会見インタビュー(2008年10月6日 ANAインターコンチネンタルホテル東京)
第3回安吾賞受賞者の瀬戸内寂聴さんを囲み、出版・報道各社、関係者など約300人を招いて受賞者発表会を開催した。
当日は、第2回安吾賞受賞者の野口健さん、同じく新潟市特別賞のカール・ベンクスさん、第1回新潟市特別賞の横田滋・早紀江さんご夫妻もお祝いに駆けつけた。
また、瀬戸内さんと親しい間柄であるという、第1 回安吾賞受賞者・野田秀樹さんからお祝
いのメッセージが届けられた。
瀬戸内寂聴さんは「安吾さんの飾らない文章、むだのない文章に非常に力強いものを感じて、ひきつけられました。私は『堕落論』の教えるところに従って家を飛び出しました。ですから、私が今日あるのは、小説家としてこうして皆様の前に立てるのは、すべて『堕落論』の影響です。覚えきれないほどいろいろな賞をいただきましたが、今までもらったどの賞よりもうれしいと思いました。伝統に反対し、権威に反対し、自分の心の命じるままに動いていけばいいと安吾は私に教えてくれました。そのとおりに生きてきた結果、この賞にめぐりあえて本当に感動しております」と語った。
会場入り口のポスター。笑顔の瀬戸内寂聴さんが出迎える。瀬戸内さんの写真は、安吾の長男・坂口綱男さんの撮影。今回の受賞に際して新潟で撮影された。 |
篠田昭新潟市長の祝辞。 |
第2回安吾賞受賞者・野口健さんの祝辞。 |
第2回新潟市特別賞受賞者・カールベンクスさんの祝辞。 |
ゲストとともに記念撮影。左から横田早紀江さん、横田滋さん、瀬戸内寂聴さん、野口健さん、カール・ベンクスさん。 |
面会を熱望していた横田ご夫妻と控え室で語り合う。 |
野田秀樹さんお祝いメッセージ
去年、楽屋でお会いしたきりですね。また、同じイギリス人の役者たちと同じ劇場で、芝居をやっています。気が向いたら見に来てください。お祝いの言葉の冒頭で、いきなり業務連絡をさせてもらいました。
そんなわけで、今日はお祝いに駆けつけることができなくて残念です。そのうえ、この賞を、私ごときが先にもらっていてすいません。でもこの賞は、年齢とか文学とか関係なくて、なんか生きざまみたいなものにくれる賞だそうですよ。だから、わたしはとても恥ずかしかったんですが、賞金につられてついつい戴いてしまいました。
寂聴さんは、この賞にまさにぴったりですね。おいくつになられても、いつもやばいことを考えながら、生きていらっしゃる感じですもの。
安吾賞に真打ちが登場したというところでしょうか。心からおめでとうございます。