秋葉区意見交換1
最終更新日:2017年1月17日
平成28年11月19日(土曜)午前
質問1
脳の健診制度について
発言者
昨日、私どものコミュニティ協議会で区役所の健康福祉課や地域包括支援センター、新潟日報の協力を得て認知症サポーター養成講座として、認知症に対するお話を脳の構造からサポートの仕方まで、寸劇を交えて楽しい講習をさせていただいた。
その中で、話を聞きながら感じたのだが、脳の検診制度を設けることはできないか。
市長
本市も認知症については健康の面でも重要なテーマだと思っている。脳の健診がどのくらいの料金でできるものなのかは、新潟市医師会などに確認したい。これまで全国的には、このような状態になってくると少し認知症が心配であることを知っていただき、そのような方に脳の健診を受けてもらうようなやり方で行ってきた。今後、認知症の割合は年々上がっていくだろうと思われるので、脳の健診が受けやすくなり、それが早期予防、早期発見につながることになれば、一気に広がるのではないかと思っている。
しかし、医療の世界で、本市が感じていることの医学的データが積み重なっていないとなると、全国的に実施されるまでに時間がかかってしまう。例えば、ピロリ菌を除菌したほうがいいことは一般人の常識になっているのだが、全国的な医療の方々が集まる会議の中では、まだ正式に認められていない。それを待っている暇はないので、ピロリ菌を保有しているかどうかの検査を受けていただき、早めに除菌していただくということをやっている。また、新潟市独自でバリウムよりも胃カメラだということを全国でいち早く導入している。これはやがてデータが積み重なると、胃がんの早期発見、早期治療に向けての医学的根拠になっていく。今では新潟市にしっかりやってほしいと医療関係者から言われるようになったが、どうしても時間差もあるということである。
今後は福祉部と医療関係を受け持つ保健衛生部を徹底連携させる必要があるということで、その連携担当理事を今年度から配置した。
医療・介護連携担当理事
地域包括ケアシステムについて若干お話しをさせていただく。今ほど説明があったとおり、新潟市も人口の減少が始まっている。特に、団塊の世代が75歳以上になる2025年問題に伴って、医療や介護のニーズが非常に高まってきている状況にある。そのため、重度な要介護の状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで送れるように、医療、介護、介護予防、住まい、そして生活支援が一体に提供される地域包括ケアシステムの構築が急務になっている。
新潟市では、市内27か所の概ね30分以内でサービスが提供されるような日常生活圏域に地域包括支援センターを設置し、家族や患者に対して、相談や支援を行っている。当秋葉区においては3か所設置をしている。また、各地で医師や看護師等と、顔の見える関係を作りながら、在宅で医療介護ができるような在宅医療ネットワークも全市で構築している。まだ空白地域もあるが、秋葉区については新津地域医療福祉連携運営委員会が設置されており、そちらも充実させている。
また、子どもからお年寄りまで、市民一人ひとりが住み慣れた地域で暮らせる街の実現を目指し、地域の支え合いのしくみづくりを進める拠点として、地域包括ケア推進モデルハウスも全区で1か所ずつ造ることを本年度も進めている。これまでに東区の「実家の茶の間・紫竹」等、秋葉区については「まちの茶の間だんだん・嶋岡」が開設されており、11月28日には西蒲区に「にしかんの茶の間」がオープンする予定になっている。このように、市医師会や医療関係、さまざまな方と協働し、地域の皆様と検討しながら、地域包括ケアシステムの構築をなるべく早く行っていきたいと思っている。
市長
ご質問いただいた件については、今後、医師会などに確認して、区長から返事をさせる。
質問2
満日小学校の跡地利用について
発言者
このたび、満日小学校が阿賀小学校と統合することが決まっており、来年度からは学校が空になる。そのような中で、私どもは地域の活動として、お茶の間を作ったり、あるいはいろいろな講演など、地域の皆さんが楽しく過ごせるような場作りもしたいと思っている。また、今現在、満日小学校は地域の避難場所になっている。健康で長生きをしても、災害では一瞬のうちに大勢の人の命が失われる。そのため、この満日小学校の避難場所は今までのように続けていただきたい。
そして、あの場所はコミュニティ協議会の仕事の場所にもなっており、役員会、芸能祭を2年に1回、文化祭を毎年開催しているのだが、これを継続して実施できるようにしていただきたい。
市長
基本的に、統廃合いただいた学校を含めて公共施設は、売れるものは売却させていただきたいというのが基本になっている。しかし、潟東地区が先行して3校を一つに統合してくれたが、そのままでは売れないことが多く、そのようなときには民間活力を活用してご提案いただくことにしている。現在、校舎跡はある面ではビジネスチャンスである部分もあり、さまざまな提案が出ている。その中には、農福連携の場にしていくといった大変ありがたい提案もある。さらに、民間の活用と地域の活用が両立できれば一番ありがたいと思っている。
そのような面では、避難所も絶対に必要である。津波のようなときには避難する場所が命を分けるが、幸い、秋葉区は津波についてはほかの地域に比べれば危険度は低い。むしろ一般の水害のほうが危ないため、それに対応する避難所にしていく必要があると思っている。
区長
使い方については、できるだけ早く地域を含めてご検討いただければよかったが、教育委員会のほうで使い道を検討していたため、なかなか話を詰めるに至らなかったことはお詫び申し上げたい。これからすぐにワークショップのようなものを作って、皆様とどういう形にしていくのかを検討していきたい。あの建物を丸々使ってほしいと言われてもコミュニティ協議会も困ると思うので、どの程度のスペースをどういう形で使いたいのか。そこに民間の活力が入れられないのか。大切なことは、今おっしゃったように避難所になっていることである。津波はないが、阿賀野川に面しており、高い建物はあそこしかないので、何とかこの避難所の機能だけは維持していきたいと思っている。
市長
教育の施設として活用できないかを教育委員会が少し検討していたということである。教育委員会としての方向性が出たので、これを今後は地域の皆様としっかり話し合っていきたいということで、よろしくお願いしたい。
質問3
健康寿命の啓発について
発言者
私は地域包括支援センターの管理者をしている。私どもの担当地域は、とても運動が活発に行われている地域である。そのため、要介護の関係、要支援認定を受けていらっしゃる方のサービス利用者数は増えていない。先ほどの地区コミュニティ協議会での認知症サポーター養成講座を我々のほうでやらせていただき、それ以外にも地区の自治会、町内会の取組みとして、お茶の間の中でロコモ予防体操や脳トレなど、非常に活発に行われている実態がある。そのような活動の中で、来年度から新総合事業が始まるが、介護予防事業の中に、ぜひ、そういった取組みを浸透させていただいて、健診の受診についても併せて普及啓発を一緒に行っていただくことが非常に効果的な啓発につながるのではないかと考えている。
市長
市も健康のために、あるいは介護予防の部分で頑張っている方にインセンティブを差し上げられるような制度を設計してほしいと国に申しているが、国は介護にかける費用をできるだけ減らそうとしている。本来はそのようなことが介護関係の費用を減らすことになるのだが、国とは必ずしもかみ合っていない状況である。新総合事業がスタートしていくので、まずは先ほどのように中学校区単位で健康度を皆様に見てもらって、国の制度設計が進まなければ、つなぎとして、新潟市内で良い活動をしているところをモデルエリアとして、さらに頑張っていただきたいと思っている。
医療・介護連携担当理事
介護に至らないために健康寿命延伸ということで、市としては、まずは健診を受けていただく取組みを、新年度、キャンペーンのような形でやりたいと思っている。各地区に大体1万人に一人くらいの割合で保健師が配置されているが、その人たちだけで行うにはとても大変な部分がある。そのため、中学校区単位でデータを出し、そのデータを、できれば教育委員会などとタイアップして、学校の保健体育の授業で何かやってもらえないかを相談している。子どもからお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんに「きちんと健診に行ってる?」と言ってもらい、家庭の中で話題にしてもらうような事業ができないかというのが一つである。それから地域の方々に、出前講座のような形で、その地域がどうであるかについて話をするような講座をさせていただきたい。あとは職場である。今回のデータは後期高齢と国保のデータなので、どちらかというと高齢者のデータになっている。協会けんぽ等、40代、50代の働き盛りのデータもいただくことができたので、それも併せることで、だいたい6割くらいの市民の方の健康度が見えてくる。それを中学校区単位で出し、職場でそういう話ができないか、経営者の方にセミナーなどを行うことも考えていきたい。現在、健康経営という考え方がでてきている。自分たちの従業員を大切にすることが会社のために良いということが言われてきているので、家庭で、地域で、職場でというような形で健康寿命を延伸させていきたいと思っている。皆様からもアイディアがあれば教えていただきたい。
質問4
40代の健康意識について
発言者
新潟市が平成15年から本格実施をしている小学4年生と中学1年生を対象にした生活習慣病予防健診がある。対象者は大体1万3,500人くらいだが、受診者は1,500人から1,900人で、13パーセント前後である。また、その結果では、異常なしといわれる子どもたちがたった19パーセントしかいない。残りの8割の人が要注意、要指導、要医療である。要医療に関しては約17パーセントから19パーセントも毎年出ている。子どもの食生活はほとんど30代から40代の親の影響である。
データを見ても、特定健診を受けるのは高齢者が多く、40代から60代は低い。高齢者の生活習慣病対策は一つの重要な柱だが、子どもの生活習慣病予防健診を切り口にしながら、40代の健康意識を何とか向上させていけないか。
市長
子どもの食生活が非常に心配だということはそのとおりだと思っている。新潟市の生活習慣病予防健診の受診率を上げることに関しては、別途ご意見をいただきながら考えていきたい。
現在、新潟市が行っている食育と農業体験だが、小学生はすべて農業体験をすることとなっている。さらに、それより少し前から完全米飯給食もやらせていただくことになった。このときに、子どもたちの好きなものを食べさせてあげてほしいといった意見が必ず出てくる。しかし、家庭において子どもたちが好きなものを食べすぎているという心配な状況がある。大体1か月に90食ある食事の内、学校給食は20~22食くらいしかない。残りの部分をしっかり家庭でやってもらいたいというメッセージをお届けするためにも、完全米飯給食をやらせていただき、おかげさまで、苦情のようなものはほとんどなくなった。
しかし、30代、40代の方が食の情報が極めて乏しいことが心配なので、まず、新潟の幼稚園、保育園で、親に食育情報を届けるために、家庭から野菜くずを持ってきてもらい肥料にして元気な野菜を育てる「菌ちゃん野菜作り運動」を行い、そこに若いお母さん、お父さんから参加いただけることがある。その場を活用して食育をやらせていただく。
そして、小学校の食育ではこのようなことが大事であることをお子さんに学んでいただき、それをお母さん、お父さんに教えてほしいというようなことも、田園、大地の力、農業の力をフル活用するという中の6分野の一つに子育て、そしてもう一つ教育の分野を置いているので、そういったことも若いお母さん、お父さんに食の情報を届けるという効果が出るように、最大限取り組んでいきたい。
また、別の機会で、学校の受診率を上げるにはどうすればいいかについてご意見をいただきたい。
質問5
介護による家族の負担について
発言者
本日の話の中で、不健康な期間が長いという話もあったが、全国的なニュースで、そのような方を支えるために、最悪の場合は家族が仕事を辞めて介護しなければならなくなり、行き詰まってしまって親御さんを殺してしまった、親子で心中してしまったということも全国的には出てくる。国の方針としては、こういった介護はできるだけ家族でという方向のようだが、そうなるとこのようなことはますます増えるのではないかという心配がある。新潟市としては、こういうものを防ぐためにどのようなことを考えているのかお聞きしたい。
市長
老老介護などで、新潟市でも残念ながら大変な悲劇が起きてしまったこともあった。介護は個人、家族に押しつけるものではないという本来の方向性が、介護費用削減の流れの中で、少し揺らいでいるような気がする。そのような面では、先ほど医療・介護連携担当理事が説明したように、地域で医療、介護が受けられる、それを可能にする住宅リフォームの支援などと併せて、地域で生活支援を行っていただけるところは、ぜひ、お願いをしたい。さらに、SOSを発しやすく、またそれを受け取りやすい家庭、会社、地域、家族を作っていく必要があると思っている。これは「これをやれば大丈夫だ」というワンポイントではとてもできない全体的な取組みということで、まさに地域包括支援センターになるのだろうと思う。地域包括支援センターも大変頑張ってくれているが、そこだけではとても支えきれない状況である。地域で、自分でやれることは少しでも手を出していこうといった機運を盛り上げる、そんな一助に今日の場がなっていただければ大変ありがたい。地域それぞれ、また家庭それぞれで特性があるので、まずはSOSを出しやすい新潟市にしていきたいと思っている。
質問6
学校行事への職員の出席について
発言者
小中学校の学校行事への区の職員の出席をお願いしたい。さまざまな学校行事があるが、特に入学式、卒業式に出席していただきたい。なぜ教育委員会、あるいは区役所の職員が大事な式に参列できないのか。また、中学校の体育祭や合唱コンクールにも私は出ているが、子どもたちの情熱、歌を聞くたびに私は感動して涙が出る。このような生の現場になぜ教育委員会や行政の方が参加しないのかということも不思議に感じている。
市長
旧新潟市がやらなかったことが、現在、全新潟市になっている部分も否定できない。旧新潟市のときは50万市民に1市役所で対応していたものが、今は81万市民に8つの区役所で対応できるようになっている。合併市町村で良いものはどんどん取り入れてほしいということを幹部職員にはお願いしてきている。私は今のお話を聞いて、課長以上や感動から少し遠ざかっている役職の人が、特に行くべきだと感じた。
区長
日ごろから職員に対して地域に出ろということを言っている。私も一生懸命出ようとしているが、入学式、卒業式に関しては日にちがかなり限られている中で、時間的なものも重なり、物理的に非常に難しい状況がある。
確かに旧新津市時代はさまざまな課長が手分けをして行っていた。それをやれないのかと問われるとやれないわけではないので、少し検討させていただきたい。しかし、こちらの中学校に私が行って、こちらの中学校に建設課長が行くような形になると、区役所として来ていただいた立場はどうなのだという見方をされる方もいらっしゃる。議会の期間と重なる部分もあり、調整しながら、できるだけ表に出ることを基本にやらせていただきたいと思う。
また、学校のイベントも時期的に重なっており、春のコミュニティ協議会巡りや秋の敬老会もある。やはり職員自身もそのようなものは経験していたほうがいいと思っているので、できる中で対応させていただきたい。
先ほどから健康寿命の話も出ているが、おかげさまで秋葉区においては地域の皆様や新潟薬科大学にもご協力いただいて、小合地区でのモデル的な出前講座や自治協議会と協力しながら出張高齢者の集いを行うなど、良い取組みが行われている。今日もPPK48のメンバーがいらっしゃるが、あまり行政では使わないピンピンコロリという言葉は昔から新津でよく使われていた。このPPKも含めて、健康の状態から健康でない状態に行く期間をフレイルというのだが、この過ごし方によって要支援の人が健康な状態に戻り、要介護の人が要支援の状態に戻るなど、理学療法などを含めて、こういった地域があることを皆様にまずは知ってもらう。どんどん悪くなっていく、現状維持等ではなく、健康寿命のための啓発をこれから行っていきたいと思っている。そのため、より多くの人たちからそのようなものに参加いただけるように、皆様からもご協力いただければありがたい。
市長
現在、小学校、中学校の校長先生、あるいは教頭先生などが、非常に地域に出てきてくれるようになり、地域と学校の関係が強化され、ありがたいと思っている。行政としても、特に中学生は地域の戦力である。釜石の奇跡のように、災害が起きたときに防災の面で中学生は非常に大事である。
一定のテーマを決めて職員を学校行事に行かせることになれば、こちらがアピールする機会をいただけるということでもある。そのような場合であれば、課長でなければならないということではなく、課長補佐でも係長でもいいだろうとお話を聞いて感じた。
各区長に工夫して、できる限りやってみてほしいということを伝えるが、まずは秋葉区が率先して取り組んでくれるのではないかと思う。
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