北区意見交換1

最終更新日:2017年1月4日

平成28年11月20日(日曜)午前

(1)

住民の意識改革について

(2)

資料の作成と職員の確保について

(3)

認知症の対応について
(4) 長期介護者への心のケアについて

(5)

コミュニティセンターへの移動手段の確保について
(6) 認知症サポーター研修会について
(7) 大相撲の小柳の応援組織について
(8) 特定健診の受診券をどこの医療機関でも使えるようにしてほしい

質問1

住民の意識改革について

発言者

 今後、地域包括ケアを進めていくうえで、介護予防への取組みや高齢者の社会参加、社会での役割を持つことが重要になってくると思うが、住民の意識改革の啓発について、何か市として考えていることはあるのか。

市長

 現在、地域で看取りまでやっていただける医療・介護・看護チームが8区すべてで立ち上がり大変ありがたい状況だが、区の中を見るとまだまだ濃淡があり、空白エリアと言わざるを得ないところもある。この医療・介護・看護チームをさらに充実させていく支援を進めていくことを本筋と捉えている。これからは要支援の部分を基礎自治体が担当するようにと国が方向を変えたので、しっかりとした要支援のサービスができるのはNPO団体、民間企業、ボランティアグループといった専門的な知識のある方なので、市ではこれらの方たちにどんどん手を挙げていただくように努めていく。
 一方で、お年寄りの見守りや買い物支援など、生活支援の部分については、コミュニティ協議会、あるいは自治会、自治連合会、NPOなど、できるだけ地域からも手を貸していただきたい。介護予防の運動もできれば地域で取り組んでいただけると大変効果があるのではないかと考えている。これから中学校区単位で健康度の見える化をして、心配なところを補うように伸ばしていただき地域ごとの健康度の競い合いを行っていただきたい。新潟市には前から非常に一生懸命取り組んでいる地域があるが、それが健康度の競い合いの中でよりしっかりと見えてくると思う。そのようなものを今後はモデル化していきたい。
 本来であれば国が介護予防や健康づくりをしっかりと取り組み、そこに支援をしていくということが一番本筋だと思うのだが、国の議論は介護費用を削減していきたいということが強く出ている。介護費用を削減するためには、介護予防や健康づくりを行う必要があると言って国と議論をしているが、国の積極性が感じられない。そのため、過渡期は基礎自治体が少し頑張る必要があると思っている。モデル地域の指定なども一つの例である。
 もう一つは、お年寄り同士の支え合いも非常に大切で、これが実家の茶の間などではすでに実践をしていただいている。紫竹にある実家の茶の間は80歳代の男性トリオがさまざまな大工仕事、外仕事などを手伝って、茶の間の運営を助けてくれている。そうすると、80代トリオが頑張っているのなら、自分たちも頑張らなければいけないということで、社会参画の芽が伸びてきているということもある。人間は地域や家族に必要とされているという気持ちが、頑張って健康で長生きしていこうという気持ちにつながっていくということを専門家がおっしゃっており、その辺りも含めてできるだけ地域でお互いが支え合うという取組みの場を広げていきたい。
 今後、地域で行っている良い実践例をどんどんコミュニティ協議会などにお届けして、自分たちの地域ではこのようなことができるのではないかということを考えていただき、実践していただくというようなサイクルを回していきたい。要支援が基礎自治体の仕事になるときから、本格的にそのサイクルを回したいと思い、準備を進めている。

質問2

資料の作成と職員の確保について

発言者

 自治協議会の福祉安心部会でも各種受診率の向上を一つのテーマとして検討しており、健康に関心のない人にどのように関心を持ってもらうかということが重要だと思っている。私は国民健康保険運営協議会にも所属しているのだが、そこで配付された資料では心疾患、脳梗塞、高血圧、糖尿病の医療費がどこの区で高いかということが、区ごとで色分けされており、とても分かりやすかった。それを中学校単位で示してもらえれば、コミュニティ協議会の活動として生活課題型のものに取り組むきっかけになるのではないかと思っている。医療費のほかに、健診結果や健康行動というものを併せて資料として作っていただければありがたい。
 その資料の有効活用に関連してだが、新潟市が合併してから職員の数が減っているので、今後は福祉、健康づくり分野の職員、具体的にいうと保健師などを増員することも考えてほしい。例えば、さわやかトーク宅配便では、申込みがあると職員が出掛けていくのだが、市の姿勢としては押しかけるくらいの気概を持って出ていただきたい。そのためには、ある程度の職員の増員ということが必要ではないか。現在、保健師がさまざまな報告書などに時間を取られて現場に出て行く時間が少なくなっているように感じている。資料の視覚化、見える化と共に、外へ出ていく職員をどのように確保するかといった検討をお願いしたい。

市長

 まずは国保の運営委員協議会で専門的に取り組んでいる方々に先行して資料を見てもらっており、その一つが生活習慣病にかける医療費がどのくらい区でばらつきがあるかというデータである。予測以上に大きなばらつきがあったということで、少し驚くくらいだった。一番少ないのは江南区で、多いのは西蒲区と南区であった。その差は倍以上ということで、かなりの差である。このようなものも順次、コミュニティ協議会の皆様、地域の皆様にも見ていただく。そして、一番身近に捉えていただけるのは中学校区単位ということで、データを整理しているという段階である。やはり見える化というのは非常に大事だと思うので、そのデータを地域の皆様に有効活用していただくということを心掛けていきたい。
 健康寿命を延ばしていこうというときに、保健師の存在というのは非常に重要である。保健師が心配な家庭に出掛けていくということも、できるだけ頑張ってもらいたいが、それだけでは大変である。実家の茶の間などに毎月特定の曜日に保健師がいるということができれば、健康相談もできるし、チェックシートのようなもので集まった人に生活習慣はどうかということを積極的に考えていただくきっかけになるのではないかと考えている。また、さまざまな講座を行っているが、情報の届き方がまだまだ少ないということで、これを地域にしっかり届けていくということも重要だと思っている。
 保健師を大幅に増員することは難しいので、保健師でなければできない健康指導に保健師ができるだけ集中できるように、書類書きなど、事務系でできるものは事務系でやってもらうということを心掛けたい。
 昨年、尼崎市のカリスマ保健師に来ていただいて、保健師にも講習を受けていただいた。やはり保健師も進化していかなければならない。

保健衛生部長

 尼崎市ではカリスマ保健師と言われている方がチェックシートを用いて一人ひとりの健康状態をチェックする中で、地域ごとの状況をあぶり出していった。この地域にお住まいの方は知らない間に油っこいものをたくさん取っているなど、そのように自分が慣れ親しんでいるものをあぶり出すことによって初めて認識して、生活改善につなげることができたということで、現在、本市の保健師にも新潟仕様のチェックシートでチェックができるようにするための実地訓練を行っている。
 今後、中学校区単位でのデータ解析を行うとともに、地域の特性をあぶり出しながら、皆様から情報を共有していただくような取組みも進めていきたいと考えている。

市長

 そのカリスマ保健師の言うことによると、あまりにも今の保健指導が「ましょう」の指導になっているようだ。「ましょう」の指導というのは、塩分をできるだけ控えましょう、こういうふうにしましょうという指導である。これでは人の気持ちというのは動かない。それよりもチェックシートを用いて、あなたはすごろくみたいなものに例えるとこの辺りいて、このまま今の生活習慣を続けると、3年後、5年後に、すごろくの上がりになってしまう危険性が何パーセントくらいあるというような、本当に何とかしなければならないという気持ちを起こさせるほうが有効である。
 尼崎市では、そのカリスマ保健師を含めて、健康講座でチェックシートなどに参加いただいて、その人が来年も受けるかどうかということが保健師の点数になるようだ。良い指導だった、これは大事だと思えば、また来年も受けてもらえるので、カリスマ保健師も常にランキングの中にさらされている。これも保健師が頑張ろうという気持ちになる指標の一つではないかと考えている。
 フィンランドではネウボラという健康相談が非常に充実しているが、地域の茶の間のようなところに、この日は保健師がいる、それなら茶の間に行ってみようと思っていただけるような新潟市版のネウボラを考えていきたい。
 そして、一方では健康教室も行ってもらい、保健師の力量を伸ばしながら実践的な保健指導を行っていきたいと思っている。これも一朝一夕ではできないが、現在、着実に能力アップに向けて頑張っており、今後、ますます力を入れていく必要があると思っている。

質問3

認知症の対応について

発言者

 私は北区で内科医院を開業しており、在宅医療ネットワークの代表もしている。急患センターでは、急送される一人暮らしの認知症の人が非常に増えており、その後、どのようにつなげればいいかの混乱が生じている。認知症の対応というのは非常に急速に考えなければいけない大きな問題になっている。
 そこで、もの忘れ検診というものを北区の自治会で提案させていただいた。これは、盛岡市の検診をモデルにし、現在少しずつ進めている。先日、盛岡市の医師会の先生から講演をしていただいたのだが、その中で、盛岡市長が非常に積極的に、認知症の問題を解決するためのプロジェクトを立ち上げたということを聞き、非常に励まされた。そこで、市のほうとしてもの忘れ検診、あるいは認知症に対する対応をどのように考えているのかお聞きしたい。

市長

 本市でも認知症対策は特別な位置付けで取り組んでいく必要があるとは思っているが、まだ具体的な方向や計画にはなっていない。昨日は秋葉区で地域ミーティングを行ったが、そこでも自分のコミュニティ協議会で認知症の講習会を開催したということを言っていただき、大変ありがたく思っている。今後は認知症の講習とその対応、急患センターの場合はマニュアル化も含めて、早急に作っていく必要があると考えている。まずは多くの方に認知症というものを知っていただいて、市民の中にも認知症を支えるサポーターのような方を講習で育成させていただいているので、そのような輪を広げていく。
 やはりコミュニティ協議会などの中に認知症の方への対応を分かっている人がいると非常に地域にとっては助かる、頼りになるので、そのような核になる人を育てながらマニュアル化を図っていくという段階である。
 盛岡市のお話もお聞きしたので、盛岡市がどのようなことを行っているかも勉強させていただき、しっかりと考えていく。認知症は本当に大変だということで、全庁にその意識を持ってもらい、そして具体的には地域の皆様と行政と医療機関などがどのように連携していくのか、その組織化を図っていきたいと思うので、またご意見をお聞かせいただきたい。

質問4

長期介護者への心のケアについて

発言者

 家庭の中でお年寄りを介護する、見守りするということはとても素敵なことだと思うが、それが長引いた場合、介護をする側、家族の側の心のケアというものが必要になってくると思う。最近、介護うつというものをよく聞き、悲惨な事件が起きることもある。長期介護者への心のケアということにどのような取組みをされるのかお聞きしたい。

市長

 まず、家庭で看取りまでの介護を行うという、かなり重度な方に先ほどの医療・介護・看護ネットワークに入っていただくというのが大変重要だと思っている。ござれやネットは松浜をカバーいただいているので、そのようなネットの存在を知っていただく。そのためには、コミュニティ協議会などに今の状態をお伝えしていく。孤立をしてしまうと、新潟市内でも残念な悲劇があったということなので、まずは大変なのだというSOSを発していただき、それを受けとめる地域医療につなげて、そして、SOSを発した後はここへ行って相談すれば、随分選択肢が見えるということを明確に伝えていく。そのつながりのネットワークをより強化していく必要があると思っている。
 そのような面で、健康寿命を延ばすということも大事だが、すでに介護状態に入っているという方にとってはさらに切実なことなので、その部分についても常に裏表の関係ということで努力をさせていただきたい。
 せっかくの機会なので、現在の北区の医療・介護・看護ネットワークの状況などを説明する。

区長

 北区の在宅医療の状況だが、ござれやネットという北区全体の支え合いネットワークがあり、3人ほどの先生が精力的に活動されている。また、元気塾ということで、同じような問題意識を持っていただく先生方を増やしていただいているということで、医療の関係、そして介護の関係のしっかりした仕組みづくりに取り組んでいただいている。豊栄病院もバックアップシステムとして、24時間の体制も組めるようになっており、そういった全体の仕組みになっている。
 心のケアというところについても、以前、文化会館で老人漂流社会についての市全体の公開講座を行った。あのような本当に大変なところは、地域全体で受け止めていかなければならないとも思っている。
 そのような意味でも、家族だけで抱え込まずに、地域としてこのような課題があるというところをしっかり共有、周知していくということも必要だと思うので、システムの構築とともに、地域でしっかり共有していくというところも進めていきたい。

市長

 心のケアの部分で、四、五年前、看取りまで行っていただくチームがほとんど知られていなかったときに、全市を対象に先進的に取り組んでいただいていたお医者さん、それから実際にお医者さんの支援を受けて看取りまで実際に行っていただいた家族の方が講師となったシンポジウム、セミナーを行ってきた。現在は医療・介護・看護チームが立ち上がってきたので、エリアをもう少し狭めて、北区の場合はこのような講習会を行い、そのときに心のケアということが非常に大事なので、体験された方から、そのときの状況などをお話しいただくということも非常に重要だと思っている。これからは地域対応でやらせていただき、そこから見えてきた課題をまた全市的にまとめて、よりきめ細かなネットワークづくり、役割分担を考えていく段階に入りつつあると思っている。これから地域でネットワークの存在を知っていただくという辺りから、さらに情報を出していきたい。

質問5

コミュニティセンターへの移動手段の確保について

発言者

 最近、高齢者の交通事故の増加ということが気になる。お年寄りになるべく運転をさせないで、コミュニティセンターなどに集まっていただくということが必要ではないか。豊栄地区の各コミュニティ協議会にはマイクロバスが1台ずつあるが、普通免許でも運転ができるような10人乗りくらいの車を用意し、それをボランティアが運転をして、何かがあったときにすぐに迎えに行けるという体制を取ることができれば、さらにお年寄りの方にいろいろな講座、健康教室等に集まっていただけるのではないかと思う。そのために、小さい車を市のほうで用意していただくか、ボランティアの方が自分の車を利用できるようにできないか

市長

 小型バスをボランティアが運転するということは、事故が起きた場合にボランティア保険だけで賄えるかというようなリスクがある。また、北区でも運輸局から、営業をしている人に差し支えるという指導もいただいている。この辺りをもう少し勉強しながら、これから公共施設を複合化していくという中で、そこに区バス、住民バス、営業バスを接続させていくということが基本にならざるを得ない。ほかの区でも、運輸局に指導を受けたものもあるので、先行した事例でよくなかった部分をどうすればクリアできるのかもさらに勉強し、また運輸局にも地域の実態について意見交換させていただく。同じ北区でも長浦・岡方地区は本当に大変なところもあり、もう少し工夫をすれば何とかなるというエリアもあると思うので、ここで健康教室を開催するときに参加できるのかという辺りもチェックしながら、一つ一つ点検して前進していきたい。

質問6

認知症サポーター研修会について

発言者

 私の所属している自治会は95世帯ほどだが、先月下旬の日曜日に初めて認知症サポーター研修会を開催した。二十数名の男女が参加してくれ、終わってから大変好評だった。この地区では、うちの自治会が最初だったようなので、今後は私たちも関心を持って取り組み、さらに広げていくことが必要だと感じた。

市長

 超高齢社会が進行してくると、切実度が高いものを皆様に知っていただくということも行政が出す情報の中で重要だと思う。認知症に対してサポーター講習を受けられた方が、地域にいるといないでは全然違う。今後集まるのなら、一つの時間帯に健康づくり、健康教室みたいなものも入れてもらうなど、健康寿命の延伸、あるいは認知症への対応、そして小さな生活支援、お互いの助け合いというもので、やってよかった、聞いて勉強してよかったというものを、どんどん行っていただけると大変ありがたい。全部がそれだと楽しみがなくなるかもしれないので、集まりの中の一コマに取り込むなど、各地の先進事例なども学びながら、皆様方に情報提供をして、このくらいならできる、これは役に立つからやってみようという気持ちになっていただけるように、さらに努めていく必要がある。そのような面では、地域の取組みを区の担当が聞かせていただき、どのようにすればさらに受けていただけるようになるか、さらに勉強になるかといったことも意見交換して改善しながら、新潟市が良い情報を出したと言っていただけるようにしたい。

質問7

大相撲の小柳の応援組織について

発言者

 現在、大相撲で北区出身の小柳が大活躍している。これが新潟市、新潟県にとってもPR、励みになる。これから小柳がさらに活躍していくためには、地元の応援が必要になってくると思う。市長のお力添えがあれば素晴らしい応援組織ができていくと思うので、ご意見をいただきたい。

市長

 久々に新潟県からすごい力士が出そうだということで期待が高まっており、記者会見などでも、新潟市としてどのように応援するのかという話も出る。これまでもポスターを貼るなどをさせていただいているが、親方に彼は大きく育つと思っていただいているので、あまりスポイルするようなことをするなという部屋の意向もあるようだ。そのような面では、あくまでも部屋の意向を踏まえながら、大学、高校、そして何といっても地域の皆様から総力を結集してもらうような後援体制を幕内に上がる辺りでしっかりと作り、親方にも頑張ってくれと言っていただけるように、本市は事務局的な役割を務めながら、みんなが参加できる後援組織だと言ってもらえるような良い組織にしていきたい。小柳は新潟の期待の星だと思っている。

質問8

特定健診の受診券をどこの医療機関でも使えるようにしてほしい

発言者

 国民健康保険に入っているときに、旧豊栄市では人間ドックを一人2万円くらいで受けることができたが、新潟市に合併してから、助成がなくなり、一人4万円くらいになった。これを毎年受けるのは負担である。
特定健診で受診券が送られてくるが、医療機関によってはこれが人間ドックと併用して使えない。昨年は豊栄病院でドックを受けたのだが、受診券が使えなかった。医療機関によっては使えるところがあると聞いたのだが、どこの医療機関でも使えるようにしていただきたい。

保健衛生部長

 私の勉強不足で、人間ドックと併用して特定健診の受診券が豊栄病院で使えないということを把握していなかったので、後程調べさせていただきたい。そして、健診後の血液検査や尿検査の項目についても、歴史の中でできてきた部分もあるので、その辺りもどういうことができるのか、少し関係者の皆様と相談をさせていただきたい。

市長

 医療データの見える化を行う目的の一つに、新潟市民がどのような健診をどういう形で受ければいいか、一番早期発見につながるのかということをチェックするという意味合いもある。これはきめ細かく行うほど良いと思うが、そうなるとお金が高くなり、逆に健診を受けにくいという部分もあるので、今のお話のポイントをチェックさせていただき、あとでお返事を差し上げる。また、改善をしていく点もチェックをしていきたい。

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