(3-1-5)下水道受益者分担金に係る受益者の取扱い及び高齢者への説明

最終更新日:2021年9月2日

(3-1-5)下水道受益者分担金に係る受益者の取扱い及び高齢者への説明

令和3年5月6日 苦情申立受理

申立ての趣旨

 下水道事業受益者分担金について、受益者の取扱いや高齢者への説明・対応が適切でなかったことから、本来の受益者に賦課されず、前納報奨金も受けられない状態である。

申立ての理由

 新潟都市計画下水道事業受益者負担に関する条例第2条は、この条例において「受益者」とは、次条の規定により告示された区域内に存する土地の所有者をいう。ただし、地上権、永小作権、質権又は使用貸借若しくは賃貸借による権利の目的となっている土地については、当該土地の所有者と当該土地について地上権等を有する者が協議して、当該土地について地上権等を有する者のうちから当該土地の所有者に代わり負担金を納めるものを定めています。
 令和元年に、市の担当である職員Aから受益者負担金のお願いの連絡の際、協議にて地上権等を有する子である私が受益者である旨の連絡をしていたにもかかわらず、翌年6月の説明会開催案内、7月の受益者申告書が当該土地所有者である父へ郵送された。そして受益者変更の手続きを市担当者が失念していたため、私は前納の意思があるにもかかわらず、前納できず、前納報奨金の交付が受けられない状態であります。
 70過ぎの高齢者である父への説明は慎重に行うべきであるとともに、実態上の受益者である私への説明責任について、市長より連絡を頂きたいと思います。条例には、受益者保護の記載がなく今後のトラブルも懸念されます。

所管部署

 下水道部C地域下水道事務所(以下「所管課」という。)

調査の結果

 令和3年8月23日 決定

 所管課の対応に非があるとは認められない。

調査結果の理由

 前提として、申立人が申立ての理由として記載している内容について、申立人が誤解している点があると思われる。具体的には次のとおりであり、それぞれ記載のように読み替えるものとする。
(1) 申立ての理由中に『新潟都市計画下水道事業受益者負担に関する条例』とあるが、本件で問題となるのは『受益者分担金』であることから、『新潟市公共下水道事業受益者分担金条例』と読み替える。
(2) 申立ての理由中に『受益者負担金』とあるが、本件で問題となるのは『受益者分担金』であることから、『受益者分担金』と読み替える。
(3) 申立ての理由中に『「受益者」とは・・(中略)・・所有者をいう。ただし、(地上権等の目的となっている土地については)地上権等を有する者のうちから当該土地の所有者に代わり負担金を納めるものを定めています』との記載があるが、新潟市公共下水道事業受益者分担金条例の条項によれば『「受益者」とは・・(中略)・・所有者をいう。ただし、(地上権等の目的となっている土地については)地上権等を有する者のうちから当該土地の所有者に代わり分担金を納めるものを定め、市長に届け出た場合はその者をいう、と定めています』と読み替える。

 上記の読み替えを前提として、当審査会では、申立人及び所管課からそれぞれ資料を提出してもらい、聞き取りを行った。
 その結果、次の事実が認められた。
1 前提となる下水道事業及び規定の内容等
(1) 下水道事業が実施された場合には受益者に負担金等が賦課されることになるが、申立人の自宅所在地について、次の日程で下水道事業に係る受益者分担金が賦課された。
 平成30年3月23日 下水道事業計画の変更協議
 令和2年4月1日 賦課予定区域の告示
 令和2年6月24日 処理開始前説明会の開催を予定していたが、コロナ禍のため、説明資料の発送に変更する。
 令和2年7月15日 下水道事業受益者申告書の発送
 令和2年10月1日  供用及び処理開始の公示
 令和2年11月13日 下水道事業受益者分担金決定通知書及び納付通知書の発送
 令和2年11月30日 第1期納期限(前納報奨金の期限)
(2) 受益者について、新潟市公共下水事業受益者分担金条例(以下「本件条例」という)第2条では「告示された区域内に存する土地の所有者をいう。ただし、地上権、永小作権、質権又は使用貸借若しくは賃貸借による権利の目的となっている土地については、当該土地の所有者と当該土地について地上権等を有する者が協議して、当該土地について地上権等を有する者のうちから当該土地の所有者に代わり分担金を納めるものを定め、市長に届け出た場合は、その者をいう。」と規定している。
 したがって、地上権等を有する者については、所有者に代わり分担金を納めるものとして、市長に届け出た場合に「受益者」とされることになる。
(3) 受益者の申告について、本件条例施行規則第3条では「告示の日現在において賦課予定区域内に土地を所有する者は、市長が別に定める日までに、下水道事業受益者申告書を市長に提出しなければならない。この場合において、当該土地について受益者を条例第2条第1項ただし書の規定による分担金を納めるものとして定めた地上権等を有する者に変更しようとするときは、当該申告書は、第13条第1項に規定する下水道事業受益者変更届出書を兼ねるものとし、当該土地所有者と当該土地について分担金を納める者が連署して提出しなければならない。」と規定している。
 したがって、受益者を地上権等を有する者に変更するときは、土地の所有者と分担金を納める者が連署して申告書を提出する必要がある。
2 本件に関する経緯等
(1) 令和元年11月某日
 令和2年度受益者分担金の賦課作業のため、所管課担当者が賦課予定地調査を電話で行っていたところ、土地所有者である申立人の父親と受益者分担金の納付の話となり、「分担金は子ども達(申立人ほか)に任せたい」との話があった。しかし、賦課告示前であり当該時点では変更手続をすることができないことから、「来年の7月中旬に発送する受益者申告書にその旨を記載してほしい」と説明した。
(2) 令和元年12月4日
 所管課担当者は、申立人の父親とその子ども達(申立人ほか)の計3名に、受益者分担金の受益者変更の方法を含む今後の流れを説明した文書を送付した。
 同文書には、分担金は土地所有者に掛かること(したがって、所有者の子らである申立人ほかではなく、申立人の父親に案内をすることになる)、令和2年7月中旬に「受益者申告書」を送付すること、の趣旨が記載されている。更に赤字で「申告書の返送の際に、負担される方を使用者に変更をしていただくことも可能です」と記載されている。
 なお、所管課は、通常、このような文書を送付しないが、本件では、申立人の父親が電話での説明を正確に理解したか不安であったことから、特別に作成し送付したとのことであるが、申立人は同文書を受け取ったものの内容は読んでいないとのことである。
(3) 令和元年12月某日
 申立人から所管課に問合せの電話がなされる。電話の内容について記録が残されていないため正確な内容は不詳であるが、「何故、今の時期に受益者分担金が賦課されるのか」との問合せと、それに対する説明であったと思われる。
(4) 令和2年6月24日
 コロナ禍を考慮して説明会を開催せずに、土地所有者へ受益者負担金・分担金の説明資料を発送する方法に変更して発送した。
(5) 令和2年7月15日
 土地所有者である申立人の父親に対して、下水道事業受益者申告書、受益者負担金・分担金について、受益者申告書の書き方を発送した(提出期限は令和2年8月14日)が、その後、提出期限までに申立人の父親及び申立人が連署した受益者変更の届出はなされなかった。
(6) 令和2年11月13日
 土地所有者である申立人の父親に対して、下水道事業受益者負担金・分担金決定通知書及び納付通知書を発送する。
(7) 令和3年1月25日
 土地所有者である申立人の父親から、電話で受益者変更の申し出がなされたため、受益者変更届出書を発送したところ、その後、申立人の父親及び申立人ほかが連署した受益者変更届出書が提出され、受益者を申立人ほかに変更する決定がされる。
 但し、既に分担金の第1期納期(令和2年11月30日)の経過後であったため、申立人ほかは、前納報奨金の対象となることはできなかった。

 以上によれば、所管課は、申立人の父親に対して必要な説明を行うとともに、通常では送付することのない説明文書も送付しており、所管課としては十分な対応を行っていたことが認められる。
よって、調査結果のとおり判断する。

このページの作成担当

市民生活部 広聴相談課

〒951-8550 新潟市中央区学校町通1番町602番地1(市役所本館1階)
電話:025-226-2094 FAX:025-223-8775

このページの作成担当にメールを送る

本文ここまで

サブナビゲーションここから

令和3年度調査実績

注目情報

    サブナビゲーションここまで