(3-1-7)集落内にある私道部分を市道認定してもらいたい
最終更新日:2021年10月11日
(3-1-7)集落内にある私道部分について市道認定してもらいたい
令和3年6月28日 苦情申立受理
申立ての趣旨
集落内にある私道部分について市道認定してもらいたい。
申立ての理由
永年(50年以上)に渡り、畑を2つに分けている私道は集落の人たちの生活のために利用されてきました。しかし現状は市道には認定されておらず、「砂利道」法定外道路の扱いになっています。よって固定資産税は土地名義人である「Bさん」より徴収されています。C市が新潟市に統合される前に、元々ある市道(赤道)を「6尺から9尺に拡張する」道路整備計画がありましたが、一部の人たちの同意が得られず、該当の私道のみがそのままになり今日に至っています。
その後、行政にはBさん親子が数年に渡り市役所に陳情に伺ったが、話は聞くけれども取り上げて貰えずにいたのが当時の状況で、真摯に向き合って対応した職員は少なかったです。
2020年4月9日の「現状道路の(地目変更)申請の件」の時は、A区建設課に要望書を提出したが、同建設課より「自治会に相談した結果を報告してください」との要請でしたが、前出の反対者のところに市道認定の協力をお願いに伺ったが、同意を得ることができませんでした。それで、弁護士に対応をお願いして漸く2021年1月29日に赤道の払い下げ手続きが完了しました。
現状は行政に前出の砂利道を市道認定してもらうことを要望中でありますが、無番地の土地の扱いに苦慮しています。無番地の土地には建物が建っており「Eさん」が使用している状況です。新潟市に統合される時にはこの家族が住居として使用していましたが、その時には行政の指導があり、その後は車庫として使用しているのが現状です。
このことから行政は当時から無番地(の土地)の存在を把握していたが、法的処置を怠り、放置されていたのが現状です。「この問題については自治会で対応してほしい」との行政からの要望事項なのが懸念されます。
ここから自治会の対応と経過を説明します。
令和3年2月17日(水曜) 初めて今回の道路問題についてA区建設課に自治会長と副会長とで相談に行った。相談の内容は、私有地の中を通っている集落の生活道路である私道を市道に認定をしてほしい旨の内容で、その時私道の両端は市道に接続していることとBさんが今道路として使用している土地を無償提供することを話した。A区建設課担当者(F、G)からそれに対しての説明を受けた。説明内容は新潟市には道路認定規準があり、道路幅が4m以上ないと認定できない旨の説明を受け、このままの状態では市道として認定してもらうには問題が多くあり、自治会としては対応できないので、市の協力をお願いしないと解決できない問題と認識した。
令和3年3月9日(火曜) 前回説明を受けた道路幅については、Bさんにお願いをして4mまで無償提供してもらうことを承諾してもらい、周りの人たちからアドバイスをもらい文書にして「市道認定要望書」として会長がA区建設課担当者(G)に説明して受け取ってもらい、(内容は添付資料の「D集落内私道の市道認定について」を参照ください)市道として認定してもらえるよう市の協力をお願いした。しかしその時の担当者からの説明で「Eさん」の無登録地使用の問題があることを初めて説明を受けた。自治会側は、Bさんの私道の両端は市道に接続していることと道幅4mを確保したということで認定してほしいとの考え方をしていましたが、行政側はそこに接続している市道の道幅までを含めて考えていることが分かりました。このようなことで前回と同じ回答を受けて市の積極的な協力はもらえなかった。
令和3年4月20日(火曜) Eさんの問題について、自治会で協議を重ねた結果を持って、自治会長がA区建設課担当者(F、G)に会いに行って、「Eさん利用の無登録地については、自治会の方からは話ができる立場でなく、市の方から話をして、解決してほしい」と要望をしましたが、「市としてもこの問題は法務局の管理管轄なので話はできない」との説明を受けた。そう言われても、こちらとしては市の積極的な対応と協力をお願いするしかありません。
以上のことから、自治会は法的根拠の裁量権を有しないので、自治会で対応はできません。
よって、行政での対応をお願い申し上げます。
所管部署
A区建設課(以下「所管課」という。)
調査の結果
令和3年10月4日 決定
所管課の対応に非があるとは認められない。
調査結果の理由
当審査会では、申立人及び所管課から、それぞれ資料を提出してもらうとともに聞き取りを行った。
調査の結果、以下のような事項が認められた。
(1) 新潟市土木総務課では、内部基準として市道認定基準を制定し、「道路を市道として認定するためには同基準に該当することが条件である」との取扱いを行っている。また、条件に合致していない場合は、地元負担で道路整備工事を行ってから市道認定の手続きに入ることが可能となる。当然ながら、所管課も同取扱いに従っている。
(2) 市道認定基準に規定されている条件を例示すると次のとおりである。
1) 道路を構成する敷地幅員が6.0m以上であること。特例として生活道路にあっては4.0m以上のもの。
2) 市の除雪道路とする場合は、市道幅員5.0m以上が必要。
3) 起終点とも公道に接続していること。
4) 道路の側溝が整備されており、流末処理されていること。
5) 路線状態が良好であり、現状で一般通過交通に支障が認められないもの。
6) 道路管理上支障物件がなく、又は支障物件を排除できるもの。
(3) 加えて、所管課の取扱いとして、市道認定のためには、道路用地について、認定要望路線(起終点が公道に接続する路線)の関係者全員の同意が必要とされている。その際、私有地である道路用地は、市に対する無償寄付が条件となる。また、無償寄付の前提となる用地測量費(分筆登記費用を含む)は、地元負担となる。
(4) なお、幹線道路の渋滞解消に資する、公共施設に繋がる道路である等の事情があれば、道路整備事業とすることについて検討の対象となり、市の道路整備事業として採用されると、道路整備工事費(測量費含む)は市が費用負担することになる。
(5) これに対し、申立人が市道認定を希望している私道(以下「認定要望路線」という)は生活道路であるが、道路の幅員は概ね3.0m程度であり、舗装されておらず、側溝もない。また、認定要望路線の隣接地所有者等、関係者全員の同意が得られるかも不明の状況にある。
(6) 加えて、認定要望路線は起終点とも公道に接続しているものの、当該接続道路(公道)は道路幅員2.7m~3.64mの狭小市道であり、これと接続しても幹線道路の渋滞解消に資することはなく、また、認定要望路線及び接続道路(公道)は公共施設には繋がっていない。
以上によれば、認定要望路線が市道認定基準等を満たしていないことは明白であり、また、市の財源には一定の限度があることに鑑みれば、市道認定基準が不合理ということもない。
加えて、認定要望路線は市の道路整備事業として採用されるための条件も満たしていない。
よって、調査結果のとおり判断する。
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