選考委員長・市長コメント
選考委員長コメント
野田 一夫
第2回「安吾賞」の選考を終えて
「安吾賞」は文学賞でもなければ地域貢献賞でもなく、極めて坂口安吾的な生き方をした人を顕彰する"生きざま賞"として創設された。ところで実は、「安吾的生き方とは…」という根本問題について委員の間の意見が必ずしも一致しなかったにも関わらず、野田秀樹氏の受賞に至る昨年の選考過程は意外に順調だった。
今年の野口健氏の場合も幸い全く同じだったから、こうして回を重ねていければ、多彩な受賞者の生きざまに共通したものとして、広義の「坂口安吾的生き方」が万人によって納得されるようになるに違いない。
新潟市長コメント
篠田 昭
第2回安吾賞は、アルピニストの野口健さんに決定しました。
野口さんは1999年、25歳で七大陸最高峰世界最年少登頂記録を樹立。その後は、エベレストや富士山での清掃登山、主に小中学生を主な対象とした「環境学校」の開校など、積極的に環境問題に取り組んでおられます。
自らの信念を貫き通し、新たな挑戦を続ける野口さんの姿、生き方はまさに安吾的であり、日本人に勇気や元気、喝を与えてくれたという点で、安吾賞にふさわしい人といえます。
また、新潟市特別賞は、ドイツ人の建築デザイナー、カール・ベンクスさんに贈らせていただきます。
ドイツから遠く新潟の地に居を構え、古民家の再生を通して、日本文化の魅力や伝統的な職人技術の素晴らしさなど、私たちにメッセージを発信してこられたベンクスさんの活動に敬意を表して、この賞をお贈りすることにしました。
新潟市はこれからも、反骨と飽くなき挑戦者魂の安吾精神を発揮する現代の安吾に光を当て、安吾賞を全国に発信してまいります。