ネムノキ
最終更新日:2016年6月30日
樹木の季節現象「その12 眠る木、その名はネムノキ」
7月の里山は、こい緑におおわれています。里山の周辺では、うすい紅色の花模様の日傘を広げたような姿のネムノキが目立っています。
枝の先々に、化粧用の刷毛を逆さにしたような花が、たくさん群れてさいています。
実は、紅色の刷毛のように見えたのはたくさんの雄しべの束なのです。
その束の中心に一本の雌しべが、かくれるように立っています。花びらと萼は、雄しべの付け根に小さくなって、大切な糸束を支えています。
この木は、葉もまた変わっています。日中は鳥の羽根のような小さな葉をたくさん広げますが、夕暮れには閉じてしまいます。ネムノキの名前は、このような葉の動きがまるで眠っているようなので、「眠る木」と見立ててつけられました。ネムノキは、里山一番の変わり者なのかもしれませんね。
ネムノキは、漢字では「合歓木」と書きます。合歓の花がさき散ると、間もなく梅雨が明け、本格的な太陽の季節がやってきます。そしてネムノキは、豆のさやをぶら下げて、自分は豆の仲間であることを発信するのです。
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