西蒲区意見交換1
最終更新日:2017年1月18日
平成28年12月11日(日曜)午前
質問1
高齢者の運転による事故への対策について
発言者
最近、高齢者の運転が原因の死傷者が出る重大な事故が発生しており、重大な事故に至らなくても、高速道路の逆走や運転操作を誤って店舗に突っ込む事故が県内でも多いと捉えている。ここで心配されるのが認知症との関係だが、バス路線が廃止されて車が欠かせないことから、免許証を返納したくてもできない状況にある。現在、市では高齢者運転免許証返納サポート事業というものがあるが、その内容は免許証を積極的に返納することにつながらないのではないかと感じている。
今後の方向性としては、通院や買い物などに小型バスを運行したり、タクシーの利用者に大幅な助成をするなど、地域によって事情はさまざまなので、公共交通がないようなところについてはこういった制度を積極的に活用しながら、免許証が返納できる仕組みづくり、環境づくりを行うことが必要ではないかと感じている。もちろん、高齢者の事故対策は国や県の対応が欠かせないが、市として何ができるかを考え、早急な対応をしていただきたい。
市長
地方では非常に重要な問題であり、新潟市でも軌道系のない南区、田園地帯が広がっている旧豊栄市の一部、西蒲区では大変大きな問題だと思っている。これは県警、国の政策、新潟市、地域の方の力を合わせないと解決できない。まず、地域の方の役割で活動していただきたいのだが、認知症を早期に発見するということがこれからは大変大きなテーマだと思っている。認知症サポーター等が認知症を見分け、認知症の方の行動パターンを理解し、地域で見守っていただくことが一つのポイントだと思っている。
次に、公共交通が弱いところをどうするのかである。あの方は認知症が疑われるのではないかと言っていても、本人が免許証を手放したら動けなくなるという事情があるので、公共交通の弱いところに、今後、デマンド交通の導入や、福祉バスやスクールバスなどを多方面で活用することも考えていく必要があると思っている。
県警も、今後はお年寄りの運動機能などのチェックを強化していくと思う。強制的に次の免許は出さないということも考えられる。そのときに、車がないと生活ができないということも大変だが、家に閉じこもってしまい、介護の重症化につながるという悪循環に陥ってしまうと問題である。これは西蒲区の中でもJRで十分動けるところもあれば、デマンドでないとどうしようもないところもあるので、区全体という大きなくくりでは対応できない。よりきめ細かく、コミュニティ協議会などと情報を共有しながら、少しでも改善する道を考えていきたい。認知症対策と免許証返納は特別重いテーマだと思っているので、今後、実態を聞かせていただきながら、少しでも使える公共交通を頑張りたい。幸い、新潟交通全体が営業バス路線を減らさない方針で、あと3年ほど動いてくれるので、その間に充実できるものは充実させるということで頑張っていきたい。
質問2
自殺といじめについて
発言者
いじめの被害を訴えていた新潟工業高校1年の男子生徒が、11月21日に電車に跳ねられ自殺した問題に関して、悩みに悩んだ揚げ句に自殺をしてしまったことは健康寿命の延伸の観点からは特異的な寿命であると考えられる。体の健康と心の健康の観点から、いじめられる側の心の病や遺族の心の病として健康寿命の延伸に取り入れてほしい。
また、東京電力福島第一原子力発電所事故で福島県から新潟市に家族と自主避難している小学4年生の男子児童が学校を休んでいる問題もある。いじめ、自殺問題に関しては非常な憤りややるせない怒りを感じる。この憤りを受ける窓口を作っていただきたい。
市長
新潟市の高校生が自殺されたということで、重く受け止めている。残念ながら市ではその高校生についての情報がほとんどない。これについてはしっかりと県で対応していただかなければならないと思っている。
一方、福島から避難されてきた小学校4年生が、担任の発言で不登校になっている問題については、市の責任ということで大変重く受け止めている。このことについては既に審議会の皆様にもご説明しているが、横浜市で、福島から避難していることに由来するいじめがあり、大変な報道が繰り返されたのに、なぜその教諭が自分のクラスのことに思いを至らせられなかったのかというのが、残念でならない。市の人権意識を伸ばす研修が足りなかったと思うしかない。
また、いじめについては、その子が「それはいやだ」と思ったらいじめだと認定する国の方針が出た。それを受け、新潟市のいじめを確認する数字が非常に大きくなっていった。一般社会ではセクハラ、パワハラを受けた人が、ハラスメントだと思ったらハラスメントになるが、学校現場では2年前までそうではなかったということで、教育界全体の大きな問題だと思っている。
また、新潟市では1カ月ほど前にいじめの研修教育をやったばかりであるが、横浜市において福島から避難されてきた子どもが大変な目に遭っていたということを連日報道しているのに、そのことに気がつかなかったというのは、一体どういうことなのか。私も本当に残念でならないし、憤りも感じている。もう一度しっかりと、指導主事、管理主事、校長、教頭、主任を徹底的に研修しなければならないということで、年内の研修を予定している。まずは、 不登校という状態から回復してもらうのが当面のポイントなので、子どもが安心して学校へ通える環境を最大限早く整えていきたいと思っている。
質問3
老人クラブについて
発言者
老人クラブに、毎年、市から助成金があるが、連合会に入っていない組織でも人数がそろえば助成がある。仲間内でやっていても市から助成があるため、老人クラブ連合会に入る方々が非常に少なくなっていると思う。市では連合会に入っている組織と、入っていない組織についてどのように考えているのかお聞きしたい。
市長
老人クラブの人数が増えないというお話を各地で伺っている。これは老人クラブというネーミングが一つの壁になっているのではないか。65歳以上を老人とすべきかどうかについて根本的な議論もあるようで、全国的に高齢者を70歳、75歳以上にする議論も必要だという声もあるようだ。全体としては75歳以上が非常に大きなポイントだと思っている。
区長
老人クラブへの市の助成についてだが、老人福祉法第13条2項によって、各市町村が補助金を出すことになっている。各地域で老人クラブに入る方と入らない方がおり、西蒲区の連合会に入るか入らないかについても、それぞれの老人クラブの考え方である。これを市として一律に入ってもらうようにすることは難しい。市としても、老人クラブ連合会にも法律に基づいた何らかの助成ができないかということで、研修会の会場については、法の趣旨に従って優遇している。
質問4
OBの地域活動への参加と公共交通について
発言者
自治会長は行政経験が少なく、事務局体制をどうするかを相当悩んでいるところがあると聞く。そのため、職員や先生のOBには地域で活動を広げていただきたい。
中央区で連節バスは素晴らしい成績を上げているようだが、一人暮らしの方は、医者へ行くにも何にしても非常に不便である。なるべく年寄りにとって便利な方向を考えていただきたい。
市長
行政のOBあるいは教員OB、現役もだが、地域での活動が一般の方に比べて少ないのではないかというご指摘を多くいただいている。市としても、これから退職する者への研修では、地域との関わりがある人とない人では多くの差が出ることや、書類書きだけでも手伝うと喜ばれるということなど、できるだけ地域人間になっていただくように伝えている。また、若手には地域の方と協働しなければ、これからの行政マンの仕事はできないのだということを研修の基礎にさせていただいている。健康寿命の延伸というのは地域ぐるみで取り組んでいただかなければ前進しないので、これから難しい課題に取り組むときは、地域の皆様と協働でというのが優秀な行政マンの仕事だということも理解させるために、このようなプロジェクトをきめ細かく実績を上げていく必要があると思っている。
公共交通の問題は一気に解決するということは難しいが、西蒲区の場合はまずJRの駅へ行けるようにするということが非常に重要だと思っている。そういう面で、亀田地区の亀田駅のように内野駅へ直接乗り入れるようにする。内野駅までの越後線とその以西では本数が違うということも問題になっているが、内野駅も含めてJR各駅にできるだけ結んでいく。お医者さんなどはデマンド交通に向いていると思うので、乗り合いで医療機関まで行き、帰るまで待っていてもらう。その時間調整でお買い物をしていただくなど、有効に使っていただければ一番ありがたい。デマンド交通は中山間地のほうが先進事例があるので、事前予約制でいかに効率よく運行するかというのがポイントだと感じている。そのようなものは社会実験をやらせていただきながら勉強をして、できるだけ持続可能なやり方を早期に生み出さなければならないと思っている。
質問5
学習機会の提供について
発言者
学習や人とのつながりが認知症に効果があると考えている。そういった意味で、退職をした人たちに学習機会を提供できるような場所を作っていただきたい。公民館事業などで社会教育事業はできるが、質的に満足いかないものが目に付くので、質的に中央に匹敵するような講座を近くで受けられるようにしていただきたい。その延長に、地域人材の活用事業があると思っている。
市長
認知症を予防していくには、認知症になりかかっている方を早期に発見して対応をすることで、認知症の進行を止めていく、緩やかにしていくということが非常に重要だと思っている。そういう面で、公民館は地域の方に楽しみを提供するということもあってもいいかもしれないが、地域課題の解決のための人材を養成するということが公民館の非常に大きな役割だと思っている。今後、講座の内容を確認し、そういった分野が薄すぎるのではないかということも確認しながら前進していきたい。これから、特にお年寄りは「きょうよう(今日用)」、「今日、用がある」ということが大事なのだということで、自分が必要とされていると思うと人間は張り合いを持って介護予防に取り組んだり、健康づくりに取り組んだりする。そのため、家族や地域からも必要とされていない方が閉じこもる可能性が高いということも言われている。特に団塊の世代が世の中の役に立つ地域人材になれるかどうかということが非常に大きなポイントなので、これは認知症対策として気を付けていきたいと思っている。
医療・介護連携担当理事
認知症に関しては地域を含めて皆様の理解が必要になるということで、認知症サポーター講座を職場、地域、学校などで開催しており、今までに累計で4万3,500人ほどの方が講座を受けているが、その後のフォローが少ないということで、新年度から改めてステップアップ研修を始めようと準備を進めている。その中で学んだ方が、地域の茶の間や家族の会の集いなどに出ていってボランティア活動をしていただければありがたい。
市医師会では、医療と介護のおきがる座談会というものを去年から始めている。去年の例では37回、1,200人ほどの方が座談会に出ていらっしゃる。地域の団体グループが申込みをすると、その内容に応じて専門のお医者さんや医療の関係者がお話しをしてくれるので、質的には満足いただけるような内容になると思う。新潟市の在宅医療・介護連携センターに申込みをしていただくか、もしくは地域の地域包括支援センターに依頼をして、だいたい10人以上の方のグループであれば、おおむね45分くらいの講座を無料で開いていただける。もう少し詳しいことをお聞きしたいということでリクエストをいただければ、その辺は改善できると思うので、そちらも活用いただきたい。
新潟市は認知症の安心ガイドブックというものを作っている。まだ皆様に周知されていない部分もあると思うが、新潟市のスペシャルマターの問題だと思っている。将来的には高齢者の5人に1人が認知症を発症するのではないかということも言われている中で、その辺をもう少し強化していかなければならないと思っている。
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