線に立ったより丁寧な対応を心がけていただくことを希望します。
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